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もう一度異世界へ  作者: 池田 真理奈
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番外編 大人の階段

今回は、いつもと違う甘い、甘い話です。甘いのが苦手な方は閲覧要注意!本編とはあまり関係ないです。

唇と唇が重なっていた。

ベンダーバールの口づけは、今までは額や頬だった。

信じられず、優華は目をぱちくりさせていた。



どうしてこうなったのか・・・。

確か・・・雄也たちが元の世界に戻り、泣きはらして、寝てしまった。

目が覚めたら深夜で、優しく手を握ってくれたベンダーバールが傍らにいた。

泣きはらした赤い目に手をかざして、「癒し」をほどこしてくれた。

お礼を言おうと、身体を起こした時だった。

ベンダーバールに両肩を持たれて、唇に口づけをされたのは・・・。



「姫、こんな時は眼を閉じるものよー」


ベンダーバールは優しく優華の頬をなでて、顎を持ち上げられ、また唇が重なったかと思うと、今度は舌が入れられた。口の中を何度も何度も舐め回され、まるで口内を犯されるように、激しく、激しく何度も繰り返し行われた。


こんな濃厚なキス、彼氏ともしたことがない・・・頭がおかしくなっちゃう。


「ん・・・うっはぁ・・」


優華の口から自分では信じられない艶ぽい声が漏れる。

突然唇が離された。


「だめだ。おさえがきかなくなる。姫をこのままオレのものにしたくなる。」


いつものオネエ言葉ではなく、力強い透き通るような男の声に変わっていた。

「ベンダーバールさん・・・?」


優華は、顔は蒸気し、眼はとろーんとなり、ベンダーバールをゾクリとさせた。


「姫、ベンダーバールさんじゃない、ベンだ。」


また唇を重ねられ、舌をさらに激しく差し入れされ、優華はもう何も考えられなくなっていた。


「はぁ・・・うっん・・・」


優華の唇から甘い言葉が漏れて、さらにベンダーバールを興奮させた。

どれぐらいたっただろうか・・・濃厚な口づけは、しばらく続き、ゆっくと唇は離されて、ベンダーバールはきつく愛おしそうに優華を抱きしめた。


「今は、これで我慢ねーはあ・・・きつい拷問だわー」


深いため息をついて、濃厚な口づけで、ぐったりとした優華を愛おしそうに腕の中に抱きしめて、髪をなでて、額に軽い口づけを落とした。


こんな事は本当はしたくなかったんだけど・・・

『忘却の魔法』をかけ、さらに『眠りの魔法』をかけて、優華は深い眠りについた。


『忘却の魔法』は、高度魔法のひとつで、一部の記憶を忘れさせることができる。優華はおそらく、深夜にあった出来事はすべて忘れている。




こんな事をするはずではなかった。

優華を心配し、様子を見に行ってみた。

手を握って、起きるまで側にいようと思った。

優華の泣きはらした赤い目を見たとき、自身の中の何かが崩れ落ちた。

気づいたら、唇に口づけをし、その後は理性などきかず、本能の赴くまま、濃厚な口づけを続けた。



今まで、ベンダーバールは女性との男女の関係は多々あったが、当たり障りのない関係を続けてきた。

相手が自分に執着すると、離れていき、また次の相手という、気楽な関係を求めていた。

『守り人』という立場を知り、寄ってくる女性に対して、一夜の相手として楽しんだ。


無茶苦茶にしたいと思ったのは、姫が初めてね。


優華と濃厚な口づけのあと、幾人かの女性を抱いたが、満たされることはなかった。

以前であれば、適当に女性を抱いて、欲を満たせていた。


これは思ったより、重症だわ。


そっと、自身の口に手をあてて、あの時の優華との口づけを思い出す。

蒸気した顔、とろんとした眼、愛らしい口から放たれる「ゾクリ」とする甘い喘ぎ声。


今度もし、同じ状況に陥ったら、自身を制御できるか自信がない。

あんなに愛おしいと思った女性は、初めてだ。守ってあげたいそう思う反面、むちゃくちゃに自身のものにしてしまいたいという欲求にかられる。


以前の姫には、そんな感情は沸かなかったのに。

そう心の中でつぶやいて、自身で「忘却の魔法」をかけたはずだったが、優華があの深夜の出来事を忘れていることをさみしく思っていた。


本編より楽しく書かせていただきました。

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