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カードゲーム世界で始める下克上  作者: 風祭 風利
第二の章 世界を回る
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国王邸(?)

 街の中を歩くこと20分。 俺達2人はそれらしき建物がないか探しているのだが、どうにも高いところに建っていないのではないかという勝手な疑問が浮かんできてしまっていた。 まあ偏見もいいところなのだが、目立つ建物もない。 イークスの時のように、平屋に棲んでいるのだろうか?


「おいベルジア? 本当にこの道であっているのか? 地図を見間違えてないか?」

「私もこの国の地図を何度も見直しているだが・・・」


 そう言いながら俺に地図を見せる。 俺達は地図で言えば、上側が海になっているので、上から来たことになる。 そしてオストラレスはここが一番都心になるので、領主邸のような場所があるならばここになるし、もし郊外から離れていたとしても、目印位には地図に載る筈だ。 それなのに、なにも載っていないのは


「随分と自分を隠すのが得意なようで。」

「目立ちたがりではないようだな。 本当にどのような人物なのか知りたくなってきた。」


 そう2人で言ってみるものの、こうしていても埒が明かない。 もう聞き込みした方が早いと互いに思い、聞いて回ることにした。


 とはいえそう簡単には情報は集まらない。 オストラレスの人達も、「確かに国王はいるのだが、中々表舞台には出てこない」とのこと。 ならばせめてその国王が棲んでいるであろう家なりなんなりを教えてもらうことは何とか出来たので、そこにまずは行く事にした。



「それで、着いたわけなのだが・・・」

「・・・灯台もと暗しってやつだ・・・ 俺達よくもまあ騙されたぜ。」


 俺とベルジアが合流した後に、家の場所を教えてもらったと伝えると、すぐにその場所に向かったのだが・・・白いレンガをいくつも重ねて、出来た四角い建物。 大きいのの上にいくつか細かいのが乗っかっているような家の造りをしていた。


 そしてなによりも驚きなのが、後ろを見ると零斗さんと最初に出会ったカフェがあったのだ。 つまり俺達は目の前の国王の家の前でカードバトルをおっ始めたという事になる。


「普通ならその場で捕まってもおかしくない筈なんだよな・・・無礼とかそう言った話じゃないぜ・・・」

「そもそもこのような場所ならば、姿を現しても良いと思うのだが・・・?」


 俺とベルジアは顔を見合わせて、まずはドアをノックする。 よくよく考えれば国王なのにも関わらず家の前にお付きすらいないのはどういったことだろうか? ここまで擬態していれば領主の家だとバレないとか、腕には自信があるとか、とにかく理由が分からない。 俺達の疑問は途切れなかった。


 ドアをノックしたが出てこない。 試しにもう一度、強めに叩いてみる。


「・・・留守か?」

「それなら出直せばいいか。 とはいえ、何時帰ってくるか・・・え?」


 俺はちょっとドアに触れただけだ。 なのにドアノブ式じゃなかったのか、ドアが内側に開いた。 というよりも、鍵がかかっていなかったのだ。


「・・・おい、ベルジア。 さすがに無用心過ぎないか? この家が国王の家だと知らなかった俺達ならともかく・・・」

「・・・なにやらただならぬ気配が感じ取れる。 セイジ、警戒を怠るなよ?」


 当然。 俺はまずドアをさらに少し開け、中を確認する。 玄関などはなく、そのままリビングのような場所と上に続く階段が見えた。 中はまだ陽が高いとはいえ薄暗い。 俺がまず中に入り、そして次にベルジアが入ってくる。 ドアは開けっ放し。 陽の光を取り入れるのと同時に何かあったときにすぐに出れるようにするためだ。


 リビングに近付く。 正方形の机に椅子が数席置いてあるだけ。 奥にはキッチンが見える。 オープンキッチンってやつだろう。 今のところそれ以外のものは見えない。


「セイジ。 もしかしたらの話をするが、我々は嵌められているのではないか? 余所者がそう簡単に国王に会わせるわけにはいかないと。」

「可能性は否定できないな。 むしろそっちの方が現実味を帯びてきてるな。」


 そう俺は言っているものの、顔は笑っているが冷や汗が出てくる。 存在しない筈のゴーストと対峙しようという考えを持つ者の心境そのものだと我ながら思っていた。 そんな時だ。 俺達のいるリビングの真上から「コトン」という音が響いた。 なにかを落とした音だろうか?


