第二章 第玖話 緊急事態
【魔物発生】
魔物がなぜ現れるかはまだはっきりわかっていません。ただ幾つかの要因があります。
1つめが魔力の濃度。空気中にも魔力は漂っているのですが、その濃度が異常に多い所であるそうです。
2つめが人気のなさ。人のいない場所での例が多いです。
こんな感じですかね。
* * *
「おいおい、何だこりゃ」
朝。
相変わらず遅れて学校に来たグレス。
心なしか騒がしいので、そこに行って見る。
するとそこには。
菱型に切り抜かれたドアの倉庫があった。
昨日まで異常はなかったはずである。
グレスが人を掻き分け、倉庫のドアに近づく。
そして、断面を見た。
綺麗すぎる断面を見た。
「……」
無言になる。
そして、端末を出し、自分の元部下にメールを送った。
「面倒な事になるかもな」
グレスの呟きが喧騒に溶けて消えた。
* * *
「なあ聞いたか?倉庫の異変」
「切り裂かれていたんでしょ。怖いわね」
「侵入者かな?」
「何でも侵入した形跡はないんですって。出た形跡しかないとか」
話に花を咲かせるクラスメイト。
ルーナリアは興味なしとばかりに本を読んでいた。
「おはよ。ルナ」
朝の挨拶が聞こえる。
自分の親友の声だった。
なので、視線を移し。
「おはよう」
それだけ言って読書に戻る。
クロトはそれに苦笑することもなく、慣れているように隣の席に座り、机に伏せて目を閉じた。
どうやら眠るらしい。
するとそこへ
ピンポーンパンポーン!
学園の放送が入った。
『緊急連絡です。今日の授業はなしになります。皆さん速やかに下校してください。次の登校日は追って連絡します』
……急な連絡だった。
起き上がり、隣のルーナリアに視線を移した。
「……どうする?」
「帰るしかないんじゃないか?」
「それもそうか……」
クロトは端末を出し、操作した。
誰かにメールをしたらしい。
「じゃあ、ディーと合流して帰ろう」
「……ああ」
ルーナリアが頷く。
立ち上がったクロトにルーナリアが続いた。
そのまま教室から出た。
途中ついてきたリンネを連れ、集合の場所に行く。
ところが現れなかったので、教室に行き、ぐっすり眠っていたディーネを起こし学園から出た。
相変わらずである。
【スキル】
魔法使いが使う特殊技能の総称ですね。
ジョーカーにも幾つかありますし、ジョーカーが無くても持っている人もめれにいます。
常時発動型と限定発動があります。
ディーネさんの風を自在に操る『アネモイ・ウェンティ』などですね。因みに必殺技も一応スキルの1つになります。




