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五芒世界の歪んだ境界 プロット失 未完  作者: 月影柊
豊かな日常の鼓動。
12/15

豊かな日常の鼓動。 肆

言語表現が...


また、記憶をいじられた。

そう気がついたのは、ヘリオが私の母の名前を叫んだ時だった。

さっきまで話していた筈の名前、すなわち『狐咎』という名前を完璧に忘れていた。

いつもの僕ならば、忘れる事はまず無い大事な事を忘れていたんだ、それだけでも異常な事態だ。

それに重ねて、ちょっとした事で記憶を取り戻した。

それから考えるにやはり、記憶を書き換えられたんだと思う。

そうでもなければ、最初にヘリオが母の名前を呼んだ時に気が付いただろう。


それはそれとして。


何です?

この嫁姑問題みたいな場の空気は、居心地が悪いったらありゃしませんね。

ヘリオと狐咎は動かず、ただ睨み合っている。

さっきまでのがオアシスだったとしたら、今は湿地帯ぐらい居心地が悪い。

「...あの」

「主は黙っておるのじゃ!!」

物凄い形相で怒られてしまった。

口出しをしたら殺されるなって、そう思った。

「狐咎よ、おぬしは何をしに妾達の所へ来たのじゃ?」

落ち着いてきているのだろうか、ヘリオの先程までの怒りが薄い。


「神は言いました、五つの世界を創り給えと」


とても唐突に、狐咎は何かを言い出した。


「神は言いました、五つの世界を結び給えと」


「神は言いました、恋がしてみたいと」


「神は言いました、恋をせよと」


「神は言いました、子を成し声を届かせよと」


「神は言いました、と、神は言いました」


おーっとっと?

ちょっと待てよ?


...一体こいつは何を言いたいんだ?


何?

これがしたくてここに来たのかこいつ。

訳わからん、まじで訳わからん。

一二三と書いてひふみって読むくらい意味がわからない。

ん?


いや、それはわかるわ。


それはともかく、母は窓を割って空へと飛び出した。

僕はそれをただ大口をあけて見ていることしかできなかった。

「再会できる日を楽しみに待ってるよー!!」

遠くから叫んでいるような声が聞こえた。

おそらく狐咎だろう。

なぜかって?

そりゃまぁ、カンって事でいいかな。


「孫!!楽しみにしてるよー!!」


確信に変わった。



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