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200文字小説集 vol.2

生きているだけで死にそうだ…(200文字小説)

作者: 日下部良介

暑い日が続く。

身体中から汗が噴き出てくる。シャツの表面が塩分で白くシミになっている。


「暑い、暑い」

同僚が何度も口にする。

「言うな! 余計に暑くなる」

「お前は平気なのか?」

「平気じゃないけど、口に出したところでどうにもならん」


僕は他の人より少しだけ肉の付き具合がいい。デブだとは自覚していないが。


「デブには辛いよな」

「誰がデブだ!」

デブと言われたことに憤りを感じながら思う。


生きているだけで死にそうだ…。

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