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五芒世界の歪んだ境界 プロット失 未完  作者: 月影柊
そこ、神様が通りますよ。
8/15

そこ、神様が通りますよ。 一括加筆修正ver.

一個一個手直すのが億劫だったためこのような処置を致しました。

結構変わっていますが、変わっていないところもチラホラと。

現品の誤字脱字がある方が初心者っぽくていいよーって人はこちらではなく壱~終結まで読んでください。

そっちの方は書き直す気無いんで。

もしかしたらこっちに誤字脱字があるかもしれません。

たまに見直すので、誤字脱字があったら直すから。


加筆もありますので初めてじゃない人でも…大丈夫…かなぁ…

まぁ、見てってください。


「おぬしよ、妾の夫にならぬか?」 僕は神にそう問いかけられた。




あれは、つい数時間前のこと。

僕は、何をするわけでもなく歩道をただ歩いていた時のことだった。

突然人気が無くなったかと思ったら、上から 僕より二つくらい下に見える女の子が、空から降ってきた。

ことごとくテンプレだなと感じながらも、多少は驚いたさ。

だがまぁ、この世界ではこれが日常茶飯事である。

世界は全てで五つ存在し、その中でも際立って目立っている世界として、魔法世界、科学世界の二つがある。

五つあるうちでも、目立っているのは魔法世界、科学世界の二つである。

その他の世界には夢幻世界、二次世界、欠落 世界の三つ世界がある。

それらを総称し、五芒世界と呼ばれている。

僕が住んでいる世界は、二次世界『セカンド ディメンション』であり、科学世界で言う漫画とか小説とかで起こるようなことが起こる、とにかく厄介な事ばかり起こる世界だ。

それはそれとして、どうしたものか。

僕の目の前には落下してきた少女が転がって いる。

僕はこいつを無視してもいいが、無視した場合のペナルティとして、こいつとの恋愛フラグが立たない、まぁこれだけなら可愛いほうだが下手したらこいつに殺される可能性まであるからたまったもんじゃない。

