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無色の僕と世界の原色  作者: 木絨羽
第二章
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第2章 9 : 鉱石を咥えてくる小鳥

「ううう——どうしてこんなことに…」


帰り道、デボはずっと泣き言を言っていた。ようやく先輩として、学び始めた花生の前で少しは自慢できると思っていたのに、花生がまさかの有名なブリタ族の人間だったことで、デボは非常に恥ずかしい思いをして、顔が真っ赤になった。花生も少し気恥ずかしくなった。


「さっきの得意げな様子が笑えるな、ははは——」


メロン叔父が横で笑いながら言うと、デボはまた顔を赤くした。恥ずかしいのと怒りが入り混じった表情だ。


「お父さん!」


「まあまあ、もういいじゃないか。だけど、良いことを考えてみて。有名なブリタ族が魔法を学ぼうとしているんだよ…すごいことだろう?良い息子よ、お前も喜んでいるべきだよ。」


「うんうん!他の人たちはまだ学んでいるのに、兄ちゃんはもう先生になるんだもん、リテルもすごく嬉しそうだよ!」


「そ、そうだね!そういうことだ!わかったよ、お父さん、リテル、ありがとう!」


デボは元々元気がなかった顔が、家族の励ましでパッと明るくなった。


「今や、僕は有名なブリタ族の先生だ、ははは!」


父子のやり取りは、花生の核心に触れた。


「その、有名なって言っても、それは家族の名声に過ぎないんだ。僕は、いつかその呼び名が『有名な花生』に変わる日が来たら、その時にみんながそう呼んでくれると、嬉しいなって思うよ!」


「え?——ブリタ族は勇敢だけじゃなくて、謙虚なんだね。」


デボはそう言って、フレディヴィアも微笑んで花生を見つめていた。


「あ!デボだ!それに君たちも、お帰りなさい!」


家の玄関に近づくと、執事のロムが立って出迎えた。


「はい、帰りましたよ、ロム。」


メロン叔父が答えた。すると、リテルが嬉しそうに叫び、花生とフレディヴィアは少し戸惑った。だが、父親と兄はお互いに微笑み合い、優しくリテルがロムに駆け寄るのを見守っていた。


「わ!——これが今日小鳥が掘り出してきた石なの? きれいだなぁ。」


ロムは、少女が手を伸ばしてきた小さな青い石を手に渡した。少女はそれをじっと見つめ、嬉していた。


「ロム、君は甘すぎるな。一、二回くらいならともかく、毎度こういうことをするのは、できないよ。ましてや、この鉱石は…」


「まあ、いいじゃないか、メロン兄さん、これくらいならなんてことない。リテルが気に入ったなら、それで十分だろう?」


「ふぅ……君は本当に女の子を甘やかすのが好きだね。」


「うん……まあ、だって私の娘はもう……」


ロムは急に頭を下げ、緑色の目に悲しみを浮かべた。見るからに、彼が何か辛い過去を背負っているのが感じ取れた。


「すみません、すみません!あんなこと言うつもりじゃなかったんだ……」


「大丈夫だ、大丈夫、もう過去のことだよ……ね、リテル?」


ロムは必死に気持ちを抑え、見え透いた笑顔を浮かべてリテルを抱き上げた。しかしリテルはその問いに答えることなく、ただロムの首に抱きついていた。


「ロム叔……」


ロムの顔に本物の笑顔が浮かんだ。


「(リテル…やっぱりすごい子だな。)」


「(ところで、小鳥…鉱石…どういうことだろう?)」


花生は顎に手をやりながら考え込んでいた。なぜなら、彼は今まで小鳥が鉱石を掘り出す話など聞いたことがなかったからだ。 その疑問が顔に出たのか、隣の白髪の少女、フレディヴィアがその答えを即座に口にした。


「小鳥が鉱石を掘るって…鉱石鳥のことかな?」


フレディヴィアはロムに質問し、花生は驚いた。まさかフレディヴィアがそのことを知っているなんて。


「そう、鉱石鳥だよ!」


「毎日きれいな石を運んでくる小鳥なんだよ!」


リテルは手に持っていた青い石を掲げ、興奮しながら補足した。


「(まさか毎日…?)」花生は信じられない思いだった。それどころか理解に苦しんだ。鉱石は貴重な資源のはずなのに、毎日小鳥が運んでくるなんて、まるで天から降ってきたご馳走のようだ。もしこの世界でそんなことがあったなら、間違いなく大富豪になれるはずだ。


「多くの国では、王室が鉱石を収集して管理しているんだよ。極限の環境にある鉱石は、採掘のリスクが高いから、普通の環境で採掘することはなかなかできないんだ……」


「正直に言うと、極限環境でなくても鉱石の採掘は非常に危険な作業だよね。」


花生は思い出して、鉱山事故の報道を思い浮かべていたので、つい質問を続けた。


「いや、違うんだ、花生さん……普通の環境なら魔法で簡単に鉱石を掘れるんだ。でも、極限の環境では、特に高緯度の地域では、大気中の魔導因子が非常に薄いから、魔法は使えないんだよ……」


「それで鉱石鳥が登場したわけだ?」


「そうだよ。大体200年前、フェンデイ雪山で鉱石を掘っていた作業員が、風雪を避けるために洞窟に避難していたんだ。そのとき、洞窟の奥深くで大量に処理された鉱石を発見したんだ。その作業員がそれを調べようと近づいた時、数羽の鳥が戻ってきて、鉱石をくわえていたんだ。しかし、作業員がそれを取ろうとしたら、鳥たちがつついてきて、しばらくしてその鳥たちは地面に落ちて、力なく羽を動かしていたんだ。それで、その作業員はその場所を印をつけて離れたんだ……」


「その鳥たちが鉱石鳥だったんですね?」


「そうだよ。後でその作業員はそのことを国王に報告した。国王は、イースト王国東部に住む翼人族のエニスト族の人々を呼び、再びフェンデイ雪山に行って、その洞窟を見つけたんだ。幸い、あの時鳥たちはまだそこにいて……」


「翼人族は鳥たちと話すことができたから、その鉱石鳥がどんな存在かがわかったんだ。鉱石鳥たちは、鉱石を集めて処理することができ、様々な極限環境にも適応できるんだ。しかし、極限環境の中でしか生息していないから、食物を見つけるのが非常に難しく、鉱石鳥は絶滅寸前になったんだ……でも、幸いにもその作業員がそれを見つけたんだよ……」


「すごい!鉱石鳥は本当に運が良かったんだ!そうでしょう、フレディヴィア?」


興味津々で聞いていたフレディヴィアはうなずいた。


「鉱石鳥を雪山から連れ出した後、国王は交渉を始め、最終的に鉱石鳥と契約を結んだんだ。鉱石鳥と人間は協力関係を築き、鉱石と食物を交換することで相互に利益を得るようになった。こうして、鉱石採掘の問題が解決し、鉱石鳥の種族も守られるようになったんだ。」


「素晴らしい!これこそが人と自然が調和して共生する精神ですね!」


花生が感動に浸っていると、ふと気づいた。メロン家の一行がすでに姿を消していることに。


「おっと、すみません、話が長くなっちゃいましたね……」


「大丈夫、大丈夫、ありがとう、ロムさん!さあ、入りましょう、フレディヴィア!」


「え…ええ。」


「え?」 「どうしたの?」花生はフレディヴィアが少し元気がない様子を見て、心配そうに声をかけた。


フレディヴィアはため息をつきながら言った。「残念ながら…エニスト翼人族はもう滅んでしまったんだ…あの大魔獣災害の中で…」


「え?——」

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