海の底から
湊「俺の財布返せよっ!」
生徒A「やーだねっ!」
俺、沖合 湊は高校2年生。正義感だけは人一倍強いがその性格から嫌がらせされることも少なくない。
湊「今日も散々だったな…。」
男の子「助けてっ!」
海の方から溺れた男の子の声がする。俺は迷わず海に飛び込んでいた。
俺は泳ぐのが得意ではない。それでもなんとか子供を陸へ押し上げた。その時だった。余力があるはずの体が海底に引きずり込まれた。
湊(なんだよこれっ…!)
酸素が入ってこない。肺の中を水が満たして呼吸が苦しい。水面越しの太陽の光がだんだんと暗くなっていく。遠のく意識の中、願ったのは人としての本能だった。
ーまだ生きたいー
常に人のためにと考えて生きていた俺は、この日初めて自分の意思を通した。
やがて意識が戻り瞼を開くとどこかの岸にいた。
湊「ここは…いったい…」
グオォォォォォン!!
叫び声とともに姿を現したのは船の形をした化け物だった。船体はボロボロで穴が空いており、帆も破れている。
湊「沈没船の化け物…!?」
理解が追いつかなかった。ここはどこなのか。なぜ船の化け物がいるのか。そして、死んだはずの自分はなぜ今ここにいるのか。
化け物は理解を待ってはくれなかった。けたたましい叫び声とともに突進してくる。大型船の巨体の突進だ。当たれば即死だと直感で感じていた。
湊「さっき死んだばっかなのにまた死の心配すんのかよ…!」
脳裏によぎったのは生前の記憶ーーーーーーーー
湊の父は湊が幼い頃に病死した。父の看病の経験や父の言い伝えから湊は正義感が強かった。自分を犠牲にしても人を助けた。辛くはなかった。それが普通だと思っていたから。しかし、死の淵で感じた。自分はまだ何もしていない。もっと自分のために"生きたい"と。
湊「まだ…終わってねぇ…!!」
湊の執着が水を具現化して湊の体を水が纏う。やがて、流れる水は剣の形を成す。
『底なき水槽』
紙を切るかのように水の剣は船の化け物を一刀両断した。船の化け物は悲鳴をあげて崩れ落ちていく。消えゆく寸前、船の中に泣いている人影が見えた気がした。
湊「倒した…?」
能力の反動で岸に倒れ込む。ふと、疲れきった湊の耳に声が聞こえる。
???「やるじゃねぇか、坊主。やはり俺の見込みは正しかったな。」
湊「誰だ、お前」
灰崎「俺は灰崎夜刻。今日からあんたの先生だ。」
読んでくれてありがとう。
適当に考えた雑な小説だけど是非全部読んでくれ。




