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Dive To Deep  作者: 亜亜亜 無常也
第一章 帰還
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第一章 第4話 再会

【魔力】

魔法使いなら皆持っています。ゲームで例えるのならMPですね。

これを使って、魔法を使います。車で例えるのなら燃料ですね。


細かく分けると、貯蔵量、回復速度、放出量に分けられます。

貯蔵量はどれだけ貯められるか、回復速度はどの位のスピードで回復するか、放出量はどれだけ出せるかです。


これらは鍛錬で伸ばせます。ただし、ステージにより上限があります。ステージⅣまで上がり、ある程度伸びると成長はストップしてしまいます。ゲームで言うのなら、レベルMaxになるような物です。ただし……、伸ばし続ける方法はあるにはあります。大変ですけどね。


 その暴風はルーナリアが展開していた魔法を根こそぎ吹き飛ばす。

 相性的には有利な火すら消し飛ばし、氷を砕き、風を同化させた。

 ……ついでに近くの野次馬が吹き飛んだ。

 

 風が徐々に収まる。

 そこには一人の少女が立っていた。

 

 ウェーブがかかり、フワフワした、白く長い髪の毛。

 白い髪とは対照的な褐色の肌。

 服装はこの学園の制服を着ている。

 

 美人とも、可愛いとも言える顔は引き締まっていた。

 ルーナリアは彼女を知っている。


「何のつもりですか!?先輩!?」


 風女神 (アイオロス)。ディーネ・ウインドウズ。1つ上の先輩。偶に挨拶をする仲である。

 この学園に2人しかいないステージⅣの1人。

 十傑が1人にして、序列第2位。

 第2位でありながらも、学園最強の序列1位と戦い、決着が付かなかったほどの実力の持ち主である。

 ルーナリアも軽く手合わせしてもらったことがあるが、底が見えなかった。

 相手が風使いだというので、火の魔法中心の構成で戦ったのだが、終始押されっぱなしだった。

 

 性格は気さくで先輩後輩からも慕われている。

 いつも穏やかな表情をしていた人なのだが、様子がおかしかった。

 そもそもこんな真似をする人ではない。

 だからこそ尋ねたのだ。なぜこんな真似をしたのかと。


 ところが、ディーネはそれに答えない上に、ルーナリアには見向きもしないで、侵入者の方を向いていた。

 表情はルーナリアの方からは伺えなかったが、心なしか震えている様に見えた。

 ゆっくりと侵入者の少年の方に近づいていく。


「うわ、風女神」

「サイン貰おうかな?」

「いや、この状況で無理だろ。しかも何か様子変だぞ」

「いつも笑ってるのに……」


 野次馬の声が聞こえる。

 その声に気も止めず、ディーネは侵入者に手を伸ばせば届く範囲まで近づいた。

 少年は先程の雰囲気が雲散霧消しており、鋭い表情ではなくなっていた。

 困ったような笑みを浮かべていた。

 そして、


「ただいま、兄弟 (きょうだい)」


 侵入者がディーネに話しかけた。

 その瞬間……、


 パアン!


 乾いた音が響いた。

 少女が少年にビンタをした。

 少女の顔は泣きそうに歪んでいた。


「何で避けなかったの?避けれたでしょ今の」

「ビンタくらいは覚悟していた。殴られるかとも思ったけど」


 少女の問いに、少年は答える。


()()がどれだけ心配したと思っているの?」

「ごめん……、ディー」

「馬鹿クロ……」


 彼と一部の人しか許していない愛称を呼ばれた瞬間、今まで堪えていた悲しみが……3年間堪えていた悲しみが遂に決壊した。

 

 そのままディーネが侵入者の少年に抱きついた。

 抱きついたというよりは、タックルを仕掛けたという感じでもある。……風の加速が付いたタックルだった。その衝撃で侵入者は後ろに倒れてしまった。

 倒れた衝撃にも気を止めず少女は少年を、もう離さないとばかりに固く固く抱きしめた。そして、その少年の胸に顔をうずめると静かに泣きじゃくり始めた。

 少年は困ったような表情から、優しげな顔になった。あまり動かない右手を背中に回し、左手は彼女の髪の毛に持っていき、そのまま優しく撫で始めた。


「心配したんだよ?」

「ごめん」

「寂しかったんだよ?」

「ごめん。……何かとても綺麗になったな。本当に見違えた」


 泣き止ませようとする少年。だが少女は泣き止まない。


「……うるさい、誉めても何も出ないよ。馬鹿、アホ、女誑し、種馬」

「後半は明確に否定する」

「知り合い女の子ばっかりでしょ?」

「男だっている!」

「男友達いる?」

「いる」

「何人?」

「……数え切れないほど」

「数える気がないの間違いでしょ?」

「……はいそうです。それにしても相変わらず泣き虫だな。ディー」

「……うるさい、馬鹿」


 完全に死んだと思っていた恋人達の再会シーンだった。

 ルーナリアは移り変わる状況に呆然としていた。

 野次馬も似たような感じだったのだが……、


「なあ、アレってもしかして……」

「風女神の恋人?」

「あんな熱い抱擁してるんだぞ?恋人以外ありえないだろう」

「確かに」


 ……野次馬達は逞しかった。しかも吹っ飛んだ人まで復活している。

 どうにかルーナリアも再起動を果たした。


「おい、何をしているんですか先輩!そして侵入者!」

「「今いいところだから邪魔しないで」」

「ハモるなバカップル!」


 ルーナリアの叫びが響いた。

【ルーナリア・ヴァンホーエン】

この物語のヒロインの1人です。え、ヒロイン何人いるか?知りません。作者も私も知りません。

話がそれましたね。

1学年のAクラスです。成績は優秀です。ただし、魔法使いとしてはまだまだでステージⅠです。まだ自分の●●●●を出せません。本人もかなり気にしています。

十傑第9位で、自然属性の魔法なら基本は全て使いこなす為、『元素使い (エレメンタルマスター)』と呼ばれています。火水風土雷氷木金光闇の全てを実用レベルで使いこなします。

魔力が量や回復、放出も高く、様々な魔法をポンポン撃ってくるので、『移動砲台』とも呼ばれています。

性格はキツいように思われがちですが、意外に世話焼きで、優しい性格です。そして、ツッコミ気質です。愛称は「ルナ」です。

とある目的の為に強くなろうとしています。目的については今は言いません

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