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カードゲーム世界で始める下克上  作者: 風祭 風利
第二の章 世界を回る
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国境を越えるための

 翌朝俺達は早めに村を出て、今はこの先のオストレリアとハーレーストラの国境に向かい始めた。 昨日は予想外に時間を取られてしまったが、毎度毎度急いでいるわけではないので、特に気にしてはいない。


 行き先の事をドーホース達に任せ、俺達はカードを見定めている。 それで俺は渋い顔をしていた。


「こう言ったところにまで影響するのだけは本気で勘弁して貰いたいものだ・・・」


 そう呟きながら見ているのは1枚のカード。 それにはこんなことが書かれていた。


『モンスター:嘘の殺人鬼(フェイクマーダー) レアリティ 桃 コスト10

 種族 アンチマン

「戦闘時」所有しているプレイヤーのライフコアを5つ支払うことで、このカードの攻撃力が10上がり、戦闘するモンスターは戦闘では破壊されない。

 ATK 12 HP 10』


 やはりカードの反映のしかたが少し自分の行った事になるのは少し気が引ける。 こんなことカードを出すために行動してるんじゃないだけどな。 ということは今後こう言ったカードも出てくるという認識でいるしかないのか。


「どうするんスか? そのカード?」


 ファルケンが隣から横目で見ている。


「必要ないな。 俺のデッキには今はいらないな。」

「今はってことは、いつか入れる予定なんすか?」

「環境が変われば状況に応じてな。」

「なんで天気とかが関係してくるんすか?」


 おっと、こっちで前の世界の専門用語言ったところで通じないわ。 というかそういう反応しか出来んか。


「俺の今のデッキには特に組み込んでも問題にならないって話さ。 下手に今のカードを入れ替えると、コンボが潰れるからな。」

「でも師匠。 ほとんど単体でも動くカードばかりじゃないッスか。 俺っちみたいに、テーマとして作られていないなら、厳しくないッスか?」


 ファルケンの意見はごもっともではあるが、自分でも驚くくらいに、似たような名前のカードがパックから引けないのだ。 それっぽいのを見つけても、いざ組み込む程かと考えてしまう。 それにテーマにするにしても、今のデッキが名称のバラバラなカードの集まりなので、それこそテーマデッキにするならば1からの組み直しになってしまう。 それでは今のデッキの意味が無くなってしまう。


「セイジにはセイジなりの山札があるで御座る。 下手に他人が口を出さぬ方が良い。」

「それもそうッスね。 他人のデッキは他人しか分からんもんッスからね。」


 そうファルケンは自分のデッキに目を落とした。 俺のデッキは徐々に完成形に近付いてはいるのだが、なにかが圧倒的に足りないのだ。 前世の時でもカードは色んなものをやっていた。 だけど自分の中のコンセプトとというものが無かったような気がしている。 だからこそなのだろう。 縛られることの無い、相手の予測出来ない攻撃が俺には出来るのだろうな。 ・・・惜し気もなくそう言えるのもおかしな話か。



「森林地帯が続いているはずだがやたらと道が進みやすい。 村の皆が舗装してくれたのだろうか?」


 ベルジアの言うようにドーホース達のスピードが一向に衰えないところを見ると、かなり丹念に舗装したのが伺える。


「けどなんのために道を進みやすくしたのでしょうか? あの村の人達は、あまり出たがってはいなかったのに。」

「となれば別の用途に使われるのが常で御座る。 とはいえ拙者達もどの辺りを通っておるのか、分からず仕舞いで御座るが。 このような大まかな地図では流石にな。」

「零斗さん、その辺りは仕方ないですよ。 どうやって作られたのかすらも分からないんですから。」


 前の世界のように衛生から飛ばして映像を見て書いてるわけでもあるまいし、無理を言ってはいけない。


「・・・あれ? ご主人様、馬車が、ゆっくりに、なって、きました。」


 アリフレアがそう告げると、馬車が完全に止まった。 なにがあったのだろうかと外を見ると、1人の警官のような格好をした人が立っていた。 良く見ると数メートル先にも同じような人が後ろ向きで立っている。


