第一章 第13話 入場
【現象型 その1】
このコーナーも続きますね。さあキバって行きましょう。
現象は他の2つと違い外観に変化は現れません。道具も出ませんし、身体も変化しません。
ただ、その現象を自在に操ります。
例えるなら、ム〇ウタの特殊型やと〇るの超能力、ワ〇ピースの自然系ですかね?……まあ身体は変化しないので違うかもしれませんが。
ステージⅣになると能力が強化されますね。外見変化はありません。
魔法使いの階梯はステージⅡ以上———ジョーカーを持っている———ということはわかっている。
ただ、ジョーカーの型はわからないが。
そんなことを考えていると……
「あっ、風女神の恋人出てきたぞ」
「おまえなあ、この間の逆バンジーでまだ懲りてないのか?」
「纏っている雰囲気が違うわね」
「何か剣持っているな」
そんな観客の声が聞こえた。
闘技場内に目を向ける。そこへクロト入ってきた。
恰好は変わっておらず、制服のまま。
ただ、腰に剣———定寸の打刀———を指している。
……いつ用意したのだろうか。
構えは取らず泰然自若としている。
その後、逆のコーナーから出てきたのはディーネだった。
彼女も制服を着ていたが、それだけではなかった。
腰の後ろに物騒な得物を吊っていた。
白い大型拳銃だった。ただ、銃身の下に刃が付いており、接近戦もできるようになっている。
完全に戦闘態勢である。
———私の時と装備が違う?
ルーナリアがすぐそれに気づく。
そもそもディーネは決闘をあまり挑まないし、誰も挑んでこない。
序列2位の名は伊達ではない。
ただ、決闘ではない軽い手合わせなら結構やってくれるのだが、その際には武器は使わない。徒手空拳だ。
要は本気で戦うということだ。
「へえ、どっちも本気だね~」
聞き覚えがある、気の抜けた声がした。
そちらを向くと、自分のすぐ近くの席にグレスが煙草をふかしながら座っていた。
手にはビールとおつまみのスルメ。
完全に競馬か競輪に励むおっさんである。
「先生、ここも禁煙ですし、お酒は……」
「あん?いいんだよ。放課後だしな。それに……」
ルーナリアの近くに移動する。
そしてニヤリと笑った。
「この戦いは面白そうだしな。どちらも本気だ。特にウインドウズ。あの武器はアレ以来だ」
「アレ?」
「ああ、お前は知らんかヴァンホーエン。噂にはなってんだろ?昔……丁度1年前だったかな?ウインドウズの奴は第1位とぶつかったんだ。その際にもあの武器を付けてたんだ」
「ああ。それですか。その戦いは一体どうなったんですか?」
「一応引き分け?」
「……何故疑問符が」
「コレ以上やると、学校壊れるって判断されて、オレとウォーカーが止めた」
「……なるほど」
因みにこの学校の教師陣は結構強い。
特にこの不良教師とあの人見知り教師はかなり強いらしい。
……この学校何故か変人であればあるほど強い気がする。
閑話休題。
「だからこそ結界が張られるようになったんだ。前はなかったんだけどなあ」
「……もしかして、1位と2位の戦いの後から張られるように?」
「ん」
……一体どんな戦い繰り広げられたんだ?
「ステージⅣ同士の戦いは下手すると、町1つ位なら簡単に消し飛ぶからな。Ⅳなんてこの学園始まって以来いなかったんだぜ。第1位が入学してくるまで」
「そうなのですか?」
「たりめえだ。そんなバーゲンセールみたいにいてたまるか。そして」
言葉を切った。
「もしかしたら、あの時と同じような戦いになるかもなあ」
【現象型 その2】
大きく分けると2つに分けられます。
まず自然事象。火や水、風、雷と言った物を自在に操ります。
人によって操れる範囲は様々です。
例えば、水を操る人でも、氷や気体まで操れる人もいれば、純粋な水しか使えない人もいます。雷を操る人でも、磁力まで操れる人もいます。そんな感じですね。
その攻撃に耐性があったりもします。
まだ続きます。