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我々は今ここで異世界で  作者: ウミガラス空
2章 虐めの存在証明
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6 ドキドキ潜入調査

 もう少しで正午になる昼間の中学校。騒がしい教室もあれば静かな教室もあり、そんな教室が並ぶ廊下を一つ一つ横切り目的の2年R組にやってきた。


「ちょっ、東瀬押さないでください。てかどこ触ってるんですかこの変態ッ!」


「俺この距離から触れないよ!?触りたいけれども」


 勢いよく東瀬の腹にパンチを入れた半琶流はんべるちゃんは、東瀬の体をくの字に曲げさせた。しかし東瀬には効いていないのか、ペラペラとそんなことを抜かす。


「ベールの尻はでっかいなぁ。なんで上がでかい人は下もでかいんだろう。部長は分かりますか?」


 しゃがみ込み半琶流はんべるちゃんの尻を揉んでいる蝶芽が、こちらに振り向きそう聞いてくる。


「いや、デカくない私に聞かれても知らない知らない。ってかなんで来たかわかってる〜?」


「わかってますよ〜、こういう見張りはデカの勤め。男二人に任せてるんです」


 となんとも今の時代にそぐわない批判どんとこいな発言をかました蝶芽は、揉んでいた手を振り払われるも、その手の匂いをクンクンと嗅ぎ始めた。


「なぁつられちゃん。明らかにこいつの方が俺よりやばくねーか?」


「いいんですよ女子だから」


「はぁ〜?なんだよその理屈。だったら俺も女子に生まれればやりたい放題じゃんかよ」


 その発言にドン引きしたのか、東瀬に向けていた冷たい視線を逸らし教室の方へ向けた。


 教室内では歴史の授業が行われている。歴史の授業と言ってもここは異世界、もちろん習う歴史も異世界のものだ。うちの学校含め地球の学校では異世界の歴史は選択制なので、地球人で詳しく知っているのはほんの何割かだろう。


 相談者のみきちゃんの席は後ろから2番目の真ん中あたり。今の所、普通に授業を受けている。まぁ教員がいる前では流石にいじめはしないか。


「でもあれだな。東瀬が思いつく案っていつも安直で誰でも思いつくのだよな」


「いやいや間湯先輩だって、あの時絶賛してたじゃないですか」


「おう、あの時は魔法を連続行使して疲れてたからな。早く帰りたかったんだ」


 東瀬が出した透明化の案。確かに安直だけれど、逆にこれ以外私も思いつかないので最善の選択だとは思う。


 ただし、前も言ったようにこれはただの周りから見えなくなるだけの魔法。こちらから何か物に触ることもできれば触られることもある。ハイリスクハイリターンなのだ。だから学校の人に触れないよう慎重に行動しなくてはいけない。


 そんなことを思っているうちに、授業の終わりを知らせるチャイムが校内に鳴り響く。今から昼休み。先生の見張りもなく、いじめのゴールデンタイムが始まった。

読んでくださってありがとうございます!


日に日に分が拙くなっていく。修行に出ないと・・・

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