第一章 第11話 昼食
【融合型 その1】
前回までは具現の説明だったので、今回からは融合型の説明です。楽しめれば幸いです。
文字通り身体が変化したり、器官が増えたり、体色が変わったりします。
具体例で言うのなら、
腕が変形。
角が生える。
模様が浮かぶ。
臓器が増える。
などです。因みに見た目の変化が多いですが、体内が変化するため、見た目があまり変わらない人もいます。
全身が変わる人もおり、中には人型を保たない人もいます。
ステージⅣは変化がさらに変わりますね。
* * *
屋上。
あまり人が来ない穴場スポットである。
3人はここで昼食を取ることにした。
ディーネが鼻歌を歌いながら、重箱を広げた。
3段重ねの重箱弁当。
1段目には沢山のおにぎりと稲荷寿司。半分は白と黒のおにぎりで具は梅干しとおかか。稲荷寿司は関東風だった。クロトは関東風の方が好きなのである。
2段目には野菜や海産物。ドレッシングのかかった野菜サラダやポテトサラダ、エビフライや焼き魚などが入っていた。
3段目には肉料理が沢山入っていた。ハンバーグにソーセージ、ウインナー、から揚げ、肉巻き野菜など。
かなりこだわって作っている。後、肉料理が妙に多い。
それに、……どう見ても2人分には見えない。その倍か3倍4倍5倍の人数がいても平気な量だった。
「相変わらず美味しそうだな。流石!」
「誉めても何も出ないよ。さあ、ルーナリアさんもいっぱい食べて」
「あ、はい」
全部食べきれるかと心配したルーナリアだったが、この2人、特にクロトは結構健啖家らしくムシャムシャ食べていく。
このままでは食べつくされると感じたルーナリアも稲荷寿司に手を伸ばした。食べる予定だった狐うどんの代わりに。
一口齧る。あまじょっぱい。結構美味しい。
他のおかずも美味しかったので、黙々と食べていった。
弁当の中身が半分ほどになったところで、ディーネが口を開いた。
「そういえばさ、この6日間どうしてたの?」
「ん?ああ、まあ色々。あちこちにあいさつまわりしてた。後は転入準備」
「そっか……。バカには会った?」
「会った。面会できた。差し入れもできた」
「面会?」
何か不穏なワードが出てきたので、ルーナリアが突っ込んだ。
どういう意味だろう?
「バカがね馬鹿して、豚箱にいるの」
「……まあ、その説明で間違っちゃないけどな」
どうやら彼ら共通の知り合いが刑務所に入っているらしい。
何をしたかが気になったが流石に聞くわけにはいかない。
話題を変えることにした。
「さっき6日って言ったな?アレはどういう意味だ?7日か1週間って言うべきじゃないのか?」
「ん?ああそれな」
「ねえ」
何か視線を交し合う2人。
「あの決闘の次の日は休日だったろ?」
「ああ」
「こいつに付き合ってあちこち回ってた。丸1日」
「……ああデートか」
納得したルーナリア。
この2人はまだただの知り合いと言い張るのだろうか?
———もう付き合っちゃえばいいのに……。
「何か蔑まれてる気がする」
「気のせいじゃない?……多分」
その後、話題は学校の話になった。
転入1日目なので色々2人に聞いていき、それにルーナリアが答え、ディーネが補足していく。
「へえ、学食人気なんだ」
「ああ、安い、早い、美味いの3拍子揃っているからな」
「まあ、お残しすると、食堂のオバちゃんに叩き潰されるけどね」
「潰されるのか……」
取り敢えずわかったのはこの学園の人達はキャラが濃いということだった。
そんな感じでお弁当を食べながら、話をしていた。
———何か楽しいな。
ルーナリアは思っていた。
思えば、この学園に入学してから、余裕がなかった気がする。
自分は1学年でありながら、十傑入りしたので、あまり先輩と同級生受けは良くない。……まあ自分以外にもう1人同じことをした人がいるが。
親しくしてくれる人はほとんどいなかった。
なのに、この男は普通に接してくれた。
何の変哲もない時間が嬉しかった。
そんなことを思っていた。
【融合型 その2】
利点は発動させると身体能力が上がります。
なので純粋な白兵戦ならトップですね。
ただし、その分安定性に欠けており、長時間維持が不可能だったり、使用後反動で全身に苦痛が襲ったり、出力が安定しなかったりと欠点があります。
因みにこの欠点ですが、人によって、どれか1つか2つか全部だったり、様々です。