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Dive To Deep  作者: 亜亜亜 無常也
第一章 帰還
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序章(プロローグ)β

【新西暦の文明状況】

この物語の舞台である『世界』の文明状況は……読者の方々が暮らしている世界よりは進んでいます。まあ場所にもよりますが……。それは今と同じですね。

状況は簡単に言うなら、「機械文明と魔法の融合」や「現代世界とファンタジー世界の融合」とでも言った状況でしょうか?

もちろん電気は通ってますよ。発電方法は自然エネルギーと『ある物』が中心ですね。

飛行機も飛んでますし、パソコンもあります。よかったですねー。

さらに……おっとこれ以上は今はやめておきましょう。次の機会にしましょう。

そして、魔法のおかげで、ゲームでよくあるアイテムボックスや長距離を一瞬で移動できる装置なども開発されました。

え、魔法を使った道具の素材?『ある物』の説明?それはまた次の機会に。


 * * *


 ここはとある学園。時刻は夕方。いわゆる放課後。

 本来なら、授業の終わった生徒達が部活動に勤しんだり、友達同士で話をしたりする。……まあ、習い事や用事、アルバイトなどがあったりして、すぐ帰る者もいるにはいるが。

 この学園ではそれに加え、実習室を借り魔法の修練をする者もいる。

 しかし、今日の学園はいつもと様子が違い、何か騒がしかった。

 寝ていた一人の学生が起きるほどには。

 

 2-Aの教室。放課後なので誰もいない教室。その後ろの方の席に白い塊があった。

 塊というか、人の髪の毛だ。

 軽いウェーブのかかったフワフワしている長い白髪の少女が、机に突っ伏して眠っている。

 しばらくすると、ゆっくりと身じろぎして起き上がった。

 整った顔立ちの褐色肌の少女だった。

 この少女、名前はディーネ・ウインドウズ。


「ふわあ~。騒がしいな~」


 欠伸を噛み殺しながら起きて、自分のいるクラス内を見渡すが、誰もいない。

 寝過ごしたかと、携帯端末で時間を見たが、時間的にはまだ授業が終わってまだ30分も経っていない。


 ———何があったのだろう?

 いつもの喧騒位なら寝てられる。

 侵入者か?と思ったが、その可能性はすぐ頭の中で打ち消した。

 この学園の戦闘ランキング上位なら、普通の一個中隊が戦車などの装備持って攻めてきても殲滅できる。それにこの学園は結界も貼られており、そう簡単に侵入できない。

 ならば、喧嘩か決闘か。

 いつもだったら無視をして、そのまま昼寝(午睡?)を続ける。

 だが、彼女の中の何かがそこへ行けと言っていた。

 ———まあ、行ってみようかな?ヒマだしね。

 立ち上がり伸びをして、身体をほぐす。

 そして窓に近づき、窓を開け放つ。

 そのまま窓から飛び出した。その方が早いからだ。

 そのまま落ちるかと思われたが……落ちなかった。

 風が渦巻き、着地の衝撃を和らげる。下着が見られないようにスパッツを着用済みだ。

 地面に着地すると、辺りを見渡す。

 中庭で何か起こっているらしく、人だかりがある。かなり盛り上がっている。見物人もかなりいる。

 取り敢えず一番近くにいた女生徒に声を掛けた。


「ねえ、何かあったの?」

「はい?……わっ、『風女神アイオロス』!」

「堅苦しいな。別にディーネでもウインドウズでもいいけど」


 風女神。自分の二つ名。こっちで呼ぶ人が多いのだが別に名前でも構わない。……愛称である「ディー」は一部除いて絶対に許さないが。


 因みに彼女は気づいていない。

 学園の生徒の最強の10人である十傑の第2位であり、その美貌と誰にでも気さくな性格なので、かなりの数の先輩後輩から慕われており、告白し玉砕した男子(一部女子)も数知れず。非公式のファンクラブまで存在する。

 話かけられた女生徒はアイドルに話かけられたように緊張していたが、その女生徒から聞くところによると……。


「侵入者?」

「はい、何でも、空間を飛び越えてやってきたらしくて、今『元素使い(エレメンタルマスター)』と戦っています」

「それで、他の面々は野次馬根性丸出しというわけ」

「はい」

「やれやれ、相変わらずだね」


 元素使い。ルーナリア・ヴァンホーエン。最近十傑入りした新入生。自分の一つ下の後輩にあたる。何度か話をしたことがある。

 ルーナリアは()()にはⅠ~Ⅳまでステージがある魔法使いの中でステージⅠだ。ステージⅡが学園の中にも100人弱はいる中で十傑———全員がステージⅡ以上———の序列第9位を倒し、十傑入りしたのだ。

 しかも本来2、3系統、多くても5系統位しか習得できない、自然属性の基本魔法———火水氷風土雷金木光闇の合計10個———全てを実戦レベルで使いこなすことができるので、元素使いと呼ばれている。

……高火力の魔法をぶっ放しまくるので、『移動砲台』とも呼ばれている。

 

 ———風関連しか使えない私にとっては羨ましい限りだけど。

 自分とも軽く手合わせしたことがあるが、中々強かった。

 技一つ一つに努力した後が伺えた。

 それにしても、この学園に侵入者?