「上になにかいるな・・・」

「その言い草、まるで人でないかもと言っているぞ?」

「・・・人であると確信したい・・・」


 俺達はリビングをぐるっと回る形で階段まで行く。 壁が片方見えているタイプの階段だ。 おそらくこの先は2階というよりも、屋根裏部屋に近いものだろう。 あの四角い家で?


 音がした左の部屋に行く。 ドアを開けるとそこは子供部屋のような場所だった。 ドアの近くに積み木が1つ転がっていた。 おそらくこれが落ちたのだろう。


「やっぱり人がいるのか?」

「でもそれならなぜ姿を見せないんだ? というよりも、私達が入ってきた時点で様子くらい見に来ないのか?」

「俺達が犯罪者だった場合の事を考えてたのかもよ? 捕まったらなにされるか分からない、みたいな。」


 俺はもうこの家を「国王の家」という認識を半分捨てている。 あまりにも民家のようで、王族が棲んでいるようにとても思えなくなってきたからだ。 まあ本当に王族が棲んでいたら謝っておこう。 心の中で。


 左の部屋の確認が取れたので、逆側の部屋も確認する。 今度は寝室だった。 大きいベッドが2つとクローゼットのみのシンプルな部屋だった。


「あのベッド。 2つあわせて何人なら入れると思う?」

「大人二人の子供3人で計5人ってところか。 まあ実際のところは分からないが」


『バタン』


「な!?」


 今明らかにドアを閉められた! しかも下の階、玄関のドアをだ! やはり誰かいる! おそらく俺達が階段を上っている間にこの寝室に入り、そして左の部屋をみている間に階段を音を極力立てないように降りたんだ!


 そう思い真っ先に階段を降りるとそこには


「あらら、見つかっちゃった。 風が強かったから思い切りじゃないと閉まらなかったんだよねえ。 いやぁタイミングが悪かったなぁ。」


 そこにいたのは白髪の、比喩表現のなんにも要らない少年だった。 ここの家の人間なのだろうとは思うが、なぜ今になって出てきたのか。


「おっと、姿を現さなかった事は謝るよ。 ちょっとしたいたずら心が働いちゃってね。」

「・・・君がここの家の人間だということは、あんたはこの国の王の息子、いや、孫の可能性もあるな。 この家が本当に国王の棲んでいる家ならな。」

「確かに国王は棲んでいるけれど、君の見解には間違いがある。 いや、むしろそう思うのは正しいことか。」

「おーい、自己解決してないで、色々と説明してくれない? 推測だけで言った俺にも非はあるが。」


 なんか互いに微妙に会話の論点がずれているのだ。 とりあえず話の焦点を合わせよう。


「では改めて、僕はアレクサンド・オスタリレス。 この国の()()だよ。」

「・・・・・・え?」


 うーん聞き間違い・・・なわけないわな。 隣のベルジアも聞いてるんだ。 聞き間違いなら俺の耳がおかしくなってる。 と言うことは・・・


「本当に国王なのか?」

「最初は疑うよね。 でもれっきとした国王さ。 歳は15。 まあ僕は背も低いし童顔だから、子供と間違われることはよくあることさ。」


 その気持ちは普通にあった。 実際俺もベルジアも子供としか思えなかったから。


「それで、ここを国王の家だと知った今、君達はなにしに来たのかな? 事によっては、侵入者として君達を裁かなければならなくなるけれど?」


 それはご勘弁願いたいものだ。 となればやることは1つ。 というかこれしか国王の家に来る理由なんかないし。


「俺達はマーキュリーから同盟を結ぶための橋渡しにきたんです。 まずは話だけでも聞いてもらえませんか?」


 そう言って俺はミカラ様から貰った書類を手元に見せる。


「・・・いいよ。 そこに座ろうか。 立ち話もなんだしね。」


 そう言ってアレクサンドが先に席に座り、俺達を席に促した。

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