6 王様とふたりっきり
ゴトボルクの部屋からメイドに連れられて、客室へ通された。
その部屋は、とても豪華で優華には、持て余すほどの広さだった。
驚いたのは、先ほど会ったばかりの王が部屋にいたからだ。
「ゴトボルクの話は終わったのか?」
「え、あ、はい・・・」
どうして王様が・・部屋にいるの??!!
王とふたりきりになった優華は何を話していいやら、分からなかった。
優華にとっては、『美しい』という言葉がしっくりくる男性であった。
蒼い眼に銀色のさらさらストレート、白い服を見にまとい、マントも白、物語にでてくるような王子様そのもので、見つめられるとドギマギしてしまう。
「そなたに、どれほど会いたいと・・・会いたいと焦がれていたことか・・・」
いきなり優華の手をひっぱり、おもいっきり抱き寄せた。
なになにーーなにが起こっているの!
私いま、イケメンの腕の中にいるよね?
これって、夢だよね?
うわー心臓がどくどくして、うるさいよ~~!
「そなたがいなくなってから、王としての仕事に奔走し、忙しくするようにした。それでもそなたの笑顔が我の頭から消えることなどなく、こうして再び会えるとは・・・」
さらに優華の身体をぎゅーと力強く抱きしめた。
「王様、あの・・・苦しいです」
「は、すまぬ・・・」
「まだ記憶が戻っていないそなたに、このようなことをするなど、恥じるべき行為だな。すまなかった」
王は自身の行動が、制御できないでいるようだった。
「すいません、私はこの世界のことが『ゴトボルク』さんのおかげで少し理解できたのですが、まだまだ混乱しているのです。あの・・・ひとつ王様に聞いてもよろしいでしょうか・・・?」
「なんだ?」
「私は、王様とはいったいどうゆう関係だったのですか?」
さっきから疑問であったことをぶつけてみた。だって私を見る眼が、すごい切なそうなんだもん。
王は、蒼い目で少し考え込みながら、ゆっくりと口を開いた。
「姫は、以前この世界にきたとき、この世界を救おうと、必死であった。あまりにも自身を省みず、試練にに立ち向かう姿を見かねた私は、どうして自身のことでもないのにそんなに必死になれるかと尋ねた。
『自分が人のために何かできるなら、しかもそれが自分自身にしかなし得ないならば、私は誰かの役に立てることは幸せなのです』
そのときに、我は姫を愛おしいと思った・・・。そうゆうことだ」
優華の目をじっと見据えて、王は少し微笑みながら答えた。
はっきりとは言葉にださなかったが、以前の私と王は、相思相愛だったのかな。
そして私は、元の世界に戻らなければならなくなり、記憶を失っていたけど、王様は忘れられず、今でも愛している。
なんか小説みたい。だって、もう二度と会えないかもしれない私を待ち焦がれて、ずっと愛しているなんて・・・。
こんなステキな人と恋愛していたなんて、できるならその時の記憶を思い出したいよ。
「別にすぐに思い出さなくてもよい、ゆっくりと思い出せばよい。それに姫の恋がたきは、たくさんいるからな・・・」
ん??なにそれーこんなステキな人がいるというのに、まだ他にも恋敵とかいるの?
思い出せないけど、私ってけっこうモテモテだったのかな。
「肝心な事を伝え忘れるところであった。明日は、精霊王と契約したそれぞれの『守り人』の4人がこの城にやってくる。」
王いわく、
『守り人』というのは、精霊王の「火・水・土・風」と契約した4人のこと。
精霊王と契約したものは、絶大な力を手に入れることになり、それゆえ『使命』が課せられる。
この世界を守るという『使命』である。
その者たちは、世界の「東・西・南・北」の狭間を守っているため『守り人』と名づけられている。
「姫と『守り人』の絆は深い、おそらく姫がこの世界に戻ってきたことを気づいているはずだ。明日の朝には、嫌でも4人と顔を合わせることになろう。」
「姫は、いろいろと今日はありすぎて疲れたであろう。ゆっくり休むとよい」
先ほど優華を抱きしめた情熱的な王はそこにおらず、優華の部屋を後にした。
王が去ったあと、優華は身体の力が抜けて、ベットに身体をうづめた。
あんなイケメンの眼をまじかに見て、落ちない女の子はいないよう。
抱きしめられたとき、心臓が飛び出るとか思った。ふうーとため息をつく。
明日は、4人のえらいさん?が来るみたいだし、なんだかもう私、いっぱい、いっぱいなんですけど・・・。
ひどく疲れていたのか、優華はそのまま眠りについた。