第一章 第39話 氷炎
【幻想召喚】
前回紹介した召喚魔法の究極魔法です。
その正体は、神話や物語、伝説の神や悪魔、天使、英雄、幻獣、武器(神器って言った方がいいかもしれません)を呼び出す魔法です。
強力ですが……、勿論そんな高位な物が簡単に来るはずありません。
犠牲……生贄が必要です。主神クラスは呼ぶのに、小さな国1つ潰したそうです。恐ろしいですね。
なので禁忌指定です。当たり前だのクラッカーです。え?古い?
なのですが、抜け道があるっちゃあります。
1つめが相性召喚。
自分の呼び声に答えてくれる相性の良い幻想を呼び出すパターンです。
生贄もいりませんが、何が来るかは運しだいです。
運が良ければ大天使とか気に良い幻想が来ますが、最悪、嘘つき悪魔降臨です。
2つめが使い魔召喚。
幻想召喚で犠牲抜きに幻想が来るようにします。それを屈服させるか、試練を乗り越えて、幻想を使い魔にします。これなら次回以降は使い魔として呼べます。
ただし、コレ危険とか言うレベルではないですね。下手しなくても死にます。
なのでほぼ知られていない方法です。
……まあ、やる人がいるっちゃいますけどね。
クロトとか……。
* * *
一方、人vs悪魔は白熱していた。
お互い互角の攻防……に見えるが……。
———ふむ、このままでは負けるな
過去と未来が見えるアモンにはわかっていた。
自分ではこの男には勝てないと。
彼の最大の弱点をついているため互角な状況だが、本気を出されたら自分は終わる。
負けても死にはしないが、やはり悔しい。
……ならば。
「賭けに出るとしよう」
そう言ったアモンが口を開け、炎のチャージする。
自身が使える最大の熱線を放つ。
「いいねえ、そういうの。大好きだ」
ニヤリと笑ったクロト。
戦闘狂というわけではないが、やはり正々堂々としている敵や仲間との戦いは楽しい。
八相の構えを取る。
刀身に闇が渦巻く。
いつもの防御主体の闇ではない。必殺技や奥の手とも言える一撃を放つ。
「これで最後だ」
「ああ」
その言葉と同時にお互い最大の一撃が放たれる。
最大の威力の熱線が放たれる
———大熱線
全てを滅ぼす闇が放たれる。
———ダーク・ネビュラス
炎と闇がぶつかり合う。
爆発。
その途端、クロトとアモンはほぼ同時に走り出していた。
これで終わるとはお互い欠片も思っていない。
本命はあくまで近接での一撃!
マモンは自身の右前足を赤熱化させる。
クロトは左手に極低温の冷気を集める。
「オオオオオオオ!!!」
「アアアアアアア!!!」
火と氷がぶつかった。
轟!!!
大爆発が起こった。
そして、そこにはクロトとアモンがいた。
振り下ろした前足を拳で受け止めているように見える。
決着は……。
「俺の負けか」
アモンが言った。
前足は完全に氷漬けだった。
しかも氷はドンドン浸食している。
「まさか氷を操るだけではないとは……」
「まあね。俺の力ではないけど」
クロトが少し恥ずかしそうにいった。
「いや、それは貴様の力だよ。お前が手に入れた力だ。胸を張って使え。使ってやった方がお前の友は喜ぶと思うぞ」
「……ありがとう。誇り高き炎の侯爵」
アモンの助言に、感謝するクロト。
「こちらこそ礼を言う。久々の楽しい闘争……だっ……た。また……機会……が…あった…ら、…戦い……たい……物……だ」
その言葉を最後に完全に氷漬けになるアモン。
そして、砕け散る。
死んだわけではない。ただ、この世界で活動する身体を失くしただけだ
「これで一件落着か?」
クロトが首を捻った。
【犠牲魔法】
何かを犠牲にすることで、魔法の精度や威力を上げたり、発動させたりします。
命が必要な物は問答無用で禁忌指定です。
幻想召喚や火の魔法、蘇生や転生魔法などなどですね。
犠牲にするのは、身体の一部だったり、動植物の命、人命ですね。




