海の果て
その村では海の果ては滝になっていると信じられていた。ある日、ポルンという青年、若気の至りか、
「海の果てが滝かどうか、俺が確かめてきてやる」
と、村人が止めるのも聞かず、一隻の小舟に乗り、海の遥か水平線の彼方へと消えていった…。ポルンが旅立って一週間が経ち、一ヶ月、三ヶ月と過ぎた頃、村人達はポルンは亡くなったのだと悟り、とうとうポルンが村に戻る事はなかった…。
一人の村人が、
「やはり海の果ては滝なんだ。だからポルンは戻らなかった。あの青い星のような球体であるわけがない」
と、夜空に浮かぶ地球を見ながら呟いた。