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俺の特殊能力は無限コンティニュー〜ただし、HPは常に1だそうです〜  作者: ささかま
約2000回のコンティニュー編
4/7

「風の精霊の加護」を受けに行け!だそうです

 2000回のコンティニューを繰り返して、気づいたことがある。


 それは、この能力のルールだ。

その1、コンティニュー地点は固定(スタート地点の、いかにもファンタジーな街中)

その2、コンティニューすると、手に入れた装備などが全てリセットされる

その3、入手した情報などを次のコンティニューに持ち越せるのは、俺とチロルのみ


 そして、大事なことが1つ。

チロルは、ポンコツサポーターだった。


****************************


 ……さて、2001回目。

当初は心が躍ったファンタジーな街並みが、今では見覚えしかない。

冒険開始地点でこんな告白をするのは非常に心苦しいが、

些細なミスの積み重ねで2000回も死んだ身としては

クソゲーを強制プレイさせられているという苦しみしか感じない。


 ……いや、クソゲーならばまだ良い。終わりがあるのだから。

果たして俺は、この世界で何を成し遂げればクリアになるんだろう。


「クソザコノロマのタナカぁ、そろそろ「風の精霊の加護」受けにいこうよぅ〜!」


 可愛らしい声によるキツい煽りが脳内に直接語りかけられる。

……なんだよ「クソザコノロマのタナカ」って。

そしてこいつ、「風の精霊の加護」について全然詳しい説明しねぇ。

どうしてこんなに勧めてくるのかも、全く分からな━━


「━━タナカ!」

「……はぁ、わかってる」


 やや強めの強風を、地面に伏せることで受け流す。

風が吹いただけで地面に伏せ、さながら土下座のような姿勢を取っている俺。

それに対する周囲の奇異の目は痛いが、死ぬのに比べればなんてことない。


 ……ごめんなさい、嘘つきました。

俺の豆腐メンタルに、冷たい目線はガッツリ刺さる。

しかも、終わりのない無限コンティニューに心が憔悴して━━


 ……そういえば、どうしてチロルはこんなに元気そうなんだ?

俺がこの場所に立つのは2001回目だぞ? アイツも特に休んでいる様子はないのに。

俺は「!」をつけられる気力なんて、とっくになくなってるんだが。


「おぅおぅ、ようやく聞いてくれたよぅ!

 ボクがこんなに元気なのは「精霊の加護」があるからなんだ」

「……ごめん、もう1回言って?」

「……クソザコノロマのタナカ?」

「それじゃねぇよ! 直前の「精霊の加護」ってやつだよ!」


****************************


 ……ポンコツサポーターの説明によれば。

「精霊の加護」があれば、様々なサポートが受けられるらしい。

それを言わなかったのは、聞かれなかったからだそうだ。Fuck You!


 というわけで、チロルの指示を積極的に煽るようになった俺。

1番お手軽な「風の精霊の加護」は、すぐ近くの洞窟で受けられるらしいので、そこへ行くことに。


****************************


「……で、どうして最高に貧弱な体の俺にわざわざ戦えと?」


 目の前のスライムの体当たりに怯えながら、チロルに聞いてみる。


「うーん……必要な事だからだよぅ」

「何も伝わってこねぇんだけど!」


 よそ見をしていると、足元に軽い衝撃。

……うん、まぁ言うまでもないけど、目の前が真っ暗になるよね。

 1〜3話の言い回しや改行などの変更を行いました。

変更前より、やや読みやすくなったと(いいなぁって)思います。

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