第13話『急襲』①
派手な音を立ててカイゼルの拳がウォーグの顔面を捕えた。吹っ飛ばした勢いで追撃を加えんとするが、吠えたウォーグが全身から禍々しい赤いオーラを発し、突っ込んだカイゼルを吹き飛ばした。
「何だよ、これ……」
傍らで別の敵と対峙している優は思わず呟く。ウォーグの赤いオーラはこれまで以上にドス黒さを増しており、さらに端々で弾け飛ぶような小爆発を起こしていた。明らかに今までとは異質のパワーだ。
「新しい手品でも身に付けたか。だが、関係ない!」
カイゼルの身体が銀色に発光する。そして、先程以上の速さでウォーグに突っ込んでいく。光速の右拳が相手の顔面に命中したが、
「フッ、こんなものか」
ウォーグは攻撃を食らったまま薄ら笑いを浮かべている。今まで数多の敵を薙ぎ倒してきたカイゼルの拳が効いていない。続いて繰り出されたウォーグの蹴りはカイゼルのガードを粉砕し、彼の身体を宙に浮かした。
「ハァァッ」
ウォーグの気合と共に禍々しく赤黒いオーラが次々に噴出し、空中のカイゼルの身体を貫いていく。エネルギーの塊がレーザーのようにカイゼルの身体を貫通し、血が噴き出した。
「ぐあっ」
カイゼルの呻き声が響く。これはまずい事態だと気付いた優が駆け寄ろうとするが、敵が行く手を塞ぐ。
「死ねい」
ウォーグは沸騰するようなエネルギーを右腕に集中させ、蹲るカイゼルに向かって放出した。
「カイゼルさぁん~っ!」
優の叫びも空しく、赤黒いオーラがカイゼルの全身を覆い隠した。眼前の衝撃に、優の視界も赤黒い光に覆われていく。
「うわああああっ……」
「うわああああっ……」
「おい、大丈夫か!」
叫びを上げていたところ、揺すり起された。目の前にいたのはカイゼルだった。気を失って妙な夢を見ていたようだ。戦いの疲労も大きいのだろうが、嫌な夢だった。




