ここから先の事は
先にお詫びをしておきます
今回のお話と前回のお話の順番が逆になっていました。
この事を感想に書かれていた方もおり、気が付けなかったのも自分の反省点でございます。
俺の引いたカード。 それは本来ならば「一度きりの開閉扉」がある時に発動したかったカードではあるものの、それを言っては結果論になるし、何よりもこの場で来てくれたことに本当に感謝しなければならない。
「俺はコストを25支払い、魔法カード「希少価値の採掘」を発動! 手札、フィールド、捨て場からそれぞれモンスターを1体ずつ、フィールドのインファイトラミア、手札のエアーフライトプレイン、捨て場のエクステンドガーディアンを山札に戻すことにより、俺は捨て場の「死水霊」を召喚する! ただし、この効果で召喚された「死水霊」はエンディングを迎えると同時に捨て場に送られる。」
死水霊は姿形を作らないまま、その場に現れる。 しかし死水霊の本領はここからとなる。
「死水霊の効果! このカードが捨て場から召喚された時、自分の手札1枚を相手に見せた後に捨て場に送る。 そしてそのステータスは上乗せ、効果は死水霊の効果として扱う! 俺が捨て場に送るのは「タイラントウォーリア」!」
俺は手札のタイラントウォーリアを捨て場に送り、ムキムキの出で立ちとなり、死水霊が変化した。
「タイラントウォーリアの攻撃力は25! 死水霊の攻撃力と混ざり、攻撃力は「46」となる! コンバットタイム! 死水霊よ! 水を纏いし拳で、ロックウォールの壁を打ち破れ!」
タイラントウォーリアの姿をした死水霊が拳を出す。 そしてそのままロックウォールに当たった。
「まだ終わりはしない! 私はコストを4つ支払い、インタラプトカード「土嚢壁」を発動!」
『魔法カード(インタラプト):土嚢壁 レアリティ 水色 コスト 4
自分の岩石族モンスター1体は、このコンバットタイム時、戦闘では破壊されない。』
「ダメージは受けるが、それでもまだロックウォールは残る! 次のコンバットタイムで・・・」
そこで俺は「フッ」と口角をあげた。
「な、何がおかしい?」
「ああ、すみません。 おかしいんじゃなくって嬉しいんですよ。 自分も相手も策に策を重ねて、相手の予測を上回るカードの押収が、楽しくって。」
「・・・! まさか・・・!」
「確かに俺の使った「希少価値の採掘」はモンスターを復活させるには代償が大きいし、死水霊の最大の力を使うのはこれしかない。 そして攻撃を凌げればまた手番は回ってくる。 だからこそこのカードを死水霊の効果とした! 捨て場に送った、タイラントウォーリアの効果を持った死水霊の効果発動!」
『モンスター:タイラントウォーリア レアリティ 銀 コスト16
種族 戦士族
このカードが戦闘により相手モンスターを破壊出来なかった時、相手モンスターを破壊して、もう一度攻撃を行う。 この効果が発動した次の相手のコンバットタイム時、このモンスターの体力は「1」となる。
ATK 25 HP 14』
「あんたが戦闘破壊を無効にしてくれたおかげで、こいつの本来の効果が使えるのさ! これにより、ロックウォールを効果破壊して、もう一度攻撃する! もう一度行け! 死水霊!」
死水霊の聖水によりロックウォールは風化して砕け、そしてそのまま相手のライフコアにぶつかった。
「ぐっ・・・うわああ!」
そしてライフコアが「0」になったのを確認して
「クールタイムに入り、俺はエンディングを迎える。 これで、終幕だ!」
全てのバトルが終わった。
「・・・ふふっ。 まさかあそこまで追い詰められても、尚立ち向かってくるとは、恐れ入った。」
倒れていた検査員が俺達にそう告げた。
「これで全員ハーレーストラへ行けるんだよな?」
「あぁ。 その強さがあればこの先、どんな困難にでも立ち向かうことが出来るだろう。」
そう言って向こう側にいるもう一人の検査員に頷いて、通すことを許可して貰った。
「しかし、本当に1回で勝ってしまうとはな。 大抵の旅人なら4、5回は戦い直すんだけどな。」
「それって商人にもやってるんですか?」
「正式な商人なら通過させているが、それ以外なら戦っている。 不正の無いようにね。」
そういうものかと思いつつ、俺はドーホースに合図をして、通過させてもらうことにした。
