第4話
ひとまず試合が終わり、葉弥先輩は鍵葉先輩に説教を受け、俺らはそれをフアの作ってきたクッキーを食べて見守っていた。
「こう見ると夫婦みたいだな」
フアに小さい声で言った。
「夫婦って怒られるものなんですか?」
予想の斜め上だったー!
と言うわけでもないが…まさか夫婦がわからないと…
「いいかフア、夫婦についてはこれを見るように…」
俺はフアにアニメのDVDを渡した。ブルーレイ?まだ買ってません。
今日買いに行きますよ。
小雪とクルアは、こっちが甘い、こっちがほろ苦いとクッキーについて語り合っている。
クッキーは甘い方が良い。
俺の個人的な意見だがな。
各々好きなことをしているうちに他の試合が終わり、2回戦となった。
今だに8人目は来ない。
次の相手は、ああ、飛ばそう。何もしなくても勝てそうだ。
〜数分後〜
試合終了。余裕勝ちでした。
え?相手?覚えているかはわからないけど、西城と岡のチームだったよ。
俺らを忘れるなぁー!と言って鍵葉先輩に吹っ飛ばされてた。セクハラしようとするから…
てか、このままだとあいつ間に合わないぞ?
〜準決勝〜
相手は、あのボッチだ。おそらく、今までの中で一番苦戦するだろう。
俺らは会場で打ち合わせをした。その結果いつもと同じでと言う適当な結果に終わった。
「試合始め!」
ガーン!
ゴングがなった。司会者の顔つきが勇ましい。隣の実況担当、みんなのアイドルと言われている。幼い顔つきの飯野 クルミも引いている。え?アイドルに興味あるかって?無いに決まってるだろ!
「行くぞ!」
緑メガネが指示をした。
赤メガネが姿を消した。瞬間、小雪の後ろに出てきて羽交い締めにされた。…触手で。
…え?触手?
触手は小雪の服の中に潜り込みまさぐっている。
「うにゃー!なにこれー!」
な、なんと言う、うれし…けしからんことを!
「きゃあ!」
「…うう」
小雪に気を取られているうちにフアとクルアも捕まってしまった。
「そこはダメぇ!あにゅ!んん」
「いや!…ん…変なとこ…はいらないでください!」
「………だ…めぇ…」
体を触手にまさぐられ3人はなめかましい声を上げた。
くっ!なんと言うことを!目を離せないし、攻撃したらかならずみんなをガードにされる。なんと言うことだ!
「どうだ!この時の為に生成しておいた触手は、魔力で作った宝玉をコアにすることで、術者えの負担を減らすとともに、繊細でしなやかな動き、より正確で機敏な動きができる。何より自立式なのさ!」
ん?今のセリフは嫌な予感が?
その思った矢先、緑メガネの声がした。
「やめろ!離せ!」
緑メガネが触手に捕まっていた。なんと言う嬉しくないサービスシーン!
次々とボッチたちが捕まって行く。
「うわぁぁぁ!」
赤メガネも捕まった。俺と葉弥先輩、鍵葉先輩、優華ちゃんはなんとか逃げ切っている。
だが、優華ちゃんが触手の粘液で足を滑らせてしまった。
「きゃあ!」
「優華!」
鍵葉先輩が助けに行こうとするが、二人とも捕まってしまう。
「何すんのよ!離せ!っこんの!」
「ぬるぬる気持ち悪い〜」
くそ!二人とも捕まった!どうすりゃいい、何か打開策は!
この触手はコアにより自由に自立して動いている。だから、そのコアを壊せば触手も動けなくなる。会場の観客は全員避難している。
俺や葉弥先輩ではこの量の触手を突破するのは難しい。ってか、葉弥先輩静かだな?
そう疑問に思い、隣の葉弥先輩がいるであろうところを見ると…
カシャ!カシャ!
「ナイスアンゴォ。ビューティフル。」
写真を撮っていた。何やってんだこの人は?いくらでもらえるかな?
いやいや、そうじゃなくて。どうやってこの変態触手を抜け切るかだ。
早くエロ同人みたいになる前に助けなければ。半分なってるけど…
「葉弥先輩どうします?」
写真を撮っている葉弥先輩に呼びかけた。
「んー、もうすぐくるっしょ。俺らと同じ位のスピードの子が。」
葉弥先輩が上を向いた。すると
バリーン!
ガラスを割って金色の閃光が降ってきた。
空中の閃光に対し触手が攻撃をするが、全て切り落とされる。
切り落とされた触手がバタバタと動く。
そして金色の閃光は俺らのすぐ近くに着地した。
「やっとついたか」
俺はその金色の閃光に声をかけた。
金色の閃光は立ち上がった。その姿は金色に輝く髪に金色の獣耳。背中まで髪が伸びているせいで金色の衣をまとっていたようにも見えた。そして何より特徴的なのは、大きな胸だった。
「久しぶりだにゃ!太刀!」
そう、俺らの8人目は、獣人の少女フロウ・デストルなのだ。
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