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Dive To Deep  作者: 亜亜亜 無常也
第一章 帰還

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第一章 第22話 教師

【看板のない店】

クロトとディーネ行きつけの店です。

美味しい食事が手頃な値段で楽しめます。

珈琲やお酒も美味しいです。

ただ、店主が強面且つ無愛想という欠点があり、客があまり来ません。まあ暮らしていけるだけは来店するそうです。

因みにこの店が入っている建物は4階立てで、1階2階が店、3階が店主の居住スペース、4階がクロトとディーネの居住スペースです。え、同棲しているのかですか?いえいえ、一応半分に分けてます。プライベートがありますからね。

それとこの建物ですが、所有者は一応クロト名義です。


 * * *


「あん?ヴァンホーエンの様子がおかしい?」

「はい」

「やっぱりな。はあ」


 次の日早速相談に行ったクロト。

 職員室にいなかった。なので他の先生から居場所を聞いて、喫煙室にいるグレスを見つけて、声を掛けたのである。

 どうやら先生も気づいていたらしい。


「ずっと、焦っていたのが、この間の決闘で更になあ」

「どうすりゃいいですかね?」

「アイツがジョーカー手に入れれば解決だな」


 当たり前の答えが返ってきた。


「そう簡単に行きませんよ?」

「分かってる。……オレはすんなり行ったけどな」

「……先生もディーと同じ口ですか」


 やっぱりこの教師只者ではないらしい。

 何で教師になったんだか……。


「へえ、アイツもか。お前は?」

「俺は苦労しましたよ。俺の知り合いも苦労してましたし」


 そういえば、先生は苦労したって言っていた。

 心友も苦労した……というより苦労していたのを目の前で見ていた。


「苦労したんなら、その体験を教えてやりゃいいんじゃねーの?」

「そうか!その手があったか」


 思い至る。

 確かに自分以外にも苦労した人の例を知っている。

 彼らがⅡへ至った経緯をふまえれば……。


「先生!」

「ん?何だ?」

「あの闘技場以外に、実践に近い決闘できる場所ありませんか?できるならあまり見られない場所がいいんですけど」

「あるぜ。うってつけの場所がな」

「本当ですか?」

「ああ」


 その施設の説明を受けた。

 確かにソレなら行ける。

 良かった。()()()の出費を覚悟していた。

 出費が0で済みそうだ。


「まあその場所簡単には取れないんだがな」

「ダメじゃないですか……」

「まあ、安心しろ。取って置いてやる。取れたら連絡する」

「ありがとうございます」


 ペコリと礼をして、喫煙室から出ていこうとする。

 と、その時グレスが声を掛けた。


「デジョホン」

「はい?」

「アイツ頼むわ。結構心配だからな」

「はい!!!」


 返事をして、喫煙室から出る。

 さあ、準備と行こう。


 * * *


 数日後、グレスから連絡を受ける。

 どうやら施設の予約が取れたらしい。……まあ時間が少し遅いが。

 後は、ルーナリアを呼ぶだけだ。

 だが……


「待て!」

「……」


 ルーナリアはクロトから逃げ回っていた。

 避けられていたのは知っていたが、放課後に話しかけようとした途端逃げるとは。

 だが、今日は逃がさん。


「御用だ!御用だ!」

「……いつの時代だ!」

「隙あり」

「な、しまった!」


 ツッコミ体質の彼女の習性を利用する。

 クロトがどこからともなく糸を出して、ルーナリアを絡めとった。

 雁字搦めに縛られ、地面に倒れるルーナリア。


「逃げんなよ」

「……」

「だんまりか?」

「お前に何がわかる!!!」


 悲しみの叫びだった。

 魂の叫びだった。

 悲しみが決壊した。


「Ⅳに至っているお前にはわかるまい。Ⅰで止まっている私の気持ちなど!」

「わかるさ」

「!?」


 クロトの顔を見る。

 過去を思い出している顔だった。


「俺も心友も先生そうだったからな」

「……心友?」

「俺の心の友だ。そいつはⅠで止まっていた。しかも複雑な魔法を色々使えるお前と違って、アイツは基本の魔法にも適性なかったんだ。白魔法しか使えなかった。苦しんでたのを知っている」


 自分を信じて必死に努力していたのを知っている。


「俺だって苦労したぜ?Ⅱはな。ヤバかったな」

「……ディーネ先輩は?」

「アレは天才だし」

「だが、私は……」


 言葉にはならなかった。

 自分は努力している。

 訓練を欠かしたことはない。

 本来2、3種類しか習得できない属性魔法を基本は全部実戦レベルで使えるようにした。

 だが、どうしてもジョーカーが目覚めない。


「ならさ、覚悟はあるか?」

「覚悟?」

「ああ。それ相応の覚悟があるなら、ジョーカー出せるようにしてやる」

「そんな事できるはずが……」

「できる」


 そう思うのも無理はない。

 ずっと苦しんできたのだろう。


「どうする?」

「……それは……」

「今すぐ決めろ」


 クロトが手を差し出した。


「もしⅡに至りたいなら、俺の手を取れ。俺が信じられないのなら、今すぐこの場から去れ」

「……縛られているから動けないんだが!?」

「おっと、すまない」


 ……一瞬で消えたシリアス。

 指を動かすと、糸は彼の腕に格納される。

 どうにか自由になったので、起き上がるルーナリア。

 そして、彼の手を取った。


「いいのか?」

「ああ!なんだってやってやる!」


 ルーナリアの宣言にクロトがニヤリと笑う。


「わかった。確実にジョーカーを手に入れさせてやる」


 クロトが宣言した。

【店主】

看板のない店の店主です。

本名は……まだ考えていないらしいです。

おやっさんやマスターと呼ばれています。

顔がヤクザすら裸足で逃げ出し、泣く子が大泣きするほどです。

更に、無愛想、無口なので拍車をかけています。

クロトとディーネとの関係は知り合いの知り合いです。

一応会話で登場したクロトの愉快な仲間……朋友さんの知り合いです。


料理の腕は凄まじく、その道では神様扱いされています。

昔はかなり有名な店で働いていたのですが、色々あって今の状態なのです。

過去については機会があったら描写するそうです。

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