かくして僕は転がっている少女を担ぎ、帰路へとつくのだった。


帰宅してすぐのこと、担ぎ上げられた少女が 目を覚まし、下ろせとジタバタし始めた。

僕はすぐ下ろし経緯を説明する。

少女は僕の説明を聞き終えるとニンマリと笑顔を見せ、こう言った。

「妾は世界を渡ることに成功した!」

僕はその言葉が信じられなかった。

なぜなら、未だかつて誰一人として世界をわける『境界』を超えたものはいないからだ。

「おいお前」

「お前ではないわ、妾の名はシュレインズフ ラッド皇国第一皇女、ルーフェニックス・L・ シュレインズフラッドであるぞ、そうだなお前は妾をルーフェと呼ぶがいい」

偉そうにふんぞり返っている彼女は、とても可愛い。

しかし、本能よりも優先すべきことがある。

「そうかい…じゃルーフェ、お前世界を渡ったとか言ったな、それはどうやったんだ?」

「簡潔に言おう、妾も知らん。」

知らねぇのかよ!と心の中で叫びながらも僕は 疑問を投げかける。

「ならば何故世界を渡ったと訳のわからない ことを言ったんだ?」

「妾にもここにはどうやって来たかはわから んがこれだけは言える、妾は夢幻世界『パラダイスヒル』から来たそれだけは覚えておる」

「パラダイス…ヒルか…」

僕には嫌な思い出しかない。 「ん、?どうしたのじゃ?」

「いや、昔の事を思い出していつか機会があれば話すよ…」

「そうかそうかこの妾にかくし事か、まぁよいわ、いずれ機会があれば聞き出してやるわ」

ルーフェはそう言って可愛く笑った。


しばらくして、彼女と僕は街へ出掛けることにした。

街へ出掛けることにしたのには二つほど理由 があった。

一つ目は、彼女の来ている服だ。

彼女の来ている服はこの世界の服とは異なる 材質でできているためである。

もしこれが大勢の人に見つかったら大変な事になりかねない。

今は僕の服を来てもらっているがいつまでも僕の服を着させるわけにはいかない。

二つ目は境界を見に行く事だ。

彼女がこの世界にやって来たということは、もしかしたら境界に何かしらの変化があるのではないかと考えた為だ。

境界は基本的に誰でも近づける、だが、小さな時から色んなところで近づかない様にしろと言われているため、滅多なことがない限り境界へと近づく人はいない。

とまぁそうこうしているうちに、僕がいつも通っている店に着く。

ここの店は浴衣や巫女服などを中心とした和服専門店で、僕は買うわけでもないのに毎日といっていいほど通っている。

さっきも来たばかりだったので、着いてすぐ今日来た時にいいなと思っていたものを手に取り、彼女にそれを持たせ試着室へ追いやる。

彼女はなかなかうまく着ることが出来ないようで、試着室の中から呻き声が聴こえてきた。

流石に僕が試着室に入って彼女に服を着せるのはどうかと思い悩んでいたところ丁度よく女性の店員さんがこちらに向かって歩いてきた。

すぐに僕は試着室を指さしながら店員さんに小さく耳打ちする。

「すいません、今そこの試着室にいる奴に服を着させてやってくれませんか、あぁ後、その服は買いますんで」

それに対して店員はというと。

「彼女さんですか?お任せくださいな、この私めが彼女さんを綺麗にしてあげますよ!」

と何やらノリノリで返答された。

勢い良く試着室へ入ってゆく店員さんに驚きの声をあげるルーフェ。

始めは何やら意固地になって自分で服を着ようとしているようだったが、最後には負けた様な声で着せてくれと嘆願する彼女の声が聴こえた。


しかし、服を着るために3時間もかかるとは 思ってもみなかったな。

僕は心の中でそうつぶやいて、彼女を見やる。

彼女は着慣れていない服のせいかややフラフラしている。

度々バランスを崩し転びそうになるが、その都度なんとかバランスを持ち直して何とか転ばずにいるが、かなり危なっかしい。

「なかなか着心地はよいが、なんとも動きづらいの…」

しかしまぁ萌がある、それは風流と何ら違いは無いのかもしれない。

いやはやその姿や良し、まさに絶景かな絶景かな。

と、いいそうになるくらいとても和服が似合っていた。

その時の彼女の顔は、可愛らしい笑顔だった。




しかし女の子ってのは不思議だ。 「こんなに...食うのか...」

たった数時間で僕は女体の神秘を思い知らさ れたとも言っていいだろう。

それは服を買ってからすぐの事、朝から何も 食べていなかった僕はそろそろ活動限界が近づいていた。

彼女も口にはしないが少し元気がなくなってきているように見えた。

そうして僕は境界へ向かう前にファミレスへ寄ることにした。


ファミレスへ着いてすぐ、彼女は僕を睨みつけた。

理由は至極簡単だ。

彼女だけ和服で、客、ウェイトレスは勿論僕 も洋服を来ているためである。

お祭り事でも滅多に見かけることのない和服だ、僕はそれを知っていてわざと和服を着せた。


だって可愛いから。


彼女は入ってすぐ店員に珍しそうに眺められ、客からは写真を撮られてたいへん恥ずかしそうにしている。


天使だ。


僕は純粋にそう思う。

「恥じらいからうまれるその頬の紅潮はまさに天が与えてくれた神秘ゴフッ…」

蹴られた。

どうやら声にでていたみたいで、僕は周りの人から奇異な目で見られてしまった。

僕としたことが…多少自分の欲望に忠実過ぎたのがいけなかったのかもしれない。

で、結局。

「恥ずかしいけどまた移動する根気もないからここで食べると…」

