八極拳の熊歩・震脚について
八極拳の熊歩・震脚
B壇系八極拳の初心者にやらせる最初の練習は、何かと言えば『熊歩』であると考える。
馬歩は?、
これはB壇系武術の全般における初心者の練習である。
そのあたり心意六合拳の鶏行歩と同様かも知れません。
軽い震脚をしながらノソリ、ノソリと前に進んで行く。
この練習はB壇系八極拳の体作りをしていく為に、真下に震脚して行き、(幾つかの口伝があります)
馬歩になる時の震脚とはやり方が異なる。
馬歩衝捶の時の震脚に関しては、
日本人の馬家の八極拳家がYouTubeで発表しているやり方が、
B壇系八極拳のやり方と同じです。
熊歩の真下への震脚は軽くやるもので、強くやると怪我の元。
違うやり方なのには理由があります。
八極拳の中心軸を作っていくためと、
『打到筋骨膜』『練到骨髄』の為らしい。
B壇のS老師が公表したB壇武術の段階では、
①放鬆
②伸筋抜骨
③五行之気
④打到筋骨膜
⑤練到骨髄
となっており、
初心の内に、練到骨髄の為の練習をいきなりやらかすのは、
かなり面白い。
以前に師匠何故八極拳は『震脚』をやるのかと言う質問をした生徒がいて、
その時師匠は、
「これにより、自分の骨に振動が入る、これをすると‥‥」
と手を出して生徒に持たせた。
ひょいと師匠が手を引くと、
生徒は大きく前に崩れた。
「こー言う不思議なことが起こる」
と言っていた。
(まだ練到骨髄が発表される前の話で、身体で覚えた感覚をもって師匠は語っていた)
S老師は、
「五行之気は易筋経、練到骨髄は洗髄経」
(だったと思う)
と発言して、
洗髄経は、骨をコンコンと叩いて刺激する方法論である事が分かっているので、
熊歩の震脚は練到骨髄の練習の一つであるとのことがわかる。
同時にB壇のR公が、素早い連打に対しての八極拳の対処して、
『木魚の(小さな)連打の音は、梵鐘の(大きな)音の前にかき消される』
と言っている。
ご存知お寺の鐘のデカイ音を八極拳の一発に例えているのだが、
唐突であるが、
台湾の食材屋の前には色々な動物の肉が並んでおり、
その中の鶏ガラを見た事が有るだろうか?
肋骨内部の空洞(要するに胸腔)が梵鐘(お寺の鐘)に見える。
つまりは、梵鐘とは肋骨ー肺すなわち爆発呼吸の事であり、
鐘つき棒が脚ー震脚であり、
震脚と爆発呼吸の二つが合成されて、
全身の骨に振動が発生する。
この状態で師匠は我々生徒に手のひらを出させて打った。
拍手程度の軽い打撃であったが異様な痛みが走り、
しばらく、手のひらには『キーン』と言う高音の音叉を鳴らした様な響く感覚が残った。
胴体にマトモに当たるとどうなるかは少し怖くて人体実験出来ないとの事。