豊かな日常の鼓動。 壱
終始かわいいばっかです以上。
小鳥が鳴き、朝を告げるように囀る。
その囀りで僕はゆっくりと目覚める、とても気持ちのいい朝だ。
僕はいつものように、寝室を出て朝ごはんの準備をする。
作るのはフレンチトーストとコーヒー。
僕の朝には欠かせないものたち。
フレンチトーストの力強い甘さと、コーヒーの程よい苦さが、毎朝僕の日常を豊かにしている。
こんなに素晴らしい朝はないだろう。
あれ?フレンチトーストってこんなに甘かったっけ?
僕が今食べているのはなんだ?
手に持っているトーストには砂糖が山のように積もっている。
これは砂糖トーストか?
いや、僕はさっきまでフレンチトーストを食べていたはず…そうか、これは悪い夢だ…じゃなきゃこんなくそ甘い砂糖トーストなんかが僕の朝を邪魔する訳が無い!
少し落ち着いて考えてみる…
あー、これ夢じゃねーわ、甘いって感じてる時点で夢じゃねーわ。
だとすると誰だよ!この砂糖お化けで僕を殺そうとした奴は!
周りを見渡す…までもなかった。
目の前にいたわー、すげー嬉しそうな顔していたわー、しかも僕の嫁だわー。
ラーは料理禁止になりました。
「ヘリオポリス」
「なんじゃ?妾のことをまた怒るのか?」
「違う、ヘリオポリスって呼びづらいからヘリオでいいよな」
「主の好きなように呼ぶがいいわ、妾は主の妻じゃぞ?全く知らぬならまだしも…」
「すまんすまん、そう言えば昨日は時間なくて聞き忘れたけど、どうしてお前に記憶が戻ったんだ?」
僕はそう問いかけると、彼女は何やらムスーっとし始めた。
もちろん可愛い。
「嫌じゃ!さっき決めた呼び名で呼んでくれぬのなら絶対に話さぬわ!」
何か凄く拗ねてるけどめちゃくちゃかわいい。
どれくらいかわいいかというとかわいいっていう漢字が平仮名になるくらいかわいい。
自分でも何言ってるかわからないけどかわいい。
とにかくかわいい、それを誰かに伝えたかったが、伝えられないもどかしさがとても大きかった。
「わかったよ僕のかわいいかわいいヘリオ、そんなに拗ねないでおくれよ、かわいい顔がもっとかわいいおっと…かわいくなくなっちゃうじゃないか」
「主よ、かわいいと言ってくれるのは嬉しいのじゃが、よからぬことを考えてはいまいな?」
彼女は顔を真っ赤にしながら僕にツッコミをいれる。
「考えてない…よ?」
「なぜ疑問系なのじゃ!?」
答えぬかー!と僕をポカポカと叩いてくるが痛くはない…
本題はどこか遠くへと置き忘れてしまったんじゃないか、そんな風に思えるほどだ。
さらに言うと、周りに人が居たらとろけるほど甘い空間がそこには出来上がってしまっていた。