「うむ…不本意じゃがの…しかし、妾をあれだけ辱めたのじゃからのう、責任をとってもらおうかの」

「つまりそれは?」

この時、特に嫌な予感はしなかった。

どうせ、この店一番のでっかいパフェかなんかたのむんだろうなとか、そんな予感くらい だった。

しかし、僕の予感はアテにならないことを思い知らされる。

「この店の品、全部食べるまでこの店から一歩たりとも動かぬわ」

最高の笑顔でそう言い放った。

僕はすぐに財布を確認する…よし五億入って る。

戦闘準備はOK、後はどれだけ腹に入るかが勝負だ。

「この店の品は全部で100品目+α…って+αでけぇよ何だあれ食いもんかよ…」

化物かなんかじゃないのかと思わせるビジュアルと、その器の大きさが凄まじい… 隣にそれを頼んだ客がいるが、十分の九を残 して撃沈している。

しかし、アレを食べてる彼女を見てみたいと考えてしまう自分がいることに気付く。

いける気がしてきた。

僕は店員を呼び、このメニューに書かってい る品を全部持ってきてくれと頼んだ。

店員は、歪な顔をして「かしこまりました… しばらくお待ちくださいませ」と一言言い残 して、奥へと消える。


それからというもの、僕は三品も耐えられず にギブアップ。

彼女はその間も黙々と食べ進み数時間が経過 する。

ちなみに僕が食べたのは、お子様ランチとポテトS・M サイズ…僕はこんなにも少食だったとは…

それに比べ。

「ブラックホールかよ…」

誰かがそう呟いた気がする。

まさにそうだ。

化物を化物が喰らっている。

全品注文してから数時間しか経っていないが、もうあの化物の+αまでたどり着き、彼女は今まさにそれを平らげようとしていた。

最初に女の子は不思議だと言ったが、彼女が特別なだけなのかもしれない。

そしてここでフィニッシュとともに、あの一 言を言わせてもらおうか。

「こんなに...食うのか...」




あれから、そのファミレスには一億円札を財布から出してお釣りはいらないからと言って足早に出てきてしまっていた。

実はあそこで格好つけずにお釣りをもらっていれば良かったと、今になって少し後悔している。

しかし悔やんだところで意味は無いため、僕は彼女の手を引き境界へと走ろうとする。

しかし、彼女は動かない。

僕は疑問に思い問いかける。

「どうした?お腹いっぱいで走れないのか?」

彼女はゆっくりとあくびをして、そのあとにこう、答えた。

「いんや、どうやら腹が満たされるとどうも眠くなってしまうようでの、今はとてつもなく眠いのじゃ…」

眠たげにそう答えると、小さな声で「おんぶ…」と手を伸ばしてきた。

僕は彼女をおんぶするとすぐに駆け出した。

いくら走っても彼女は穏やかに、すやすやと寝息をたてていて、起きる気配は微塵も感じられなかった。




結局彼女は、境界にたどり着いても目を覚まさなかった。

そのため、境界に着いてすぐ、彼女を休憩所の休憩カプセルへ突っ込んだ。

この休憩カプセルはとても便利なもので、アンロックは内側からか普通に開けるか、外側のにあるテンキーを使って暗証番号を入力する事により解錠することができ、さらには、中の人に伝言を伝えることができるメッセージボード機能まで存在する。

「暗証番号は…っと、これでよし、あとは、 メッセージボードに…よし」

僕は必要最低限のことだけを書き残し、境界へと向かう。


「…しかし、いつ見ても慣れないな…境界は…」 僕が境界と呼んだ場所、そこは、何も無い。

ある一線の『境界』を越えるとそこから先は 大地も空も、水も炎も、光も闇も、生き物すら存在しない。

無の空間とでも言えばいいのか。

そこは、何も物を受け付けないそんな感じすら漂わせている。

透明というわけでもなければ向こう側が見えるわけでもない。

確かにそこに何かあるのに何も無い、そんな空間だ。

その境界に何か変化がないかを調べるために、僕は境界へと手を伸ばす。

しかし、どこからか僕を監視するような強い視線を感じ、素早く伸ばした手を引く。

「誰かいるのか!」

僕は境界を向いたままそう叫ぶ。

すると、『見られている』感じがしなくなり、人の気配が消えた。

その代わりに、殺気の塊のような何かが境界の方から来るような感じがした。

勿論、殺気の塊は境界とこの世界との『境界で』消滅した。

僕はさして気にも留めなかった、これで二度目だからだ。

今度は後ろから、フラフラと誰かが近寄る気 配がした、おそらくルーフェだろう。

「ルーフェ、待ってたよ、ここが夢幻世界との境界なんだけど…」

後ろを振り向くと、そこにいたのは美しき萌ゆる翼の生えたルーフェだった。




美しい…


いや、可愛い?


むしろ萌える!


羽生えてる!何あれ!?


僕は小さなパニックに陥ってしまった。

理由は至極簡単で、簡潔で。

さっきまで可愛い顔をして寝ていた可愛い女 の子が可愛い羽生やして可愛い顔しながら可 愛くとてとて歩いてこっちに向かって来るん ですよ?

可愛すぎてパニックにくらいなるでしょう?

「可愛すぎて、もう死にそうだ…」

「そうか踏んでやろう」

「ありがとうございますッ!」

僕は自分より年下の女の子に踏付けられて喜んでしまった。

しかし、本能というものは恐ろしい。

本能は、潜在能力を引き出し身体能力を最大 限まで高めてくれる。

どんな事でも楽しくなってしまう。

やばい、ここは天国ですか?

