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新人冒険者と銀級・金級冒険者達(5)



 おそらくはヴィクトル達が森に入った時から気がついていたのだろう。ずっと上空から機会を伺っていた筈だ。少なくともヴィクトルは数少ない魔法戦士であり、魔力の血を欲する魔剣からとってはこの上ないご馳走だったのだろう。


だが、そこにそこに魔力の高い俺とアルテナが森に入ってきた事でそちらに目移りしてしまったのだろう。特上のご馳走が二人も来たらのだ。集まった所を狙ってきたのだろう。


 翼を拡げ、こちらの様子を伺っているようだ。

 

 ドラゴニュートはドラゴンの変異種であり、人間と同じ武器を使用して戦う。基本的には持ちやすいサーベルと大盾を持っているが魔剣に取り憑かれた場合は盾を持たずに剣のみで戦い非常に好戦的になる危険度も跳ね上がる。

 

「お前ら早く行け!ここは俺が何とかする!」

「何とかするって、ジークでもアレは無理だろう!?」

「大丈夫だ。俺には魔闘術があるから暫くは持つ。それよりミラーさんのところ言って剣なら何でもいいから持ってきてくれないか?アイツ相手にするなら絶対に折れる」

「確かにこのメンバーで戦えそうなのはジークだよ。それに戦力をドラゴニュートだけに向けれなさそうよ」

 

 既にゴブリンロードを支配下に置き、森の支配者になっていた為に上位種のゴブリン達も姿を現した。森を抜けて冒険者ギルドに報告に行ってもゴブリン達が国に押し寄せてしまう。その為にも森から抜けて防衛戦を早く張るように報告に行くべきだ。

 

 ヴィクトルとアルテナのパーティならば新人を連れて森から脱出し増援がくるまで持ちこたえてくれるだろう。

 

「時間ねえからさっさと行け!国を第一に護る事を優先しろ。新人の斥候は森抜けたら門兵に連絡に走れ!残りのメンバーで追撃してくるゴブリンの討伐に当たれ!武運を祈る!」

「状況を見たらそれが一番正しいわね。ヴィクトル!サバシア!突っ切って私達も後に続くわ!」

「け、けど、いくらジークでも一人じゃ・・・」

「大丈夫よ。ジークが負ける姿を想像する方が難しいからね」

 

 流石は若くして金級まで上がっただけある。アルテナは即座に行動に移した。まあ、人を化け物呼びしてるし、あれなら冒険者ギルドに直ぐに戻れるだろう。

 

 さて、やるか。

 

 ドラゴニュートは剣先を向けて急降下してきた。

相手は空を飛べる分何かと有利だ。落下地点から避けてもそのままこちらに突進してくるだろうし、このまま受け止めてやろう。金属音が森の中に響き渡る。

 

(マジックイーターだけあってかなりの魔力吸いやがるな・・・)

 

  受け止めた際に剣先から魔力を吸い取られているのがわかり、ドラゴニュートの顔に拳を撃ち込み殴り飛ばた。

 

「コイツ、よく見たらもう死にかけてるじゃねぇか?魔剣のせいか?」

「グルルルッ・・・ゴフッ!!」

 

 ドラゴニュートは口から血を吹き出して倒れてしまったそんな大した攻撃を与えたつもりはない。手応えも感じなかった。そのわりにこのドラゴニュートは死亡している状態で動いていたようだ。目も虚ろで精気がまるでない。

 

  やはり、呪いの魔剣のせいだろうか。マジックイーターの剣先を踏みつけて剣先で手首を軽く切ると手からマジックイーターが離れた。

 

  すると、ドラゴニュートはその場で倒れてしまった。

 

「やっぱりこの魔剣が原因だったか。魔力を吸い取られているから使用者も魔力を吸い取られていたのか」

 

  持っていた大剣を背中の鞘に戻してマジックイーターに持ち上げると確かに持ち主の魔力を吸い取られてしまう。魔力が尽きたら体力を魔力に返還して吸い取っていたのだろう。にしても使い勝手が悪い。

 

 「そんなに魔力が欲しけりゃこれでも食らえっての」


マジックイーターに増幅させた魔力を吸い取られせるとマジックイーターは大人しくなった。あー、これドワーフ製の魔剣だわ。


ドワーフは身体が丈夫である為に呪い体制に強い種族である為にたまに店先で売るナイフとかが魔剣であった事がある。


「これどうするかな?冒険者ギルドに売り飛ばすか?いや、その前にドラコニュートがいなくなって俺一人だから巣穴からでてきやがったな?ゴブリン・ロード・・・」


巣穴に閉じ籠っていたゴブリンの長であるゴブリン・ロードが配下の上位種のゴブリンを引き連れて巣穴から溢れできた。

ゴブリンはズル賢い為に隙を伺っていたのだろう。


丁度いい。このマジックイーターの力を試されてもらおうじゃないか。


「掛かってこい。相手してやるぜ?」


◇◆◇◆


「ジーク!あんた結局一人で解決してるじゃない!?何しれっとマジックイーター使いこなしてるの!?」

「しかもゴブリンの巣穴から拐われた女冒険者の救助も着いた時には終わってたしな」

「いや、マジでこのマジックイーター使い勝手良くてな?その試し切りしてるうちに楽しくなってきちゃって・・・」

「どうするんだ?このゴブリン達の死体の山・・・」


アルテナ達が冒険者ギルドから増援を着けてきた頃にはゴブリンの巣穴に入って行方不明者であった女達を救助した後であった。そして、その横には大量に積み上げられたゴブリンの死体の山と余裕で救助活動している俺。怒られても仕方無いか。


「報酬山分けで許せ。それかダンジョンで困った時に一回助っ人参戦して貰えるようにギルドに手配してもらうからさ」

「それはいいけど、新人はどうするのよ?アンタ一人でみるつもり?」

「んや?ヴィクトルの所が後は新人指導クリアすれば金級になられるからヴィクトルのパーティと面倒見るつもりだ。あの三人は持ってる力を伸ばせばダンジョン踏破に貢献できそうだしな・・・」

「珍しく当たりの新人が入ったからな。大体勝手に突っ込んで死んじまう新人は多いからな」


冒険者の成り立ての新人はベテランのいうことを聴かないことが多い。自分の力を過信して無茶な戦い方をして早死にする十代そこらでまだこれからがいい時に亡くなる奴らが多い。


その点を踏まえてもランタ達は鍛えればいい冒険者として戦力になるだろう。その前に冒険者ギルドに戻ってから何いわれるか面倒臭い。取りあえずはこのマジックイーター買い取って貰えるのかそこが不安だ。







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