 馬鹿なのか?腕に自信ありなのか?


「どんな侵入者なの?」

「黒ずくめにフードを被っていて、右腕に怪我を負っています。押されてますが、元素使い相手にまだ一撃も貰ってません」

「黒ずくめにフード……」

「今回っている映像があります。ほら」


 リアルタイムの映像を端末で見せてもらう。

 そこには二人の人間が映っていた。

 

 1人はこの学園の女子の制服を着た、薄い桃色の髪の毛を1つにまとめた少女。地面からまったく動かず、様々な自然属性の魔法を乱れ撃ちにしている。彼女が元素使い、ルーナリア・ヴァンホーエン。十傑序列第9位。

 もう1人は黒ずくめにフードを被っている。顔が見えず男か女かもわからない。なぜか右腕がズタボロで、左腕には氷を固めて作った剣を持っていた。地面を飛び跳ね、襲ってくる火球や氷柱、風の刃といった攻撃と地面から捕縛しようと出てくる木の蔦や鉄のチェーンを避け、避けれない物は氷の剣で斬り払っていた。

 戦っているというよりは、黒ずくめが戦いを避けて逃げ回っている感じだ。

 

 元素使いが地面から岩の棘を放つ。棘が大量に迫る中、黒ずくめが居合抜きの構えを取り、棘を両断した。

その際にフードが取れた。そこから、金色のメッシュの入った少し長めの黒髪をしている、中性的な顔が現れた。制服を着せたら、普通に生徒として在籍していそうである。おそらく男だろう。


「意外に若い侵入者ですね、先ぱ!?」


 最後まで言えなかった。

 なぜなら、ディーネがいきなり風を纏って飛び上がった。

 飛ばされそうになるが、何とか踏みとどまる。

 しばし呆然としたが、しょうがないので、映像に目を戻す。すると変化があった。

 さっきまで話をしていた、ディーネが暴風を纏いながら、戦っている二人の中央に降り立った。

 着地と同時に巻き起こした凄まじい暴風で、辺り一面を吹き飛ばしながら割り込んだ。

 暴風で二人の戦いが中断した。


「先輩!?」


 そして、唖然としながらも何か叫んでいるルーナリアには目もくれず、ディーネは黒髪の少年に近づいて行った。

 その少年は逃げなかった。映像が悪いので表情はよくわからなかった。

 手を伸ばせば届く距離にディーネが歩み寄ると、その少年が何かを言った。

 その途端、ディーネが少年の左頬にビンタをしたのである。

 音声が聞こえるなら、きっと綺麗な音がしたであろうビンタだった。

 そして……


「えっ!?」


 何とその少年にタックルするように抱きついた。

 その衝撃で少年は後ろに倒れる。

 そして、少年の胸に顔をうずめて動かなくなった。どうやら泣いているらしい。

 少年は困った表情から優しい表情になると、まだ自由に動かないであろう右手をぎこちなく背中に回し、左手で———タックルされても手放さなかった氷の剣を手から離し———フワフワした長い白髪を撫ではじめた。

 完全に死んだと思った恋人が生きていて再会した時の反応である。


「な……何が起こっているの?」


 移り変わる状況に、先程ディーネに話しかけられた女生徒の呟きが空に消えた。


【魔法使いのステージ】

魔法使いはその到達度でステージ分けされています。まるで癌ですね。

本文でも述べられていましたが、Ⅰ~Ⅳに分けられてます。公式では。

え、その言い方だとその上があるんじゃないのかですか?それは……ウフフフフフフフ。


それではステージの説明を簡易的に。詳しくはまたいずれ。

ステージⅠは魔法使いに目覚めたばかりの段階です。魔力を見たり、感じたり、実際に使う段階です。

ステージⅡは自分自身の固有魔法である『●●●●』に目覚めた段階です。

ステージⅢは『●●●●』の必殺技や奥の手を使ったりできるようになる段階です。

ステージⅣは『●●●●』が進化する段階です。


今日は以上です。穴だらけですが、説明するとネタバレになってしまうので。悪しからず。

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