第一章 第7話 転入
【魔獣】
魔法を使う生物の事を指します。
新西暦にいきなり出現し始めました。……旧西暦には一切影も形もなかったそうです。専門家は首を捻っています。どこから湧いた?まるで外来生物じゃないかとか。
姿形は現在の生物と変わらない物から、一目見てわかる物まで様々です。
ランク付けされており、S、A~Eの6段階評価されています。一般的には。Sはヤバイとだけ覚えておいてください。詳しくは後日。……え?どうせ上があるんだろ?ウフフフフフフ。
そして、魔獣と普通の動物との最大の違いはある器官を持つか持たないかです。
ある器官はまた後日。
因みに馬車や牛車、犬ぞりならぬ、魔獣車や魔獣そりはあります。人に懐き、家畜化しているのもいますし。
* * *
「なぜここにいる!?」
「これは異なことを。服装見て察せられるでしょ?ねえ先生?」
「見ないで下さいぃ、ごめんなさいぃ」
「……すいません」
「「「「「「えっ!?ツッコミそれだけ?」」」」」」
「色んな人がいるからね、この世の中。『みんな違ってみんないい』って何処かの詩人も言ってたぜ?」
彼が何か遠い目をしている。きっと色々な人(十中八九変人ばっかり)に会ってきたのだろう。
彼はこの学園の制服を着ている。
それから、導き出される答えは……
「先生が怯えているので……、自分から紹介しますね。皆さんご存知かも知れませんが、1週間前にこの学園に見学に来て、そこに座っているお嬢さんと戦い、この度この学園に入学することになりました、クロト・デジョホンと申します。気軽にクロトとお呼びください。皆さんこれからよろしくお願いします」
クロトが礼儀正しくお辞儀をした。
沈黙。
そして……。
教室が一気に騒がしくなった。
「風女神の恋人よねアレ?」
「おいおい、紐なし逆バンジーになるぞ」
「今週何人が宙を舞ったと思っているんだ」
「……そうね。私も紐なし逆バンジーは嫌だわ」
何か話し合っている。
どうやら動画を削除しないで、空中に舞ったアホがいるらしい。
そのうち、1人の生徒が手を挙げた。
「質問してもいいですか?」
「うーん……答えられるものなら答えるけど」
クロトは少し考えて答えた。
これから付き合う仲間達だ。
別に変な事じゃなければ答えてもいいと思ったからだ。
「風女神との関係は?」
「知り合いだな。兄代わりみたいな事してたんだ」
……どう見てもただの知り合いには見えないんですけど!?
「恋人はいますか?」
「いない」
生徒数人の表情が明るくなった。多分安心したのだろう。2重の意味で
「趣味や特技はありますか?」
「趣味は読書や鍛錬かな?特技はしいて言うなら歌……らしい。自分ではわからないんだけど結構上手って言われる」
もっと上手な奴を知ってはいる。
あまり威張れないので、もう1つの特技は秘めることにする。。
「私達と同じ年なんですか?てっきり先輩かと思ってたんですけど」
「ああ、いつの間にかアイツが年上になってた。昔はちんちくりんだったんだぜ?信じられるか?」
年を知らなかったのか。なら納得できる。
「魔法使いとしての階梯はどれくらいですか?」
「ジョーカーは出せる。これ以上は答えられない」
曖昧な答えである。……まあしょうがない。隠しておきたい情報だ。
質問コーナーも終わりに差し掛かった頃、1人の少女が挙手をした。
ルーナリアである。
「1つ聞きたい。不審者兼侵入者」
「だから、違うってお嬢さん」
「お嬢さんはやめろと前に言ったぞ?」
「じゃあ、ヴァンさん?」
それでは完全に別の人だ。
「……ルーナリアでいい。敬称はいらん。デジョホン」
「それならこちらもクロトと呼んでくれ。呼び捨てでいい」
「じゃあ、クロト」
「何だルーナリア」
ルーナリアが自分の質問をぶつける。
「あの戦い、手加減したな?」
「……手加減をした覚えはない。あの時は弱ってたし、それに……」
「それに?」
「あなたは俺の敵じゃない。だからあの時はディーの妨害が無くて、戦闘が続いていたとしても、話ができるように落ち着いてもらうつもりだった。……まあ少し熱くなっちゃったけど。俺の悪い癖(笑)」
……意外とまともな答えが返ってきた。だが、悪い癖で手足を捥がれたら、たまったもんじゃない。
「もう1ついいか?」
「答えられることなら」
「私がお前の敵だったら、どうしていた?」
答えは返ってこなかった。
ただ、穏やかな微笑みを浮かべただけだった。
その時……
「あのぉ、ホームルーム時間オーバーしてますぅ。ごめんなさいぃ」
「「「「「「あっ!?」」」」」」
そんな感じでホームルームは終わった。
因みに1限目の授業担当の先生はいつも通りの遅刻だったため、支障はなかった。
【魔物】
魔獣とは違い、魔力で生まれる生物です。オンリーワンが多いです。
死ぬと消滅するか、色々な魔具を残す場合があります。ゲームみたいですね。
たまにヤバイのが出現して討伐依頼がギルドに出されます。
人工的に作れないかという実験もあったらしいですが、上手くいかなかったようです。
普通の動物や魔獣が魔物になる場合もあるそうです。
え?人間はなるのか?それは内緒です。第二章でわかります。
因みにクロトと愉快な仲間達は結構エンカウントしています。呪われているんですかね?