第一章 第6話 思考
【魔具】
魔道具やマジックアイテムですね。
魔法的な道具を指します。武器や道具です。
アイテムボックスや転移門などなど。
作り方は腕のいい職人が作るパターンと自然にできる(?)パターンがあります。
後者についてはまた次の機会に詳しく説明します。
* * *
ゴタゴタから1週間後。学校は通常通りだった。
時間は朝のホームルーム前。
1-Aの教室の後ろの席で、ルーナリアは本を読んでいた。
だがどうにも集中できない。
理由は簡単。考え事をしていたからだ。
あの不審者にして、侵入者。クロトと名乗ったあの少年の事だった。
あの戦いで自分は本気だった。
無論殺さないように、殺傷力の高い物は使わなかったが、それでも本気だった。
だが、あの男は……。
———全部防がれた。あのまま続けていたら自分は……
クロトは前半はやる気がなかったうえに、大怪我を負っていた。
その状態で自分の攻撃を全て避け、斬り捨てたのだ。
あの男が万全だったら?あの男が私を殺す気だったら?
因みにあの後、傷の治った少年は先輩がどこかに連れて行った。
曰く学園長に紹介するらしい。
———まあいい。もう会うことはないだろう。
頭に浮かぶ考えを振り払った。
……ルーナリアは知らない。これがフラグだということを。
ガラガラッ
ドアの開く音が響いた。
どうやら先生が入ってきたらしい。
ドアの方にルーナリアが目を向けると、そこに女性が入って生きた。なぜかオドオドしており、濃い緑色の髪をボブカットにしている。服装は教師が着るようなスーツを着ていた。
1-Aの担任である、セレン・ウォーカー。因みに極度の人見知りであり、人と目を合わして話せない。因みに口癖は「ごめんなさいぃ」。
何で教師やってるの?よく採用されたね?とかなり気になる所である。この学園七不思議の1つである。一応聞いてみた人もいるのだが、人と話すのすら苦手な人なので、結局聞けずじまいで、逃げられたそうだ。
教卓に立つと、出席簿で顔を隠しながら、連絡事項を読み上げていく
……もう慣れてしまった為、誰もツッコミをいれない。
「……えっと、皆さん今日は報告がありますぅ。ごめんなさいぃ」
「「「「「「「報告?」」」」」」
「目、目を合わせないでくださいぃ、ごめんなさいぃ」
―――この担任本当に面倒臭い!
クラス内の心が一つになった。
「えっとぉ……そのぉ……、入ってきてくださいぃ、ごめんなさいぃ」
その声と同時に誰かがこの教室に入室した。
学園の制服を着ている、黒髪白メッシュ黒目の少年だった。
ただ、制服の右腕には緑の紐が巻き付けられていた。
その顔を見た途端、ルーナリアが声を上げた。
「お、……おまえは!?」
「や、久しぶり」
1週間前にルーナリアと戦った不審者兼侵入者———確かクロトと名乗っていた———だった。
【アイテムボックス】
ゲームで御馴染みの容量無視の魔法の袋です。
今の技術で実現はしたのですけど……、流石に完全再現は無理でした。
今の所、最高の物で小さなトランク1つ分の大きさで、十数トンの物が入るのがあります。
ただし、それは凄まじく高価です。豪邸1件買えます。
一般普及している安い物は小さな倉庫1つ分の容量で、サラリーマンの月給位はします。
それと時間停止している物としていない物に分かれます。前者は滅茶苦茶高価です。
形状は様々です。
袋型、鞄型、ポーチ型、アクセサリ型、服一体型などなど。
因みに主人公は指輪型のを愛用しています。
ある人の贈り物だそうです。容量も凄まじいです。