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カードゲーム世界で始める下克上  作者: 風祭 風利
第二の章 世界を回る
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零斗の実力 2

 タスクで攻撃を仕掛けるが、果たして上手くいくだろうか? そうこうしているうちにタスクの1発目の鉤爪が船の側面へと当たる。その間敵はなにもしてこなかった。 どのような算段で御座るか?


「しかしここで止まるわけにもいかないで御座る。 タスクの効果により、もう一度攻撃を仕掛けるで御座る。」


 そう言ってタスクが再度攻撃を仕掛ける。 次こそ・・・と思ったが、またそのまま攻撃を受け止めるのみとなった。 何故だ? なぜなにもしてこない? なにを企んでいるか全く読めないで御座る。


 故になにか策に既に入っているかの錯覚すら起きているで御座る。 傭兵時代にもここまでの胸のざわつきは無かったで御座る。 拙者はセイジ殿やベルジア程の学は無かったで御座るが、自分の感覚を信じてここまでやってきたで御座る。


「・・・っくっ! 今は目の前の敵を倒すしか出来ないで御座るか。 ヒサメ! あの金を落とすで御座る!」


 ヒサメが万年筆の先端で攻撃を行った。 さすがに三度目の攻撃。 何かしら仕掛けてくると思うのだが・・・またなにもせずに、黄金船は破壊された。 くっ・・・ここまで戦術的に読めないのは初めてでござる。 奴がなにを考え、なんのために戦っているのかが分からなくなっているで御座る。


「拙者は新衛兵で心臓核に攻撃!」


 警戒はしつつ相手の心臓に攻撃を仕掛ける。 その間敵は・・・!? まだなにもしないで御座るか!? そして心臓核に攻撃が入り、敵の心臓核の数が減る。 すると不意に相手が笑みを浮かべた。


「くくくくくっ。 なにも警戒せずにただ馬鹿みたいに突っ込んできてくれてありがとうよ。」


 別に警戒はしていなかったわけては無いので御座るが、敵がなにかを仕掛けようとしているのに気が付けなかったのも事実。 1体なにをするつもりで御座ろうか。


「俺はコストを14支払って、インタラプトカード「先行投資の特典」発動!」


『魔法カード(インタラプト):先行投資の特典 レアリティ 銀 コスト14

 このカードの発動には自分フィールドのモンスターを破壊され、ライフコアにダメージが入った時に発動できる。

 相手フィールドのモンスター1体を自分フィールドに移し代える。 このカード効果で手に入れたモンスターは相手の攻撃対象にはならず、効果による破壊も出来ない。』


「このカードで俺が選ぶのは・・・ふふふっ。 その「傭兵団の給仕」を貰うぜ!」


 その宣言をした瞬間、給仕の身体が浮き、相手の場に配置された。 しかし当然解せぬ事がある。


「なぜ「傭兵団の給仕」にしたで御座るか? そこまでの条件の厳しさを備えておきながら、拙者の能力の高い味方を取り入れなかった。 その理由はなんで御座ろう?」

「野郎なんかいらねぇんだよ。 それにそんな汚いところにいるよか、こっちの方が綺麗になるだろ?」


 この男、カードバトルと現実が混濁しているのではないで御座ろうか? そのような錯乱状態の中で、よくやるもので御座る。 しかし給仕がいなくなったことで、こちらの場の味方の回復手段が無くなってしまった。 万が一の事を考えて出してはみたものの、相手に取られてしまったで御座る。 しかし給仕は1人ではあまり意味はない。 ならば次なる一手をやってくるであろう。


「休憩時間に入り、拙者は終戦するで御座る。」


 ――――――――――――――――――


「師匠。 あいつの立ち回り。 なんかおかしくないッス?」


 俺達は零斗さんの試合を見ていたが、変と言えば変ではある。 というよりもどんな戦略なのかが、本当に読めないのだ。 相手を揺さぶるような戦術なのか、はたまた自分を優位に進めるために動いているのか。 今の現状ではどちらにも動いている。 ただひとつ言えるのは、奴はとにかく自分からは攻撃を行わない、と言った点だ。 このカードゲームには(今までを見ている限り)カウンターが存在しない。 殴ったら殴り返す。 モンスターが耐えられないなら自分で受けろ。 喧嘩の殴り合いだ。 スポーツマンシップには乗っ取っている・・・と思う。