「少年。 我々から一つ忠告をしておこう。」
「なんですか?」
「ここから先、己の意思だけは揺らぐことの無いように心を保つのだ。 我々のようなお人好しな人間だけとは限らないのだから。」
「ええ、気を付けておきます。 それでは。」
そう言って俺達は国境を越えて、ハーレーストラの国土に立ち入れたのだった。
「いよいよ明日は、例の橋の場所になるで御座るな。」
ドーホース達をある程度走らせて、野宿の準備をしている時に、零斗さんがそう呟いた。
「そうだな。 しかしあの検査員の言っていたことも気になるな。 「己の意思には揺らぐことの無いように」と。 あれはそのままの意味と捉えるべきなのか?」
「そうなんじゃないッスか? そのまま意味と受け取っていいんじゃないッス?」
「でも、どうして、あんなことを、言った、ので、しょうか?」
「ボク達がよっぽど危ういと思ったのかな? でも善意で言ってるからねぇ。 余計に疑いたく無くなっちゃうよ。」
みんなも同じことを思っていたようで、あの言葉に引っ掛かっていたようだ。 とは言えあの人の言葉に裏はない。 しかしこればかりは考えても仕方がない。
「俺っち達の姿を見てどう思うのかが、まず最初の門ッスよね。」
「そうだね。 亜人の国とは違う解釈の所ばかりだろうし、ボク達を見ただけでも、嫌悪感を見せられるかもね。」
「その辺りは拙者達が弁解するで御座る。 こちらとしても訳の分からぬ理由で、汝らを危険に晒すわけにはいかんで御座る。」
「・・・我々も同罪と言う事になることも覚悟をしておかなければならないかもしれない。」
確かにあれはあくまでもマーキュリーでの話だったので、あの程度で済んでいたのかもしれないと考えると、この世界の定義が分からない。 国によっては迫害が国全体に及んでいるかもしれない。
だがしかし、そんなことを言っててもしょうがないこと。 そして何よりも
「・・・俺達ならやっていけると思っておけば、なんとでもなるんじゃないか?」
「・・・セイジ、ここに来て精神論に出るのか。 それだけでは・・・」
「いや、思い込むという行為は、案外馬鹿には出来んで御座るよ。」
そう唱えたのは零斗さんだった。 先人の知恵でもあるのかな?
「自分を否定しないやり方で一番大切な部分に御座る。 己の事は己にしか分からぬ。 故に他人の言葉に耳を貸しすぎるのも場合によっては悪手になることもあるで御座るからな。」
「そう言うこった。 ちなみに俺は今のメンバーでもやっていけるって思ってるんだぜ?」
「その心は?」
「そうだなぁ。 俺達はそれぞれに一つ強みを持っているんじゃないかって思ってる。」
「強み?」
ファルケンが首を傾げたので、ここは説明をしておこう。
「そうだなぁ。 例えばアリフレアなら、料理が出来るだろう? で、ファルケンはその機動力と空を飛べるのもあって、情報収集に長けてると思うんだ。」
「ふむ。 そう言われてみれば確かにな。」
「で、ベルジアは交渉力、まあ話術といってもいいだろうな。 零斗さんは傭兵だったから戦術的なものは心得てるでしょう。 ゼルダは・・・そうだなあ。 見方を変えているって言えばいいのかな?」
「どういう意味ッスか?」
「例えば目の前の疑問に俺達が立ち塞がった時に、俺達が見ている方向とは別の見方をすることが出来るのがゼルダだと思ってるんだ。 まあ話の切り出しとかでも十分に役に立っているがな。」
「みなの事を良く見ているな。」
そりゃ、この旅をしているメンバーなんだから、ちゃんと見ておかないとさ。
「それでは汝はどうだ?」
「俺?」
そういえば俺の場合の事を考えてなかったな。 でも俺ってなんだろう? なにが強みだろう?
「セージさんはこのメンバーを集める為のリーダーシップ、とかってどうかな?」
「確かにそれなら納得ッスね。 それが師匠の強みッス。」
リーダーシップか。 そんなに統率力はないと思ったけれど、みんなが思っているならそうなんだろうかな? まあ俺の強みがあるだけでもいいのかな? そんなことを思いながら明日に向けて眠ることにした。
この度はご迷惑をおかけしたことを謝罪すると共に、今後無いよう務めていきます。
そして最後に、この小説を楽しみにしている方々に、感謝を。




