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2話

 俺は、TRPGではまず先に設定なんかを読み込むタイプだった。スキルやアイテム、敵のデータまで先に読み込み、キャラクターを作成していた。今回も同じように、渡された本の内容を全て頭に入れていった。全てを覚えているわけじゃないが、なんとなく1度は目を通しておきたいと思う程度には読まねばと思う性格だった。実はこの本、殆どスキルが書かれた本で、検索機能もあるのだが、それでも最後まで読まねば気が済まない。我ながら難儀な性格だと思うが、性分なんだ。仕方ないね。


 それでも読むのに体感2時間弱とそこまで時間がかかったとは思っていない。世界の設定なんかは特に重要と思われる情報ぐらいしか頭に残っていないが、転生先の世界を知るには重要な事だった。まずこの世界には迷宮と呼ばれるものが存在しており、その迷宮を中心とした国が幾つも乱立している世界だったということが解った。そして、国同士が戦争をして、今では大きな国が幾つかの迷宮を抱えて不安定に安定している世界であることが解った。そして、迷宮では様々な資源が、主に魔石が採れる事が解っており、しかもそれが魔物を倒すことで無制限に採れることが解っている。要するに、剣と魔法のファンタジーしているということだな。


 国にしても不安定な状態で、常に睨みあっているような感じと受け取れる。迷宮で採れる資源をめぐって戦争何かも起こりそうだな。貴族なんかに転生すればもしかしたら戦争に駆り出されることもあるかもしれない。平民でも徴兵なんかがある地方は転生先から外したい。


 あとは、迷宮に潜るのは基本的に、騎士か探索者の様だ。世界には基本中立の探索者組合が存在しているらしい。基本であり、当てにしてはいけないような設定だったが、まあ迷宮に潜る傭兵と言ったところかな。


 その他、各国ごとの特色なんかも書いてあったが、そこは割愛。後で検索しながら思い出そう。次は天球を見に行こう。天球を見ると大きな大陸が4つ程あり、それぞれに特色ある文化が形成されている。これも偏に迷宮が何を生み出すかに因るのだろう。しかしながら、地球で言うところの中世かそれ以降だが近代ではない、と言ったところか。別に歴史に自信ありとは言えない自分なので、出典は漫画なんだが。中世風ファンタジーとかよくあったし、それと似たような感じ。


 しかし、いろんな場所を見ているが、何処も迷宮があれば、似たり寄ったりという感じかもしれない。ただ、自分の中では職業は探索者をやりたい。戦争なんかはごめんだが、剣と魔法は使ってみたい。そうなると探索者くらいしか選択肢がない。…よし、情報も集まったことだし、さっさとキャラメイクしますか。


 まず、第一にキャラメイクにとって大事なのが、ポイントだ。産まれやなんかを指定すればするほど、ポイントにかかわってくる。今の俺のポイントは210ポイントだ。多分、人によってポイントが違うんだろうが、俺は多いのだろうか? 少なくないとは思いたいな。まずは生まれだ。これは大国で迷宮がたくさんあり、徴兵制のない国を選ぶ。キューレイト帝国の寒村出身にしよう。これで消費ポイントがマイナス20ポイントだ。そして4男以下を選び、さらにマイナス10ポイント。総ポイントがこれで240ポイント。そう、この設定だと使えるポイントが増えるのだ。探索者としてデメリットにならない所は極力マイナスポイントにしてしまって、ポイントを稼いだ方が良いだろう。ただし、容姿は弄らない。容姿にマイナスは振りたくない。顔は並でいい。並未満は世間の当たりがデメリットになってしまう。だから弄らない。いいね。


 そして最後にアルビノを選ぶ。アルビノはマイナス150ポイントと大きい。これは、忌子としてとられてしまう世界のため、これだけのマイナスポイントになっている。しかも、殺してしまうのもダメらしく、多くの場合は孤児院に捨てられるとの情報も得ている。他にも皮膚病になりやすいとか光魔法を覚えられないなどのデメリットもあるが、探索者として迷宮で生きるのならば太陽なんて怖くない。それに何故が迷宮は真っ暗ではない。これは天球で確認したが、明かりが無くとも普通に潜れる位には明るいのだ。本当に迷宮って不思議。これで使えるポイントは390ポイントになった。


 それでは、才能にポイントを振り分けていく。才能といっても、正しくあれば、才能とスキルと言ったところか。剣をとっても、剣の才能と剣術がある。剣の才能は才能枠、剣術はスキル枠だな。どう違うのかといえば、才能は固定で、スキルは成長すると言ったところだ。剣術はレベルを選ぶことができる。Lv1なら+5ポイント、Lv2なら+15ポイントと言った感じだ。ただし、これは成長するのだ。向こうの世界に行ってからでもポイントを使わずに、鍛錬でレベルが上がる。しかもレベル上限はLv100だ。しかし、才能はポイントでしか増えない。ポイントをつぎ込む制限もない。であれば、剣術Lv1(+5)、剣の才能(+385)、なんてことも出来るのだ。これの方が、成長お化けとして化けるかもしれない。


 そんなこんな考えて考え抜いた答えがこちら。


  ・剣の才能 +40

  ・剣術Lv1 +5

  ・雷魔法の才能 +50

  ・回復魔法の才能 +30

  ・雷魔法Lv1 +10

  ・回復魔法Lv1 +10

  ・魔力上昇率強化 +60

  ・索敵Lv1 +5

  ・鑑定 +50

  ・アイテムボックス +130

  ・言語習熟 ±0


 まず、鑑定とアイテムボックスのスキルは確保した。何をするにしても転生といえばの必須スキルではなかろうか。そして、物理に剣、魔法で雷魔法と回復魔法、探索用に索敵。最後に魔力上昇率強化だ。魔力は体内魔力を枯渇させればさせるほど増えていくらしい。それの上昇率を強化したのだ。しかも魔力は体を循環させることで、身体能力も強化出来るのだ。魔法にしても、身体能力強化にしても、魔力は欲しいのでどんどん枯渇させる予定だ。言語習熟は只だったため貰っておいた。これで転生の準備は整った。女神様に準備ができたことを報告しに行く。


「ほう、準備が出来たか。では行ってこい。其方の人生に幸多からんことを。」


 こうして、俺は新たな世界に旅立った。


 暖かい水の中から、肌寒い風が吹き込む外に出た感覚。誰かが遠くで泣いている様に聞こえる。ここは何処だろうか。…目が開かない。体も動かない。何だこれは。…ああそうか。転生したんだっけか。…良かった、無事に産まれたんだ。まあ忌子なんですが。ただ、猛烈に眠い。意識が…遠のく…。


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