表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

今日は、君に花を買おう

作者:

大切なひとをなくしたあなたに

 あの日、あの瞬間から僕の時は止まったままだ


 いつも、一人過ごした仕事終わりの我が家、

自宅で入力の仕事をしている僕はいつも、ひとりだった・・・

 そんな時に出会った君

 

 孤独で退屈な毎日を送っていた僕の日常に

色がついた。



 ただひたすらゴロゴロして過ごした休日

 いつもなら、時間を持て余してしまうはずなのに


 何もしなくても楽しかった。

 君がいてくれるだけで

 僕は、とても幸せだったんだ。



 僕に寄り添ってくれる君が

愛しくて、可愛くてついつい強く抱きしめすぎたあの日

真っ赤な顔して 息ができないじゃない!と、怒る君。

その顔さえ、可愛くてさらに強く抱きしめて

また、君に怒られたあの日。



 色んな幸せを 僕にたくさんくれた君。


 そして、あの日。

一月くらい前から、体調を崩した君を僕は、ただ見守ることしかできなくて



大嫌いな病院にも

君が心配で、毎日毎日君を連れて行ったよね。



 人に会うのも話すのも苦手な僕が

君のために出来ることをすべてやろうとして

いろんな人に助けてもらったから・・・



 おかげで、少し他人が苦手じゃなくなったんだ。


 でも、その瞬間ときは、やってきたんだ。

いつものように、君の温もりを抱きしめながら目覚めた朝。

いつものように僕をみて 嬉しそうに微笑む君。



さあ、今日も

昨日のように、穏やかに君と過ごそうね。

そう思いながら、朝食の用意のために

ベットから出ようとする僕を 珍しく君が引き留めたあの朝。

そんな君にそっと口づけてベットから出たことを一生後悔することになるなんて

誰が思っただろうか。


 さあ、出来たよ。朝ごはんは、君の好きなツナサラダを作ったんだよ。

いつもなら、嬉しそうにそしてすまなそうにいつもありがとう、と 

言ってくれるはずの君からの言葉をまっていたんだ。


 静かに眠る君をみつめながら


 あのきらきら輝く君の瞳が・・・。

 もう君と見つめ合うことも、

 僕を癒してくれる君の手が僕の体を抱きしめてくれることも

 もうないんだと

 もう君は旅立ってしまったんだと

 それを僕が気付くまで

 僕の心が認めるまで・・・・・。



 君の

 もう、肉体だけになったきみの傍でただ大声をあげて涙を流すだけだった。



あれからもう一月

僕の時は止まったままだけど

君が僕にくれた、たくさんのものを

大切にしたいから

僕は今日も生きるよ。



そして、今日は君のためにたくさんの花を買おう。

君の好きだった。桃色の花束にたくさんのカスミソウも



そして、僕は決して君を忘れることなく

毎日を生きていく


ただひとつだけ教えてほしい事がある。

君は、僕と出会って僕と過ごして

しあわせ

だったんだろうか。


そして、伝えたいよ

僕は、君と出会えたこと過ごせたことが

とてもしあわせだった。

そして、たくさんの思いをくれて

ありがとう。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