あははあははと不気味に笑う僕へと彼女が話 しかけてくる。

「何阿呆面を晒しておるのじゃ…その…折角の 男前が台無しじゃぞ」

少々照れ気味に言うのがグッド、いやエクセレントだ。

僕は別におめかしなんかはしていないが、今の彼女からは格好良く見えているのだろう、きっとそうだ。

「そうだ、主よ」

「ん?なんだ?」

「いくつか質問がある、全て答えてくれんかの」

「あ、あぁ…わかった、俺に答えられることならな」

「一つ目じゃ、主はこの境界に触れたかの?」

「いいや、触れちゃいない」

「二つ目じゃ、主はこの世界でおかしなことがあるのに気付いておるかの?」

「おかしな事ってなんだ?」

「知らぬのじゃな?なら三つ目じゃ、主はほかの世界が存在する事を知っておるな?なぜ知っておる?」 「学校で教わった、それがどうした?」

「四つ目じゃ、科学世界は今どうなってお る?」

「それは先週ニュースでやってたな、確かマシナリーズが開発されて、世界内戦が始まり そうなんじゃなかったか?」

「まだ気づかんのか…」

彼女は呆れるように肩を落とした。 僕は今まで習ってきた事になんの違和感もなかった。

しかし彼女の次のセリフで、全てが疑問に変わった。

「確か境界は越えることができんのじゃったな、ならなぜ、ほかの世界の情報がわかるのじゃ?」

むしろ、なぜ僕は今まで疑問にすら浮かばなかったのだろうか?

確かに境界は越えられない、その筈なのになぜかほかの世界の情報を僕たちは知っている。

おかしい。

境界を越えなければ、情報なんて知るすべがない。

「なるほど…って事はどうにかして境界を越える方法があるってことなのか?」

「そうじゃが…恐らく主は無理じゃの、そして主だけじゃなく、他の者も無理じゃろう」

「それは…どういう事だ?」

「協力者が、おるということじゃよ」




「それが誰かわかるのか?ってかその協力者ってのは何の為にそんな事をしてるんだ?」

「ええい!一度に二つも質問するでない煩わしい!よいか?一つづつ回答してゆくから耳の穴をかっぽじってよく聞くが良いわ!」

怒鳴られて僕はしゅんとする。

続けざまに彼女は回答してゆく。

「まず一つ、協力者が誰か、それは大方予想 はついておる、もう一つ、その行動の意味、 恐らく、自分を見つけて欲しいからじゃろう、しかし混乱を招かないために世界外の異分子以外には見つかりづらくするとは…」

最後の方はあまり聞き取れなかったが、だいたい分かった。

体全体の力が抜けるような気がし、僕は地べたへゆっくりと座り込む。

「しかしわからぬな、奴は一体誰に見つけて 欲しいのじゃ?」

彼女が何かブツブツ言っているが僕はもう聞 こえていなかった。

急に緊張が緩まったせいか僕は彼女を舐める ように眺め回していた。

彼女はそれに気づいたのか、何やら顔色を変え、僕を見つめる。

僕も見つめ返す。

謎の沈黙が広がる。

境界付近での沈黙は、環境音すら聞こえない。

全て境界へと消えてゆくような、そんな感じがする。

無に等しい、音が一切聞こえない、呼吸音までも聞こえない、まさに無音だった。

しかしその沈黙を先に破ったのは破ったのは、彼女だった。

「突然じゃが、先ほど記憶が全て戻ったのじゃよ、勿論、どうやってこの世界に来たのか、や、本当の妾について、などな」

僕は彼女を真剣な眼差しで見つめる。

彼女は続けて喋る。

「本当の妾は、中心世界『コアワールド』の 住人、神じゃった…そこではの、すべての世界を監視し改変できる力があったのじゃ、例外として中心世界を除いての」

中心世界『コアワールド』。

聞いたことのない世界だ。

「そして、奴が…狐咎が妾達大罪の巫女を五つの世界へ落としよった、その時に、空の境界を越えたのじゃがある事件が起こったの じゃ」

「ある事件ってなんだ?」

「精神分離じゃ、不意を突かれての出来事じゃったからうまく境界を越えられず精神体だけになってしまったのじゃよ、そこで自分の元の姿に一番近い依代を呼び寄せたの じゃ、それが今の妾の身体じゃ」 「それじゃ、身体はリアルロリの可能性もあるの!?じゃなくて、その身体の持ち主はどうなったの?」

