第二章 第漆話 女誑種馬
【クロトの過去】
この物語の主人公、クロトは結構波乱万丈な人生を送っています。
大雑把に説明しますと……。
色々あって先生に拾われ、様々な事を学び、旅の道中仲間と出会い、冒険を繰り広げ、ラスボスと戦い行方不明に。こんな感じですかね。
ネタバレしますと、どうにか帰って来たのが一章1話です。
詳しくは回想編をお楽しみに。
* * *
「あーもう、この空気嫌」
口火を切ったのはディーネだった。
彼女は長い付き合いの為クロトの性質をわかっている。
妙な人にばっかり好かれるということを。
……因みに自分がその中に入っていることもちゃんと自覚している。
「この女誑しの種馬に何言っても無駄だし」
「誰が」
クロトは明確に否定する。
女たらしではない。……心なしか性別女の知り合いが、男の割合と比べて多いだけだ。
種馬でもない。まだ子供もいないし、……アレはしょうがないことだとディーネは勿論皆わかっているはずだ。
「そんなに凄いんですか?」
ルーナリアが聞いた。
クロトとの付き合いはまだ1ヵ月位だが、わかることがある。
確かに少し変わっているが、そこまで嫌われることはないと思うのだが。
「前に言ったでしょ?好かれる人には好かれるけど、嫌われる人には嫌われるって。好かれるのは大抵女の人ばっかり」
ディーネが呆れながら言う。
「ルーナリアさんはクロの「友」についてどれだけ知っている?」
「え?」
振られたルーナリア。
そういえば、クロトは色々な「友」という表現を使っている。
確か……。
「心友、悪友、後確か、戦友のサイラスさん」
この間の鎧の巨人を思い出す。
「それにね、朋友、友達、盟友が続いて、相棒と先生とかがいるんだけど女の人ばーっかり」
ルーナリアはクロトを見る。
———女誑しって言われてもしょうがない気がする。ていうかこの間聞いた心友と先生って女だったんだ。
「何か蔑まれている気がする」
「「気のせいでしょ」」
「ハモるな!」
いつの間にそこまで仲良くなったんだ?
それにだいたい俺に言われても困る。
「少しよろしいでしょうか?」
口を挟まず話を聞いていたリンネが口を開いた。
ディーネを見る。
「ソンナ女誑しとわかってイルのに、一緒にいるノハなぜですか?」
「……長い付き合いでこういう性分なのは知っているし、これでも家族だし」
「ソウですか……」
カヤはそれを聞くと、クロトのことを見る。
「クロト様に恋人はいますか?」
「いない」
「作る気は?」
カヤの疑問にクロトは。
「……わからない」
首を捻った。
この2度目の人生、約16年間生きてきて、恋が未だわからない。
……1度目の人生でわからなかったものが、わかるはずもないかもしれないが。
likeなら分かるが、loveが分からない。
仲間達やルーナリア、先生の事は好きか嫌いかで言えば好きだ。大好きだ。
だが、愛しているかと聞かれると困る。
仲間達とは手を繋いだり、抱擁したりした。……一部の仲間とはそれ以上の事もしたことはある。……いたしてしまった仲間にはちゃんと責任を取ると公言した。
なので。
「そういうのはわからない」
とだけ言った。
わからないを2度使った。
それに対して、リンネは薄く微笑む。
「ナルホド。ならチャンスはあると言う事ですね」
「?」
最後の方は小声で言ったリンネ。
そして。
「これから宜しくお願いしますね」
リンネがお辞儀をした。
【クロトの交友関係】
クロトは好かれる人には好かれますが、嫌われる人には殺されそうになるほど嫌われます。
それと男の知り合いが少ないです。女の知り合いの方が多いです。なので女誑しと呼ばれますね。
……何でこんなになっちゃんたんだか。あ、私のせいか♪だが謝らない!




