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銀髪不良くんの初恋

『告白されたんですけど』の前の日の話。

不良くん視点でどうぞ。




「好きなヤツができたんだけど、どうやって近づけばいいんだ?」


 俺がそう言うと、目の前のクロはぷひゅうと口からコーヒーを漏らした。

 うわ、きったねえええ!ふざけんなよ!と低い声ですごんでもクロの目は大きく開かれたままだ。


 てめ、そんなに俺が恋したのがおかしいのか!



「あの銀が!?恋かいな!?まじでか!女は性欲処理の道具としか見てない銀が?来るもの拒まずな銀が?去る者追わずの銀が?女を使い捨てする銀が?平気で俺におさがりって言って女を渡すような銀が?うそやろ?!」

「だあああ、うるせええええ」


 そこまでひどくねえよ!と言おうとしたが、思い当たる節が多すぎて何も言えなかった。

 まあ遊んでるからな。


「一体どんなけ魅力的な子や?紹介してえな!」


 

 紹介?あいつを?

 最近目で追いかけてばかりのあいつのことを思い浮かべる。


 いたって普通だ。

 今まで関係を持ってきた女と比べれば普通の顔立ち。

 この学校にしてはおとなしそうな雰囲気。

 だけど、いつしか気づいていたら目を追っていた。

 声が聞きたいと思った。触れたいと思った。

 これは恋なんだと確信を持つまで時間なんかかからなかった。


 目の前のクロを見る。

 こいつは女ならみんな好きなぐらいの女たらしだが、派手な女が好みだ。

 俺が今思いを寄せるあいつとは正反対。教えてもそこまでの問題はないだろう。

 しかし、クロがあいつの名前を興味深そうに呟いたときのことを考えるともやっとした。


 教えてたまるか。



「ぜってー嫌だ」

「本気やねんなあ、つまらんわー」


 拒否の言葉を出すと、クロは不満げに口をとがらす。

 なんでえなー、ええやん別に銀のいけずー、と拗ねるのは計算でやっているらしい。

 女にしてみればかわいいかもしれないが、男の俺からしたら気持ち悪くて仕方がない。とがらせた口がタコの物まねにしか見えねえ。



「んもー、しゃあないなあ!ええか、お前は顔だけは一級品なんやから、女を押し倒せればこっちのもんや!いやいや言ったって嬉しいもんや!こう、舌でも入れてえろえろなちゅーでもしたったらええやん!」


 本当にそれでいけんのか?

 じろりとクロの方を見るとしまりのない笑顔。


 

 今ここにきて改めてそのときのことを思い浮かべた。









「っ、はあ、やだ、…何、すんの、よ!」

「いてえ…」


 じんじんと熱を持った頬をおさえる。

 叩かれた、と思った瞬間、なんだか黒いものがちらついた。

 俺が一言言えば簡単に股を開くような女にしか出会ったことがなかったから、少し驚いたと同時に嬉しくなった。



「何ってべろちゅー」


 濡れた舌をちろりと覗かせると目の前の女は顔を真っ赤にして睨み付ける。その瞳には水分がゆらゆらとたまっていて、今にも零れ落ちそうだった。自分で立つことも限界なのか酸素不足と与えられた快楽に足ががくがくと震えている。

 全然迫力ねえなー、かわいい。



 クロが言った通り、女を誰もいない場所まで引きずり、逃げられないように頭を抱え込んで、舌を入れてぐちゃぐちゃと音を立ててべろちゅーしてやった。

 今までの女なら、自ら舌を絡めてきたり艶っぽい声を出したりしていたのだが、この女は違った。

 くぐもった悲鳴のような声を出しながら必死に酸素を取り入れようともがく。かなりキスがへたくそ。

 なんだかそれが新鮮に感じた。



「なァ、」


 唇を耳につけて低い声を出す。

 びくん、と目の前の体が跳ねた。

 それになぜか笑いが漏れた。


「感じてんだろ?」


 左手は背中をできるだけいやらしくなぞる。右手は比較的短いスカートをめくり、太ももをやわやわと撫でる。ぐに、と太ももの付け根辺りを強く揉むと、女の目からぼろぼろと涙が零れる。

 今までの睨んでいた顔から、一気に泣き顔に変わった。それでも、ぐちぐちと文句をこぼしている姿を見て、面白い女だと思った。

 

 それにしてもこいつの泣き顔、好きだ。



「やべ、たまんね」

 

 にたり、と笑いながら濡れた唇をなめる。

 ぞくぞくと変に興奮する自分はなかなかの変態だと思いながら目の前の唇にかみついた。

 さっきのよりも、もっと深く、舌を絡めて。




 

 なんや、普通の女の子相手なん?そんなんいきなりレイプまがいのことして喜ぶはずないやろ、段階を踏まなあかんやろ?それくらい自分分かりいな、と呆れたように言うクロを殴るのはその日の話で、


 俺が真っ赤になりながら告白するのは、次の日の話。




この後どう書こうか考えただけでにまにましちゃう。

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