表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

君に唄おう

作者: 渡辺 ゆき
掲載日:2016/04/13

もう、卒業式が始まる。窓際に立った私は窓の外を眺めていた。もう、卒業なんだと。少し寂しい。みんなとの別れ。友達。そして、彼。


ずっと、片想いだった。最初受けた印象は、何よりもイケメン。優しい。誰もがほっとくわけがなかった。彼の周りには常に人集り。女の子は、全員と言ってもいいくらい彼のファン。告白する人だっていた。


窓の外を見ながら窓の外から入っている風に浸りながら、時を戻した。



入学したばかりのこと。入学式で、何かの儀式が始まるかのように、タクシーから降りてくる彼。きらきらとしている。

「キャーーーー!」

と突然騒ぎ出す。ほっとくはずがなかった。

「きゃーーー!きゃーーー!」

としばらく続いた。


そして、入学式が終わった。その後も彼に対して、

「きゃーーーー!きゃーーーー!」

と女の子たちは叫ぶ。私は、心のなかで、かっこいいな。と思っていた。でも、こんなにファンがいる中で地味な私に気づいてくれるわけないと思っていた。


しかし、学校に慣れ始め、友達もでき、高校を楽しく送っていた。相変わらず、彼が廊下を通ると、

「きゃーーー!きゃーーーー!」

と騒ぐ女の子たち。私は、そっと、その姿の彼を目で追っていた。


ある日、窓の外から、彼をぼんやりと見ていた。体育の時間で、外でサッカーをしていた。彼が一生懸命やっている姿に惹かれた。思わず、応援してしまう。彼がゴールを決めた時、私は喜んだ。心の中で、やったー!と思っていた。


そして、チャイムが鳴った。


休み時間に彼が友達と話している姿や、笑っているところを見ていた。


こんなに好きなのに…

私は心の中で思っていた。誰よりも君を思っているよって。そっと。


私は決めた。



卒業式が終わり、彼のところに行く時に、緊張していた。彼の周りには人が一瞬でもいない時をみはらかっていた。彼の周りから、なかなか、人がいなくなることはなかった。私は、なかなか、勇気が出なかった。すると、後ろから友達が背中を押した。私は振り返ると、友達は、ブインサインをした。私は思い切って、彼の前に立った。そして…

「あ、あ、あの…」

と緊張しながら、顔は真っ赤である。固まった。彼は、

「なに?」

と不思議そうな顔で言う。私は、一歩を踏み出した。

「好きです。」

と。彼は、

「ありがとう。」

と微笑んだ。私を通り過ぎそうになった時に彼は、

「教室で待ってて!」

と耳元で囁いた。私は、顔がさらに真っ赤になった。


2時間くらい待っていた。すると、彼が私の教室に入ってきた。

「ごめんね!遅くなっちゃって!もう、さすがに帰っちゃったかなって、思ってた!」

と言う。私は、

「そ、そ…」

と。言葉が繋がらない。彼は、微笑んだ。そして、彼は言う。

「好きだったよ。」

って。その時、窓の外から吹いていた風に私を包み込んだ。その後に

「好き!」

って抱きしめた。私は、顔を真っ赤にしながら、微笑んだ。彼も微笑んだ。そして、唇と唇があった。夕日が私たちを照らした。再び微笑みあった。


それから、少し時が経って私は、彼に唄った。彼に対しての思いを。


私はね、君のことがね。


ねえ、聞いてる?君は、どんな顔をするのかな?笑うのかな?それとも、微笑むのかな?バカにするのかな?


そんなこと、どうでもいい。


あの日のこと、覚えていますか?私は、忘れたこと、一度もありません。


ありがとう。


私ね、あなたに伝えたいことがあります。それはね、君のことが好きだってこと。ずっと。


と手紙に唄った。


彼は、微笑んだ。そして、

「大好きだよ。」

と。


あの時の風が私たちを包み込んだ。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