第1話
俺、天野 太刀が国立魔法律学園に入学して、一ヶ月経とうとしていた。5月近くになると暑くなってくるが北の方にある島の魔法律都市は半袖では少し寒い位だった。
俺は現在無事に記憶を取り戻しのんびり生活をしていた。徹夜してアニメ見て。徹夜してゲームやってと、まあ、やりたい事やりまくっていたわけだが昨日フアがとあるものを持ってきた
「太刀!これ!参加しましょう!」
「んあ?」
昼休みに飯を食べてるとそれを持ってきた。どうやら何かのイベントの広告らしい。
「ランキングバトル?」
どうやら学校で行われるイベントらしい。説明によると自由参加型のイベントでそれぞれの能力と魔法を使って戦うらしい。
説明していなかったが、能力は2種類ある。魔法系の能力と、それぞれ個人個人で違う能力であるパッシブ系の能力。能力レベルはパッシブ系の能力によって結構変わってくる。
例えば俺の場合は《オーバーコンテンツ》簡単に言えば創造魔法にチート級の強化を加える物だ。普通は創造魔法は自分より大きい物や自分の見たことがない物は作れない。《オーバーコンテンツ》はそれができるようになる物だ。ついでに身体強化のボーナス付き。ショボいようで結構すごい能力だ。
「いつもは能力使用禁止なのにな。」
能力は人によって強さ使い勝手が違うため、能力レベルの差が大きく出やすいため禁止されていた。
「今回はチーム戦らしいですよ。いつもは個人戦なのに、不思議ですよね。」
フアが隣で首を捻っている。
悩む美少女…絵になるな〜などと思いつつもう一度広告に目を通す。一番したのあたりに「今大会優勝者には景品あり」と書かれていた。また、そのしたには「一般の方見学可能」とも書いててあった。
「なるほどね。」
要するに今回は見世物だから、生徒同士の中の良さと能力のすごさを見せつけていい印象を持たせろってことか。
「でも、なんでいきなり?」
フアが突拍子もなくこんな事を言って来る時は大体何かがある時だ。
「それはですね…実を言うと私もよくわからないんですよ」
why?俺にこれを参加しようと言って来たのはフアだ。じゃあ何故フアが参加したい理由を知らない?
「実はクルアさんがこれに参加しようって。私が言えば太刀も参加してくれるからって言ったんです。」
なるほど、理解した。クルアが言ったのなら簡単なことだ。
もうすぐと言うかイベントの翌日はフアの誕生日だ。フアは最近料理を小雪に教わっている。優勝景品の中には調理器具がある。それをプレゼントしようってわけだ。
「いいぞ、俺も参加するよ。」
するとフアは笑顔で
「ありがとうございます!」
うん、守りたいこの笑顔。
~放課後~
俺らは学校近くの喫茶店に集まっていた。
「ひとまず、俺らのチームはフアと」
名前を呼ぶと
「はい」
と返事をした。よーし、いい笑顔だ。
「クルアと」
「ん」
やっぱり無口キャラなのね。
「小雪と」
「はーい」
わーい、ものすごく可愛いやーお兄ちゃん今なら何でもできそう。
「んで、俺」
……
「クルア、チームは何人以上いないとダメだっけ?」
「……8人」
クルアは注文した緑色の異様なジュースを飲みながら答えた。
「小雪…今の人数は?」
「えーっと…4人だね!」
よくできましたー指でわざわざ4ってしなくていいぞ〜
「フア、あと何人足りない?」
「4人ですね。」
フアは目を逸らしながら言った。
やはり気がつくよな…
「あと4人も足りねーじゃねーか!」
俺はてっきりクルアが人数集めていると思っていた。
「なあクルア。これ、お前が提案したんだよな?」
クルアは頷いた。
「じゃあ、人数どうするかは決まってるんだよな?」
俺が少し威圧をかけながら聞くと、クルアは目を逸らした。
「はぁ、仕方ない。3人は葉弥先輩達に頼むとして…あと一人か。」
魔王は何故だかこの学校の校長になってたし…あ!そうだ!あいつなら…
「よし、頼む相手も検討ついたし解散しよう。」
「待ってください!あと一人はどうするんです?」
フアが焦って俺を引き止めた。
「それは本番でのお楽しみだ。」
イタズラっぽくそう言って出口に向かった
ーやべ、これクソ痛い。
そんなことを思いながら店を出て行った。
「会計はあの銀髪の子で」
と、言って。
その後、クルアの悲痛ながら静かな叫びがこだました。
~太刀の部屋~
ここは男子寮党10階の俺の部屋だ。
俺は元々2人部屋なのに1人で居るため結構広い。元々この寮は一室一室が広いのだ。
俺はベランダに出て葉弥先輩に参加してもらえるよう電話をした。
「〜ってわけなんで力を貸してもらえませんか?」
「うん、別にいいよーそいじゃ、CG集め続きやるから切るぞ〜」
「はい」
軽ーく葉弥先輩からは承諾してもらえた。あとは…
「もしもし婆ちゃん?うん、〜居る?変わってもらえるかな?…」
「にゃ〜、久しぶりにゃ〜」