第20話 百万対二十人――開戦
朝が来ると、空は鉛色に染まり、地は兵たちの足音で震えていた。皇帝の総力――百万を超える軍勢が、箱庭へと押し寄せる。だが、迎え撃つのは幹部20名と、その精鋭部隊だ。各幹部には百から二百名の兵が付き従う。数では圧倒されるが、質と連携で応える。
アーサー(あーさー)が号令をかける。作戦は緻密で、各部隊の動きは秒単位で計算されている。ロキ(ろき)の幻術が先に走り、敵陣を錯乱させる。シルヴィア(しるゔぃあ)の矢は要を射抜き、トール(とーる)の迅雷隊が側面を切裂く。ダンテ(だんて)の広域殲滅魔法が敵の塊を焼き払い、ガレス(がれす)の防壁が味方を守る。
戦場は混沌と美しさが同居する。魔法の閃光と剣の軋み、兵たちの叫び声が交ざり合う。だが、箱庭の連携は完璧に近い。セレーナ(せれーな)の加護で味方は力を増し、ルミナ(るみな)は敵の魔力を逆に利用して反撃を生み出す。
戦は長く続かない。幹部たちの連携と戦術は、百万という数を無力化する。古代兵器や傭兵部隊も、個の技と統率の前では玩具に等しい。箱庭の住民たちは戦を見守り、幹部たちの姿に涙を流す。
終わりが見えたとき、アークは静かに剣を掲げる。光が放たれ、敵軍は一斉に崩壊する。戦は終わり、箱庭は勝利を手にした。だが、勝利は終わりではない。これからが再建と和解の始まりだ。
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