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レオ・ザ・プライド  作者: ろくみっつ
1章:傲慢の目覚
14/26

第十四話 静寂の場

お久しぶりです!

てことで今週分更新です!

三人称視点で少し短めですがよろしくお願いします

コツコツと廊下に響く音。まだ早朝と言ってもいい時間だというのに、その廊下には一人の人間しか歩いていない。

この時間帯ならば、少なくとも二人位は廊下を歩いているのだが、人間はその廊下に一人しかいない。そう、人間は(・・・)だ。


廊下を利用していたただ一人の男__アリーゴ・アントーニ司教は、今まさに自らの目の前に現れた存在に目を見張り、しかし慌てる様子を見せずに跪き頭を下げる。


「朝早くからご苦労様です、アリーゴ司教」


アリーゴが礼をすると、その存在は気さくにほほ笑み、言葉をかける。


「いえ、日課ですので。しかしミカエル様、このような場所に如何なさいましたか?」


「ふふ、そう硬くならなくても良いですよ。なに、今日はアリーゴ司教に少しお話があったので声を掛けさせてもらいました」


「話……ですか。なるほど、先ほどから人がいないのは分かっておりましたが、何か重要なことですか」


「えぇ、そうですね。あなたも私も忙しい身なので、手短に話すとしましょう」


アリーゴ司教は顔を上げずその場で、大天使ミカエルはそのアリーゴのそばまで歩き、そして告げる。


「つい先日、我ら天界勢力に大罪神装の宿主が加わったことは知っていますね?その大罪神装についての解析が今朝がた終了しました。その結果ですが、少々不味い情報があったようです」


アリーゴはそこはビクリと震える。大罪神装が自らが属する勢力に加わったことは知っていた。その力が絶大であり、今まで手をこまねいていた案件が片付くと思っていたところなのだ。

その大罪神装に不味い情報があったという。ただの噂としてそれを聞いたのなら、それ相応に流して処理するような事だろうが、自らの信仰する存在が、自らだけに聞かせるため人払いまでして話すことなのだ、どれほどの不味いことなのか、ある意味で計り知れない。


「そ、それは、どういったものなのでしょうか?」


「簡単に言えば暴走の可能性ですね」


「ば、暴走ですか!?」


「はい。ウリエルの解析結果によると、大罪神装の人格が与える試練を突破しなければ宿主の魂を喰い、そのまま暴走状態になる。試練がクリア出来ても、その宿主の力が及ばなければ扱いきれない力が暴走する。あるいは負の感情の激増による暴走。とまぁ暴走状態へのオンパレードだそうです」


「……そのような危険なモノを身の内に招くのですか」


少しの情報だが、暴走の危険性が高いことは分かった。アリーゴはもしもを危惧し、ミカエルへと問う。


「そうですね。背に腹は代えられないと言いますし、今大罪神装の主もその暴走の危険を少しでも減らすためにガブリエルが鍛えているところです。多少の危険性は見逃し、悪魔や堕天使への対抗手段として確保しておくつもりです」


「そう、ですか……。分かりました。ならば私もその暴走の危険性を減らすために尽力すればいいということですね」


「えぇ、そうなります。……ですが、他に一つだけあなたに頼みたいことがあります」


「何なりとお申し付けください」


「実は、この暴走を抑止する上で、天使のというよりよ聖の属性を帯びた魔力が有効ではないかという話が上がっているのです。

そのため、万が一を考えて彼を天使へと転生させてはどうかという意見があります」


天使への転生という言葉を聞き、思わずアリーゴは顔を上げ、声を上げてしまう。


「っ!まだ身の内に入ったばかりの者を天使化するのですか!?」


「そうなるかもしれないという話です。ウリエルは機会を見てそのための布石を打つと言っていました。

あなたには、その転生をする為に協力を頼みたいのです」


「しかし!未だ天使へと至る機会に恵まれぬ者もいる中で、新参者を早々に天使化などと……!!!」


「分かっています。ですが、私たちは他の者よりも彼を昇格させるメリットの方が大きいと感じているのも事実です。

そこで、少しばかり手を打ちたいと思っています」


「手……ですか?」


「えぇ、少し大きな場面となりますが、他者を黙らせ、彼の暴走の危険をほぼ無くす機会となるでしょう」


そう言ってミカエルはアリーゴの耳へ近づき、その案を伝える。


話し終えたミカエルはその場を立ち去り、話を聞いたアリーゴは厳しい表情のままその場を去った。

後に残ったのは、人払いにより不自然なまでに静寂を保った廊下だけだった。

いかがでしょうか?

今週はもう人作品の方も更新をしますのでよろしくお願いします

来週はイース君視点でのお話です。出来れば他の神装の話をしたいなぁ・・・・・・と思っています


ではノシ

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