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カードゲーム世界で始める下克上  作者: 風祭 風利
第二の章 世界を回る
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森に住む民族の事情

「どうしたドーホース達。 何かあったのか? ・・・ん?」


 カーテンを開けて、ドーホース達に目をやるのと同時に、目の前の集団を目にする。 老若男女、老人から子供までいろんな人達が、同じ格好をして行く手を遮っていた。


「あの、もしかしてこの辺りに住んでる人達ですか? すみません、もしこっちの道が駄目なら別のルートを通るので、よかったら教えていただけませんか?」


 そう俺が口頭で言うと、目の前人達はなにやらヒソヒソと話し始め、そして代表の人であろう男性が声をかけてきた。


「勝手に止めてしまって申し訳ありません。 最近やたらと物騒になって、下手に村に入れたくなかったものですから。」

「そうだったのですか。 もしかしてこの先に村が?」

「ええ。 ですが道に迷ってしまったならば問題はありません。 ちなみにどちらまで?」

「ええっとオストレリアとハーレーストラの国境の方に向かいたいのですが。」

「それでしたら、一度我が村を通らなければなりませんね。 どうしますか?」


 どのみち通らなければならないのなら行くしかないよな。 正直ああして道を塞

 いでいる理由については、なにかあるのだろうかと考えたが、それを俺達に教えてくれるかは定かじゃない。


「ではお願い致します。 危害は加えないと約束します。」

「・・・まだ我々は何も言っておりませんが・・・? いえ、そう言ってくださるならば信用しても大丈夫でしょう。 案内のものを用意します。 付いていって下さい。」


 互いに話が噛み合ってないように感じたが、こっちとしても穏便に済ます他ない。 疑問は後にしてもらおう。


「こちらが我が村になります。」


 案内してくれた俺と同い年位の女の子がそう告げた。 感情があまり無いような感じで、愛想がないようにも見えるが、顔立ちが綺麗なので、クールビューティとしてやっていける気がする。 この村を出ることにはなるけれど。


 家の作りは木造が多く、家というよりは小屋の方が見映え的には近い物になっていた。 正しく「村」と言える程の大きさだ。 集落とも言えるだろう。


「まだ日は高いですが、お客様の寝泊まりの場所を・・・」

「それは気にしないでくれ。 俺達には荷車があるから、それで十分だし。」

「ですが・・・」

「村の人達の手間は取らせないさ。 余所者は余所者らしく、自分達の住まいで過ごすさ。」


 そう言ってドーホース達と一緒に入った荷車の中に入る。 そしてある程度は必要なものをまとめて出ようとした時


「本当に良かったのか? 向こうのご好意を貰わないで。」


 外で待っていたベルジアがそう質問を投げ掛けてくる。


「ここは国境の通り道。 よっぽどの事じゃなかったら立ち寄ることの無かった場所だし、俺達は旅人だ。 宿を探すならともかく、泊めさせて貰うのは申し訳無いって。」

「そう言うものなのか?」

「それにこの村・・・なーんか外からの人間とあったんじゃないかって考えるんだよなぁ。」


 そう、俺が気になったのは、通行止めのように立っていた人達の人数や世代が明らかにおかしいのだ。 村を守らなきゃいけないのか、それとも試しているのか。 とにかく俺達にああして干渉してきたってことは、なにかしらあるってことだろう。 その辺りもちょっと聞いておかないとな。


「お急ぎの用事でなければ、どうですか? 丁度みんなでお昼にしようと思っていたんです。」


 妙齢な女性が俺達に声をかけてきてくれた。 見ると中央広場のような場所で、食事にみんなで円を囲っていた。


「今日はなにかのお祭りですか?」

「いえ、私たちは全員がいることを確認するために、こうして食事の時には集まるようにしているんです。 見張りの人達には申し訳無いのですが、これかこの村で定めた掟なので。」


 そう言うことら俺達も囲わせて貰おう。 みんなも特に反対意見は無く、俺達はお昼を村の人達と一緒に食べることになった。 そして1人の老人、恐らくは村長であろう人が立つ。


