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あぁ、我が校の守護神様  作者: 成見 礼
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出会いの落雷

20XX年、世界的大発見とも言える身に付けた者に不思議な力を与える鉱石が見つかった。

使う者によって異なった力を発現させるその鉱石は、人類の発展に大きく貢献したことは言うまでも無い。


しかし、大きな力がもたらすのは、いいことばかりでは無い。


鉱石を悪用した犯罪が急激に増え、世界の治安は一気に悪くなった。

ことを重く見た政府は、鉱石に関連した法律などを制定し、犯罪の抑制を図ったが、良い結果を得ることはできなかった。


『これからの時代、最も必要になるものは、"守る力"である。』


どこかの偉い人が言った。この一言がきっかけとなり、守る力を培うために教育委員会は高校のみに新しい制度が施行されることとなる。


守護者制度。高校を国と考え、生徒は校舎という領土を守るために他の高校と戦う。

高校の中で最も優れており、生徒の中で一番強い生徒を守護神と呼んだ。




「はぁ・・・・・・、学校行きたくないな・・・・・・。」


桜の花びらが舞う通学路。そこを通る小柄なメガネを掛けた男子高校生のため息が、空中の花びらをひらりとなびかせた。


せっかく苦労して名門高校に入ったのに、入学初日の自己紹介で緊張して上手く喋れなかったし、それに挙動不審だから怖い不良のクラスメイトに面白がられていじめられるし、このままだと中学の頃と何も変わらないじゃないか・・・・・・。


「ダメだダメだ、もう人の言いなりのまま生きるのは金輪際やめるんだ。」


「なーにをやめるって? めーぎーしくん。」


「あっ、阿久田くん! おっおはよう・・・・・・。き、奇遇だね。」


絵に描いたような素行の悪そうな不良三人組が背後から急に現れ、声がうわずった。


「ところでさぁー、女岸くん。今月金なくてさー、ちょっと貸してくんない?」


でっ、でたー。不良特有の不躾な友達関係を使ったカツアゲ。


「えっと、僕も今お金少ししかもってなくて・・・・・・。」


「あーん? 持ってんならよこせよ、ぐずぐずせずにさぁ。」


制服の襟を掴まれ、片腕で軽々と持ち上げられて、抵抗しようと決心した小さな覚悟が消え失せた。


「ごっごめん、今出すから・・・・・・。」


あぁ、また昔のように意思の弱いままの僕に逆戻り。




ドゴオオオォォォンッ。




弱い自分を嘆きながらポケットに手を入れ、財布に触れた瞬間、昼間なのにありえないくらい大きな音と凄まじい光を放ちながら雷が落ちた。


「なに・・・・・・、これ・・・・・・。」


その雷の中からゆっくりと、重厚な鎧を身に纏った人物が現れた。

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