表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
カードゲーム世界で始める下克上  作者: 風祭 風利
第二の章 世界を回る
103/262

世界旅行計画

「お、ようやく戻ってきたッスね。 お疲れ様ッス。」


 みんなが集まっている場所に俺とベルジアも合流する。 と、暢気な事を言っているが、後ろ側にかなり大きい荷車を見る限り、かなり大掛かりな移動を想定して買ったんだなって感じた。 まあ間違ってはいないけどな。


「どう、でした、か?」

「問題なく手紙を受け取って、手紙を返すって言ってくれたぜ。 ちゃんと手紙もあるしな。」

「あ、それは渡すんじゃないんだね。」

「どうやら内容として手紙は見せるだけのようだったみたいでな。」


 ベルジア達が話をしている間に、俺は零斗さんに話しかける。 みんなには分からないように、日本語で。


『どうです? なにか思い出せました?』

『思い出すと言っても、拙者はそもそもこの世界に来る前の事は、拙者が傭兵になっている間に忘れたで御座る。 故に前の世界の未練なども無いので御座る。』

『じゃあ元の世界に帰りたいとは』

『今となっても思えないで御座る。 それに汝が来た時代の事を考えれば、浦島太郎状態になってしまうので、帰ってもおそらくついていけなさそうで御座る。』

『その喋り方から治さないといけないしな。』

『人間喋り方に慣れてしまったら、簡単には戻れないで御座る。 元の世界に戻るとなれば弊害になろうが、もう戻らないとなれば、気にならないで御座るよ。』


 そう言って哀しい笑いを見せる零斗さん。 まあ今の格好で戻ったところで、色々と面倒だろうし、同級生と言ったところで零斗さんが5年も若い。 そもそも行方不明だった人間が10年越しに帰ったと言っても誰も信じてはくれないだろう。 ならばこちらの世界で第2の人生を謳歌した方がいいだろうな。


「ご主人様。 次は、どう、行かれます、か?」

「次はこの国に行こうと思ってるんだ。 情報も手に入ったしね。」


 そう言っておれはハーレーストラの場所を指差す。


「ここが一番国土と接地している場所としては近い。 それにこの先は陸続きにもなる。 この国から入るのが理想的だろう。」

「・・・少々待たれよ。」


 そう口を挟んだのは零斗さんだった。


「どうしたんスか? レイト?」

「この辺りは拙者も通ったことがあるが、あの辺りは治安が悪い。 なによりそこを行こうと思うのならば、盗賊もわんさかいる。 迂闊に行くのは・・・」

「分かってますよ。 だから敢えて行くんですよ。」

「得策では・・・セイジ、今なんと?」


 零斗さんが驚いたように俺を見る。 しかし俺とベルジアはそう反論をされるのはとっくに織り込みつきなんだよな。


「俺達の旅は、常に安全なルートを通ろうと模索をしていた。 だけどそれじゃあ本当の旅の緊張感を味わえない。 勘違いしないでと思うのは刺激が欲しいんじゃない。 安全なルートが確保できなかった時でも問題なく進むための術と敵対した時の処理についての知恵が無ければ、もしもの時に動けなければ意味がないってだけの話をしているんです。」


 俺達は一度零斗さんにマーキュリーでの旅の経路を教えた。 その時についでに全員の経緯も教えた。 それを全部聞いた零斗さんは、椅子に深く座り直した。


「・・・拙者は本当に汝らの事を誤解しっぱなしで御座る。 拙者よりも若人の集団とはいえ、修羅場を乗り越えていたその度胸を、拙者は分かりきっていなかったで御座る。」

「レイトは俺っち達の事をどう見てたんスか。」


 まあファルケンの突っ込みも零斗さんの想いも分からないでも無いから俺はなにも言わなかった。


「では改めて武器を買い直しておいた方が良さそうで御座るな。」

「ん? 武器って、一体なにを買ってきたんだ?」

「簡単で御座る。 痺れ粉や催涙粉等で御座る。 後は火打ち石で御座る。」

「・・・零斗さん・・・あんた。」

「なにかおかしいことがあったか? セイジ。」


 零斗さんの言いたいことを他のみんなには分からないよな。 ポカンとしているところを見ると。 まあいいや、俺が分かってりゃ。


「それと人数や荷物の関係上、ドーホースをもう一体買っておいたぞ。」

「まぁ、馬力の都合を考えるなら仕方ないか。 でも大丈夫か? 喧嘩したりとか闘争心がついたりすると、俺達じゃ手がつけられなくなるかもしれないぞ?」

「ドーホース達のは自分達の立場等は分かっている程に知力が高い動物だ。 上下関係はあれど、そのようなことで喧嘩などは起きないさ。」


 俺も馬には詳しくないが、ベルジアが大丈夫だと言うのなら、大丈夫なんだろう。


「ならそろそろ行こうか。 地図を見る限りじゃ、かなり大きいみたいだしな。 この世界は。」


 そう、改めて地図を広げられるとかなり大きい。 完全に前の世界の世界地図の大きさである。 マーキュリーが完全に小さい島国になっている。 それと今いるオストレリアも世界地図的に見たらインドみたいな大きさだな。