「でも、あいつがそういうテーマなら、仕方の無いことッスよね。」


 そんな中での2つ目の相手を倒す手段。 モンスターや魔法によるライフコアへのダメージ。 詰まるところ効果ダメージ。 そういった戦い方をするデッキを、別名「バーンデッキ」と呼んでいる。 相手のデッキはそういったものだろうと推測は出来るが、それにしてもかなりトリッキーなのだ。 かなり高度なテクニックを見せつけて・・・


「・・・いや、敵は見せびらかしたいだけだろ。」

「見せびらかすとは、なにをだ? セイジ。」


 俺の言い分にベルジアが聞いてくる。 俺の勘ではあるが言っておいて損はないだろう。


「あいつにはそもそもカードを出す時の考えがない。 というよりもそれを自慢したいが為にカードを出してるようにも感じられるんだよな。」

「ではカードを複数枚引いているのは?」

「さっきの黄金船の効果を使うためなんだろうが、それにしては弱すぎる。 枚数捨てるだけ効果が強くなるのなら、今持ってる手札全部捨ててでも、一気に削った方が良かったな。」

「ええっと1枚で5ずつダメージが増えるんスよね? で、最初から捨てるとなるとええっと・・・」

「5枚捨て場に送れば合計5+10+15+20+25で75のダメージになっていた、と言うわけか。 いや、6枚捨て場に送った時点で105ダメージになり、瞬間的に決着まであと一歩、なんでもいいからダメージを与えればレイトは負けていた。」

「えっ!? そんな瀬戸際のモンスターを出してたんスか!? 相手のモンスター! っはぁー。 なんつー恐ろしいモンスターなんスか!」


 確かに、いくらそのモンスターでライフコアを0にされても倒された判定にならないにしても、セーフティラインを越えているため、補充コアにも限りがある。 どっちみち黄金船は破壊しておいて正解だっただろう。


「でもやつはそれをして来なかった。 それが見せびらかしたい。 ということか。」

「やつがどこまで勝敗に拘ってるか分からないが、ライフコアを回復させない限りは、向こうが完全に有利だった。 それでもしてこない理由が思い付かなくてな。 俺だったら自分の手札が無くなろうともやっていただろうな。」

「セイジ。 それは貴殿が奴の立場なら、の話だろう? 貴殿なら手札に隠し持つことなら出来る筈だろう。 とっておきの1枚を残すようにな。」


 ベルジアはそう言ってくるが、そんなもんは場面によりけりだよ。


「でもレートの手札は名実ともに0になったことッスし、こっからじゃないッスか? レートは手札が無くなってからが本番なんスよね? 師匠。」


 ファルケンがそう興奮気味に言う。 確かに零斗さんのデッキは、手札が0の状態が本領を発揮する。 カードを使うのも基本的には捨て場になるし、例え使えないカードだったとしても、余程の悪条件で無ければ、大体は使うことになる。


「あれを破るのは至難の業だと、私は思うがね。 手札が0では捨て場に送らせることも出来ないし、捨て場からの効果なら、対処をするのは難しい。 かなり出来上がっているデッキだ。 セイジがあの時勝って、味方に引き受けなければと思うと、冷や汗が出る。」


 ファルケンとベルジアは零斗さんの有利だと感じているようだが、俺はそうは思わない。 零斗さんの実力は、戦った俺がよく知っている。 それ故に弱点も分かっているのだ。 相手がどんなデッキか見えてこない以上。 勝利は過信しない方が身のためだ。 零斗さんもそれは分かっている筈。 だから強気に攻めようと思っても攻めれないし、相手を警戒して使うカードを制限している。 でも零斗さん。 これは短期決戦にした方がいいかもしれないですよ。 長引かせると大変なことになりそうな予感がします。


 ―――――――――――――――


「へへへっ。 ちーっとガキっぽい容姿だがこれはこれでいいな。 見たり触ったりすることが出来なくて残念だぜ。」

「汝の番で御座る。 早く札を引くで御座る。」

「へん。 せっかちな奴め。 俺のオープニング、そして2枚ドロー。 プラポレーションタイム。」


 見ているセイジ殿の顔が険しくなった。 なにやら気にかかるようで御座るな。


「おめぇのあの厄介な魔法カードが消えたから、ようやくこいつが使えるぜ。 こいつで決着つけてやるぜ! 俺はコストを20支払って、「ゴールドディーラー」召喚!」

現状

警備員 ライフコア 59

お金の雨

傭兵団の給仕


零斗 ライフコア 66

孤高の新衛兵

タスク

ヒサメ

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