「ここから先はハーレーストラの国土となる。 用件を申せ。」


 あぁ、ここが国境なのか。 この人はその検査員って事だな。 ってことは向こうにいる人がハーレーストラの検査員か。


「俺達はマーキュリーの使いの者です。 今回はハーレーストラ国王に、同盟についての手紙を渡したく存じ上げます。」

「用件は確認した。 だがこちらとて、ただ「どうぞ」と道を譲るわけにもいかない。」


 む、やっぱりそういうのがあるのか。 しかしなにをすればいいのかまでは分からんぞ。 まさか無理難題を押し付けてくるんじゃないだろうな? そう思っていたら、検査員の人はディスクを構えて、俺達に向けてきた。


「私と勝負し、そこで勝利できたら、ここを通ることを認めよう。」

「・・・へぇ、そんな感じなんだ。 これは一人一人行うのです?」

「代表者1人で構わない。」

「こちらが負けたら?」

「特にペナルティ等は設けてはいない。 通りたければ再挑戦をすればいいというだけの話だ。」


 ふーん、随分と優しい仕様だな。 それなら何回でも・・・いや、何回でも挑戦権があるってことは、それだけ目の前の検査員は強いということだ。 肉体的にも、お世辞にも強そうには見えないが、見た目で判断して返り討ちに合うのが関の山だろう。


「どうするッスか? 自信満々に見えるッスよ? あの人。」

「再挑戦が可能なら俺が行くよ。 負けた時は頼んだぜ。」

「なにを言っている。 貴殿は嬉しそうな顔をしているではないか。 この戦いを楽しもうとしているのが見え見えだぞ?」


 ベルジアに言われて手で口元を押さえる。 でもこればかりは仕方ないと思って欲しい。 昨日の事もあって、まともなカードバトルを行いたいと思っていたんだ。 こう言うのは最後にリーダーをおくものだが、今回ばかりは許して欲しい。


「君が相手かい?」

「ああ、1人でも勝てばみんなここを通してくれるんだよな?」

「約束は守ろう。 しかし私は強いぞ?」

「強い方がやる気も上がるってね。」


 そう言いながら俺もディスクを構える。 制約カードバトルではないが、気楽さはない。 恐らく俺が負けることになれば、他のみんなで勝つのは至難の業になるだろう。 理由はどうあれ、俺がやらなければいけないのだ。


「「さあ、劇場の幕開けだ!」」


 いつもの叫び声と共にダイスロールが行われる。 俺が「5」、検査員が「3」と出たので、先攻は俺になる。


「俺のオープニング、そしてドロー。 プラポレーションタイム。 俺はコストを18支払って「怪盗ハンドスティール」を召喚する。 スティールの召喚時効果。 相手の手札をランダムに選んで、その1枚をコストを倍にして使用することが出来るようになる。 この時相手の手札は減らない。」


 早速スティールで相手の手札の1枚を取ってくる。 まあ相手としても別に手札が減る訳じゃないし、デメリットらしいデメリットにはならない。 さて、スティールが持ってきた、というか盗ってきたカードは・・・


『モンスター:ヒーリングガーディアン レアリティ 桃 コスト 8

 種族 岩石族

「召喚時」自分のライフを8回復する。

 このカードのHPを任意の数減らして、自分のモンスター1体に分け与える事が出来る。

 ATK 10 HP 50』


 俺の持ってる「エクステンドガーディアン」に似ているカードが手元に来た。 あいつはテーマカードの1つだったのか。 でもこれ以上コストを支払いたくはないな。 それにまだ初ターンだし、攻撃は出来ない。 スティールがいるから、攻撃にも余程の事が無い限りは耐えれるしな。


「クールタイムに入り、俺はエンディングを迎える。」

久しぶりのカードバトルで感覚が分かんなくなりそうです。


軌道修正すると言ったのは自分なので、頑張りますよ。 ここで感覚を取り戻すんだ

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