「今日の見張りは、サルソ一家とヤーマ一家。 それ以外の者はいるな。 今日は旅人の方達も交えた食事となる。 では、本日も我々に生きる糧をくれた食に感謝を。」

『感謝を。』


 村の人達は手を合わせ、食事に一礼をしている。 日本人なら誰でも知っている「いただきます」の作法だ。 俺達もそれにならって手を合わせ、一礼をする。 そこからは普通の食事となんら変わらなかった。


「あっとすみません。 ちょっといいですかね?」

「おや、旅のお方。 我らの村の味、いかがだったでしたかな?」


 先程音頭を取っていた老人に俺は声をかけると、そう質問が返ってきた。


「ええ、美味しくいただきました。 味付けも珍しいものばかりで。」

「それは良かったです。 作らせた甲斐がありました。 ところでなにかご用ですかな?」

「ええ、ちょっと聞きたいことがありまして・・・もし言いたくなければそれでも構わないのですが、自分達はこの先の国境に向かって走らせていたところに、村の人達が道を塞ぐように自分達の前に立っていたのです。 その辺りについて、心当たりはおありかと思います。 よろしければ理由をお聞かせ願えますか?」


 この場に他のみんなはいない。 みんな村の人達と交流をしているからだ。 ゼルダやファルケンは亜人だということを知っても、物珍しさからかゼルダやファルケンの所に村人は付きっきりになっている様子なので、俺もこうして声を掛けられたのだ。


「旅のお方が気にするようなことでは無いのですが・・・ あなた方はどちらから来られましたか?」

「オストレリア方面からです。」

「それならサルソ一家とご対面したのですな。 オストレリア方面は商人が多いので、どのような方が相手でも対応できるようにしてあるのです。 先程連れてきたのも、サルソ一家の娘でございます。 感情はあまり豊かではないですが、美しい娘でしたでしょう。」


 確かにクールビューティな感じだったから、村娘と言っても嘘ではないだろう。


「一方でハーレーストラの方はヤーマ一家で見張っていて、あちらは村一番の屈強な者達の集まりです。 やたらと物騒ではありますからなぁ。」

「そういえば地図には載ってなかったのですけれど、それにも理由が?」

「そちらには意味はありませんよ。 ただ国にたいして通達をしていないだけでありまして。」


 ふーむ、それならいいのだが・・・


「物騒と言われましたが、なにか変化が?」

「先程言われたハーレーストラから、何回か怪しげな人物が4、5人の集団で来ているという報告を受けたことがありまして、どのような者達なのかは・・・ それに荒くれ者達も、この辺りには生息しておりますからなぁ。 その2つがぶつかるならば良いのですが・・・」


 手を組まれたら厄介かもな。 ハーレーストラからの集団は予測だが兵士達かもしれない。 オストレリアの現状を知るための派遣じゃないかな? どっちみちこの道を通らなければならないとすれば、面倒なのはこの村だ。 最悪ここを拠点にされる可能性があるな。


「自分はオストレリアの国王と顔見知りです。 自分達はハーレーストラの方に向かいますが、よろしければ国王に対してこの村を国の地図に載せて貰うように取り繕って貰うように手紙を書けますが。」

「ありがたいお願いですが、我々は載せて貰うような村ではないので。」


 村長はそう言っているが、俺はやっておいた方がいい気がするんだよなぁ。 村の繁栄の為にも。 この村の問題にこれ以上突っ込むつもりは無いのだが、やはり心配にはなってしまう。 現状を見てしまったらなぁ。


 そんなことを考えながら村長と話していたら、俺達が入ってきた村の入り口とは別の入り口から、背の高い男がなにやら息を荒げながら入ってきた。 見たことの無い顔だったので、向こうの見張りをしているヤーマ一家の1人なのかなと思った。


「村長! 奴らがまた来ました!」

「また来よったのか・・・あの子はやらんと何度・・・」

「あの、奴らとは?」

「先程言った荒くれ者じゃよ。 どれだけ言っても言うことを聞かんのじゃい。」

「だからあいつを渡せばこの村を襲わねえって言ってんだから、さっさと寄越しやがれ!」


 その叫びは先程の男性の入ってきた入り口からゾロゾロと集団で現れた。 そしてその真ん前に立つ角の飾られている帽子を被り、タンクトップでからだの大きい、いかにも荒くれ者ですと言わんばかりの風貌の男が立っていた。

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