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8話

 翌朝、何時もよりテンション高く迷宮の前までやってきた。誰に頼まれた訳でもないのに、迷宮のマッピングを行おうという狂人が、意気揚々と階段を降りていく。右手には魔道具のペンを、左手には板に固定された皮紙を持って。


 階段を降りたそばから辺りを見渡す。後方をまず確認して通路がないことを確認する。出入り口を記録する。マッピングの基本だ。前方には3又に別れた通路がある。一つは2層へ繋がる通路だ。まずはそれ以外の通路を埋めていく。一番右の通路に進み、20歩歩いては通路を描き、曲がり角に当たれば足を止め書き込む。ゴブリンがいても、ペン先からライトニングを放ちゴブリンを処理する。これを行き止まりがあるところまで繰り返す。別れ道は基本右側に行く。こうすることで外周を埋める。これで紙をはみ出ることをケアするのだ。


 こうした狂行を10時間みっちり繰り返してできたのがこちら。おおよそ7割くらいのマッピングが終わったと思う。正解のルートを行く途中、帰宅中のパーティーに変な目で見られたが気にしない。気にしていたらマッピングが進まないからだ。…途中から効率が上がったように感じたことがあった。その時自分を鑑定したら地図作成のスキルが生えていた。このスキルが生えてなかったら、正解のルートのマッピングを行うまで行かなかっただろう。努力はスキルに結びつくものなのだ。


 あと、外れのルートには宝箱が1つあった。誰も通らないから気付かれずに残っていたのだろう。これは少しラッキーだった。中身は何の変哲もない鉄の剣だった。明後日あたりに剣を買いに行こうと思っていたので思っていたよりも幸運だった。これは神が俺にマッピングをしろと命じているのではないかと思ったほどだ。…まあ、神様から転生させてもらった俺が言うのも何なんだが。


 という訳で、今のところ順調な運びを見せるマッピング作業だが、懸念材料が無い訳でもない。今はまだいいが、深い所になる程活動できる時間が減っていくのだ。幾ら最短距離を行けるからと言っても、1層当たり30分かそこらかかってしまう。野営をするにしたって、ソロでは不寝番どころの騒ぎではなく、完徹でやらねば成らぬとなると体力が持たないだろう。


 …まあ一応、考えが無い訳ではない。本当に出来るかどうかはやってみないとわからないが、浅い階層の方が死亡率は低いだろう。機を見て野営をしてみようと思う。今日のところはまだ宿の料金も払っているため、また明日からマッピングをしていこう。今日の成果は魔石だけだからサクサクっと買い取りを済ませて、明日に備えるのだった。


 という訳でマッピング2日目、今日は1層を仕上げて、2層のマッピングだ。2層はこの町の殆どの探索者が狩場にしているから、敵を倒さなければならない1層よりも早くマッピングが終わるだろう。というより、今日は野営もするため、2層のマッピングは今日で終わらせる。宿屋の部屋も引き払ってきたし、市場で買った保存食の準備も万端。20日位潜り続けても大丈夫なくらいの準備はしたつもりだ。


 今日上手く野営が出来ればそのまま次層も攻略していく予定なのだ。まあ、失敗したらただでは済まないのだが、あそこなら安全に野営が出来るのではという予感があるのだ。まあ、それもマップができてからのお楽しみということで、今日のマッピング場所まで長い階段を降りていくのだった。


 2層のマッピングはそれはもうスムーズに終えることができた。スキルの恩恵もあるのだろうが、やはり戦闘に気を回す頻度が少ないと精神的に楽でいい。12時間ほど動き回り、他の探索者からは好奇な目で見られ、親切な方々には心配の声を掛けられたりした。剣を持っているからそれほど目立たない予定ではあったのだが、ソロで潜っていること自体が珍しかった様だ。何ならとパーティーに加入しないかとのお誘いもあったが、丁重にお断りをした。


 俺は騎士志望ではないが、深く潜る予定なのだから。そして、この迷宮の全ての階層をマッピングするのだ。始めはミスリルゴーレムを拝むことくらいの目標しかなかったが、目標を更新したのだ。迷宮のマップを完成させる。これを目標にこれからは探索者をやっていく予定なのだ。何層あるのかもわからないこの迷宮だが、必ず全ての階層を踏破する。それが、俺の探索者としての目標だ。


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