俺に、専属サポーター(美少女)が付くそうです!
「思ってたより早かったねぇ」
真っ暗だった視界が元に戻ると、目の前には白い部屋と1人の女の子。
語尾を伸ばすような、伸ばさないような微妙な喋り方をしたその子。
ひと言で言い表すなら「美少女」
いかにも異世界転生で仲間になりそうな、典型的ロリ巨乳の美少女。
「えーと、戻ってきたってことは、俺、さっきので死んだって事ですか?」
「そうだよぅ、意外と察しは良いんだねぇ」
あ、それはどうも━━
……じゃなくて!
どうして攻撃された訳でもないのに死んでるんだよ、俺は!
実は『不可視の狼』みたいな存在から攻撃を食らってたとかなのか?
「おぅおぅ! 都合のいい脳ミソだねぇ」
天使のような顔でケラケラと笑いながら、どぎつい煽りが聞こえてくる。
意外と毒舌だぞ、この子。
「じゃ、じゃあどうして死んだんですか!?」
問い詰めながら、俺はとてつもなく嫌な予感がしていた。
……でも、そんなはずはないよな!? 違うって言って━━
「死因は『背伸び』だよぅ。 自爆ってこと! バカだねぇ」
……おめでとうございます、予感的中です。
そうだよなぁ、それ以外にダメージ受ける要素なんてなかったもんなぁ……。
「まぁまぁ、そう落ち込むなよぅ! えっと……」
「……田中です。 田中 太郎━━」
「あははっ! 平凡な生前にふさわしい、平凡な名前だよぅ!
名は体を表すってやつだねぇ! あはははっ!」
……だから、なんでこんなに可愛い顔で、こんな強烈な煽りを決めてくるの……。
「っとと、ごめんだよぅ。 ボクの名前はチロル、田中専属のサポーターだよぅ」
「サポーター?」
「田中が死ぬたびに、同じ轍を踏まないためのサポートをするんだよぅ!
よかったねぇ、これで田中のちっぽけな脳みそでも異世界を旅できるよぅ!」
これまたどぎつい煽りをキメながら、チロルちゃんは満面の笑顔。
……あのー、耳栓とかないですか?
音声さえ聞こえなければ、天国みたいな状況なんですけど。
「そんなモンねぇし、失礼な事考えてんじゃねぇよぅ、田中ぁ!
それより早く作戦会議しようよぅ! チロル、ノロマは大嫌いなんだよぅ」
脳内情報ダダ漏れなんですけど!?
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こうして(顔だけは)可愛いサポーターに煽られながら、作戦会議を終えた俺は……
━━色々あって、なぜかオークの群れと対峙しています。