「こやつは身体が弱かったようでの、ちょうど息絶えたところじゃったのじゃ」

「そうか…可哀想に…」

「さらに言えば、こやつは両親からある嘘をつかれておった、その嘘は自分達は夢幻世界 『パラダイスヒル』に居ると、産まれてからずっと部屋の中じゃったようじゃから信じてしまったのじゃろう」

「つまりあれだろ、記憶が微妙に曖昧だったのは、依代に乗り移った時に記憶が混同して、お前の記憶が一時的に失われていたからだと言いたいのか?」

「全く主は…全部説明するまでもないようじゃな」

彼女は呆れるような表情をしたあと

急ににこやかになり、ぐっと僕に近寄り顔前で二言 「ならば最後の質問じゃ」

「おぬしよ、妾の夫にならぬか?」


その言葉に濁りは一切なかった。

僕は彼女の眼差しと、真面目な表情を見て、心が踊った。


「良いよ、僕も好きだから特に断る理由はないし、でもまさか、あの質問がまだ続いてた のには驚きだよ、伏線だとしたら、随分とお粗末なものだね」

僕は久しぶりに笑顔になる。

彼女はしてやったりの表情をしながら。

「主はそういうがの、妾はまだ『最後の質問』を使っとらんかったから、さらに言えばこれは私情じゃからな、あまり大事ではなくての、一番最後に持ってきたという訳じゃ」

「でも、出会って半日で結婚を申し込まれるとは思ってもみなかったよ…本当、驚きだ」

「にしては顔が笑っておるようじゃぞ?…ところで主よ、話は変わるが今は何時じゃ?」

「36時だが…やばい!今すぐ家まで戻るぞ!」


彼女を抱え走る彼は表情を引きつらせてい た。

日が暮れ始めてきている街には、殺気が満ち 溢れている。

その街を駆け抜ける少年は殺気に目もくれな いが、多少不安なのだろう。

しかし、彼はまだ諦めた表情はしていない。

今彼女はそんな彼を見て想う。

この男になら、自分自身の全てを捧げてもい いと。


一目惚れだった。


最初は気の迷いか何かだと思い込んでいた。

だがそれは違い、彼との距離が近付き、触れ 合う度に濃い感情が溢れる。


初めての恋だった。


恋だ、愛だと。

まさか自分がこんなにも簡単におちてしまう とは…嬉しい誤算だった。

たった数時間とはいえど、確かに感じたこの 気持ちは嘘じゃない。


「愛してる」


その言葉に彼は


「僕もだ」


と応えた。


日が完全に沈み、辺り一面が暗闇の殺気へと変貌する。

まるで街そのものが殺気であるかのように、 彼等の行く手を阻む。

「…済まない、日が暮れる前に家へ着くつもりだったんだ…だけど間に合わなかった…もし かしたら僕は死ぬかもしれない…それでも、たとえ僕が死んでも君を…君だけでも守りたい……もし危ないと思ったらこれを使うんだ…使い方は簡単、まず目をつぶったままピンを引くんだ、そしてすぐ足元に転がす、そしたらすぐに逃げるんだよ、わかった?」

僕の言葉には一切耳を貸さず彼女はこう言った。

「嫌じゃ!主も絶対一緒に帰るのじゃ!!」

「何を言って…眩しっ。」

突如光りだした彼女はゆっくりと羽を広げ浮かび上がる。

そして叫ぶ。


「妾を誰だと心得る!!太陽の神であり傲慢を司 る大罪の巫女じゃぞ!!」

なめるなぁァァァァと 叫び声をあげるとともに太陽の如く光を放っ た。

光が収まると共に、殺気が消え彼女は僕に話しかけてきた。

「そう言えば、まともに自己紹介しておらん かったの、妾の名は、傲慢な太陽神ラー・ヘリオポリスじゃ、よく覚えておくがよい」

神々しい光に包まれた彼女は、そうった。

それに続くように僕は名前を叫ぶ。

「僕の名は武御雷言ノ葉だ!これからよろしくな!」

前書きは生意気言ってますが実は私、小心者なんですよ。

批判が怖いなーと思いながら書いてますし。

ですが、批判もしっかり受け止めようと思っています。

それが、自分の成長の糧となるのであれば、それはとっても素晴らしい事だと思えるからです。

長文、失礼しました。

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