「これ、全部回るのかい?」

「明確には考えてなかったが、ある意味そうなるのかな? とはいえ本当に全部出来るかは定かじゃないがな。」

「どういうことッスか?」

「全員が全員、お人好しじゃないってことだ。 同盟を完全に結ぶとは限らない。 交戦することも考えないといけないしな。」


 実際そっちの方があり得るんだよな。


「ご主人様、なら、大丈夫、です。」

「ありがとうなアリフレア。」


 そう言ってくれるだけでもやりがいはある。 ま、話してみてからだからな、何でもさ。


「では参ろうぞ。 拙者は少し前まであの辺りを放浪しておったで御座る。 多少の地理には役に立とうぞ。」


 それはありがたい。 いきなり未開の地に足を踏み入れても、勝手が分からないしな。


 そして俺達はハーレーストラの国境に向かって、ドーホース達を走らせた。 今までと全く違うのは、俺達が乗っている場所についてだ。 以前まではドーホース達にそのまま乗っていたのだが、今回からは荷車で運ばれている形になっているので、座る体制も、跨ぐ形から普通に座れる形になっていた。


「今まではドーホース達に乗っていたから結構大変だったりするのもあったけれど、今回から普通に座れるのはいいね。 テント代わりにもなるし。」

「調理場も、さらに、簡易的な、ものが、あったので、これで、荷物も、小さくなり、ました。」


 そう、荷車に布が被されているおかげで、日射しも遮断できるし、雨も凌げる。 カメレオンシーツを使ったりして布団として使用すれば寝れるしな。


「随分と優雅になったもんッスねぇ。 俺っちも、外を飛ぶのは緊急時な位なもんッスから、気楽になったッスよ。」

「ところでドーホース達の所に誰も乗らなかったが、大丈夫なのか?」

「心配ない。 ドーホース達にはある程度の行き先は教えてあるし、彼らは我々以上に周りに敏感だ。 下手に指示するよりも、任せた方が危険も少ない。」


 確かにドーホース達は賢い。 下手にパニクらせるよりはいいか。


 そしてある程度進んだ夜。 食事の準備をしている時、ドーホース達とも一緒に食事を取るのだが、新しく入った1匹だけは、遠くから見るように俺達から離れていた。 ベルジアの言っていた上下関係の話のものだろう。 だから俺はそのドーホースの元に行った。


「お前達の中に上下関係があるのは聞いてるけれど、少し位なら許してくれるさ。 先輩達もああ見てるんだ。 俺達は別に怒ったりはしないから、な?」


 そう言いながら俺はそのドーホースをみんなの所に持っていき、改めて食事を取った。 ドーホース達には、もっと仲良くなってもらいたいと言う願いもあるしな。



 そして俺達が就寝する前の事。


「汝らに話がある。」


 と零斗さんが言い寄ってきたので、すぐに寝れるように準備をしてから、改めて円を作った。 ドーホース達も一緒だ。


「どうしたんスか? 見張りの順番は決めたッスよね?」

「汝らに確認しておきたいと思った次第の事で御座る。」

「確認?」

「拙者はここを通ったことがあると、言ったであろう? その時にちらほらと、盗賊の痕跡が残っていたので御座る。 この辺りは下手をすれば盗賊どもの巣窟。 勢力はいくらでもいようぞ。」

「ではそのルートを避けていくのが一番ってことかな?」

「いや、あれだけのドーホースと荷車だ。 それは不可能だろう。 となると別の話になるわけだが・・・」

「こんなことを聞くのは、当然忍びないと思ってるで御座るが・・・汝らには1つ、覚悟をしなければならないことでもあると想い至った始末ゆえ、こうして話を聞いてもらうことにしたので御座る。」

「覚悟って、なんの覚悟です?」


 そう俺が問うと、零斗さんは息を吸い込んで、一言だけ、こう告げた。



「汝らは、人を殺めた事があるで御座るか?」

ハートフルからシリアスに入ります。 と言ってもほんの少しですが

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