解体新書
つまりは用語集です。
どーでもいいことからネタバレギリギリな内容まで盛りだくさんですので、先に読む必要は皆無です。
渾名【アダナ】
親しい間柄の者同士が人物の特徴などを元に付ける名前。
裕には異常な数の渾名が存在する。
亜麻色【アマイロ】
梓のこと。髪色に由来する。
石橋【イシバシ】
月波市を流れる辰帰川に架かる古い小さな橋。名前は橋に掘り込まれて入るが、古すぎて読めないため、石橋と言ったらたいていここのことである。
この橋の上から見る景色は絶景であるため、老若問わずデートスポットとして人気がある。また、橋の横の桜の老樹はよく狂い咲きをする。
橋の下のボロボロの東屋には桜河が住んでいる。
狼衆【オオカミシュウ】
八百刀流陰陽道『大峰』に所属する犬神集団。その嗅覚と機動力で、八百刀流が不得手とする探査の補佐を担当している。
疾風が該当する。
大峰【オオミネ】
八百刀流陰陽道の分家。
術式には札を用いり、言霊を紡ぐことによって白紙に文字を連ね、術を発動させる。
八百刀流としては珍しく探査能力にも優れており、犬神集団・狼衆を抱えている。
昌太郎が該当する。
兼山【カネヤマ】
八百刀流陰陽道の分家。
術式には全身に生まれ付き施されている刺青を用いり、言霊を唱えることで身体能力を強化する。
美郷が該当する。
鬼誅【キチュウ】
八百刀流『瀧宮』元当主候補であった羽黒が太刀打ちの儀の際に完成させた太刀。大妖怪・牛鬼の力が込められているため、その切れ味は歴代最強と悪名高い。
狂悪【キョウアク】
昌太郎の通称。戦闘その物を楽しむ性格に由来する。
隈武【クマベ】
八百刀流陰陽道の分家。
八百刀流で唯一、術式に言霊を用いないが放つ矢には破魔の力が備わっている。
他家の援護を担当するとこが多い。
宇井が該当する。
携帯電話【ケイタイデンワ】
とっても便利。人間も妖怪もコレがなくては現代社会では生きていけないかもしれない。
真奈がよく落として困っている。
言霊【コトダマ】
『隈武』を除く八百刀流陰陽道の陰陽師が術式を発動させる際に用いる言葉。
最悪【サイアク】
最も悪いこと。それ以上でもそれ以下でもない。
羽黒の通称。
戦闘狂【サディスト】
梓のこと。圧倒的な強者を絶対的な力で捻じ伏せるような戦闘スタイルと、戦闘中に笑みを無意識に溢すことに由来。
ちなみに、梓に戦闘中に笑っている自覚はない。
醜悪【シュウアク】
美郷の通称。全身に施された醜く歪んだ刺青に由来する。
白羽【シラハ】
羽黒が所有する、斬るべきものを斬る太刀。
八百刀流由来の太刀としては珍しく、柄と鍔がある。切先から石突まで、全てが白鳥の羽のように純白である。
羽黒と梓の亡き妹と同じ名を持っているが……。
私立月波学園【シリツツキナミガクエン】
全児童生徒学生教員を合わせると一万人弱になる常識破りのマンモス校。敷地面積は月波市の二十パーセントに及ぶ。
深海色【シンカイイロ】
羽黒の黒い容姿を譬えた表現。
辰帰川【タツキガワ】
月波市を流れる川。
瀧宮【タツミヤ】
八百刀流陰陽道の本家。守り神・ミオの加護を受けている一族。
術式には太刀を用いり、普段は体内に収められている。使用する時は「――抜刀、○○」の言霊で喚び出す。
梓、羽黒、紅鉄が該当する。
蒲公英食堂【タンポポショクドウ】
字面と発音のイメージが合わない、私立月波学園の食堂の一つ。
女子向けのメニューが豊富に取り揃えてあるが、名物のフレンチトーストセットは異常に甘く、それゆえ非常に高カロリーであるため、愛すべき敵として認識されることが多く、あまり注文はされない。
遊利、メイ御用達の食堂。
月波市【ツキナミシ】
人間、妖怪、幽霊、神が共存する都市。
特殊男子同盟【トクシュダンシドウメイ】
射撃部男子を中心とした、モテない男共が結成した集団。裏切り者には実弾発射も厭わない、大変危険な集団。
英明と正輝が該当する。
戦闘狂【トリガーハッピー】
裕のこと。前方に味方がいるにもかかわらず、遠慮なく発砲する戦闘スタイルに由来した通称。
ちなみに、裕はきちんと狙って発砲しているため、下手に動くと被弾する確率はむしろ上がる。
戦闘狂【バトルマニア】
昌太郎のこと。戦闘その物を楽しむ性格に由来した通称。
半妖【ハンヨウ】
人間と妖怪の混血児。月波市では異種族間の混血は珍しくなく、稀ではあるが人間でありながら妖怪の力を、または逆に妖怪でありながらただの人間のように何も力を使えない者のことを言う。
なお、混血でも人間の力を持った人間は人間、妖怪の力を持った妖怪は妖怪として分類される。
雛罌粟食堂【ヒナゲシショクドウ】
ボリュームと味の濃さに定評のある、私立月波学園の食堂の一つ。
男子向けのメニューが多く取り揃えてあるが、名物のお好み焼き定食はダブル炭水化物OK派とアンチダブル炭水化物派で賛否両論。
直行と理玖御用達の食堂。
穂波【ホナミ】
八百刀流陰陽道の分家。土地神。ホムラの加護を受けている一族。
術式には飛び道具を用いる。昔は『隈武』と同じく弓矢を用いていたが、現在は銃火器を扱う者が多い。「――○○、コード」の言霊で、自分のイメージを具現化させる。
裕、穂、冨が該当する。
もみじ駆り【‐‐‐ガ‐】
非公式の白銀もみじファンクラブ。「紅葉狩り」と「もみじのために駆けつける」をかけている、つもりらしい。
八重桜食堂【ヤエザクラショクドウ】
私立月波学園の正門に最も近い食堂。
半休日や休日部活動の帰りに利用する者が多い。古き良き日本の大衆食堂メニューが豊富。中でも生姜焼き定食が特に人気。
経、明良、相良、ハル御用達の食堂。
八百刀流【ヤオトリュウ】
本家『瀧宮』及び『穂波』『大峰』『兼山』『隈武』の四つの分家で構成された陰陽道の流派。妖怪を殺すことに特化した物騒な流派であるため、数百年前に阿部家から絶縁させられた。
現在は月波市を守る役目を負っている。
夜空色【ヨゾライロ】
もみじの黒い容姿を譬えた表現。
龍堕【リュウオトシ】
羽黒が龍を殺すためだけに作った太刀。
刃渡りだけで二メートル近くあり、八百刀流由来の太刀としては珍しく柄と鍔がある。切先から石突まで、全てが深海の底のようにどす黒い。
龍殺し【リュウゴロ‐】
①龍を殺した者。またはその時に用いられた武器。全身に龍の返り血を浴びた者は最強の盾、龍鱗を手に入れることができる。羽黒が該当する。
②酒に強い妖怪向けに作られた、ありえないアルコール度数の日本酒。ホムラ、ミオ、羽黒御用達。
六角荘【ロッカクソウ】
通称ボロアパート。黒炎事件の際、最初に被害に遭った建物の一つ。
WING【ウィング】
黒い外見に白い店名が目印の雑貨屋。ヘアピンから家具、はては労働力まで、あらゆる物を取り扱っている。
店長は羽黒。後にもみじが店員として転がり込む。