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新人冒険者と銀級・金級冒険者達(3)



「ルータ!新人の神官まかせたわ! こっちは・・・」

「アルテナ。これくらいなら俺とランタだけで対応できそうだからお前も後方支援頼む。行くぞ、ランタ!」

「ちょ、じ、ジークさん! ま、マジですか!? 」

 

 何を言っているゴブリン退治とは運が悪ければこう言ったグループでも奇襲もあり得る事だ。前線で闘う戦士が数に怯んでいては仲間を守ることは出来ない。

 

「安心しろ。死なない程度に手助けはしてやる取りあえずはいつも通りに戦ってみろ!」

「ちょっとジーク!相手は上位種揃いよ!?新人に無茶させるのは・・・」

「安心しろ。ランタは弱くない。ただ前線に立つ戦士としての心得を知らないとコイツは強くならん」

 

  まぁ、そうはいっても初めて実戦で緊張で身体はガチガチだろう。少なくともゴブリン達の視線はランタに向いている。

 

 魔物は待ってくれない。弱い者から追い詰めて罠に掛けて追い詰めるのがゴブリンの生態だ。ランタに複数体のゴブリンが武器を振り上げて向かっていく。

 

「う、うわぁあああー!!!くるなぁあああ!!」

 

 ランタのやつゴブリンの数と見た目にかなり追い詰められてるな。まぁ、初陣で素人だけで向かわせなかっただけ良かったか。折角、才能ある若者を無駄死にさせるところだったんだしな。

 

「アルテナさん!あのヤバイですよ!?いいんですか? このまま放っておいても!」

「大丈夫よ。少なくともこの場にジークがいる限りゴブリンの上位種が何万匹いても倒れないわよ」

 

  ランタの剣はゴブリン達には当たらず、女槍使いであり、魔法も使えるルータがアルテナに話し掛けた。

 まぁ、その通りなんだけどな。 ゴブリンの上位種なんてもう何年も相手にしてきている。

 ランタの前に立ちゴブリン達を一太刀で一刀両断にする。

 

「ランタ、これでわかったろ? 命のやり取りしてる現場じゃ動かない的に剣を当てるのとは訳が違う。向こうも生き残る為にこっちを殺しにくる。これが現場の世界だ。 ゴブリンは弱いだの初心者向けだのいわれるがな。人間の弱い 」

「け、けど、俺は『勇者』みたいな英雄になりたいんです!!」

「だったら『まず死んでも護りたいモノ』を心に刻め!前線に立つ戦士は常に仲間の剣であり盾だ。俺は強い絶対に護れる!死んでも絶対に護り抜く!!その精神を持てば強くなれる。後ろみてテメェの仲間のツラ良くみろ。お前が狼狽えれば後衛にも影響する。敵が強くても護り抜く強さをもって戦え! 横には俺がいるから失敗してもいい分様にカッコ良く戦ってこい!!」

 

  ランタの表情が変わった。相手は格上の上位種のゴブリンであったが、攻撃をしっかりと見切り首を的確に切り落として行く。コイツは予想以上に化ける可能性が出てきたな。

 

「ランタ!相手の動きを良くみろ!ゴブリンは人型に近い。視野を広く持て!木の上から狙ってるアーチャーがいるぞ!」

「えっ!? あ、あんな所から・・・」

「ゴブリン・アーチャーは厄介だからな。たまに毒矢使ってるから常に隠れて狙える場所は注意しておけ?」

 

  地面に落ちていた手頃の石を持ち、木の上にいたゴブリン・アーチャー目掛けて投げつける。腹を貫通させて木から落ちる。

 

「さてと、次は俺の得意な魔闘術(まとうじゅつ)を見せてやろう。ランタにはその素質があるからな」

「魔闘術って身体や武器に魔力を覆って強化するやつですよね?」

 

  まぁ、身体に流れる魔力の流れを意識すれば誰にでもできる代物だ。 成長期であるランタはまだまだ身体も魔力量も増えるだろう。特訓次第では魔剣も使いこなせるだろうな。

 

 大剣の剣身に魔力を流し込み横に振り払うと目の前にいたゴブリン達を一掃させた。

 

「まあ、鍛えればこれくらいは余裕だろう。今ので2割位だ。本気でやると被害デカくなるからコントロールできるようにならねぇとな」

「ジーク!やっぱり私たち要らなかったじゃないの! ゴブリンもういないわよ!?」

「あっ・・・す、スマン。と、取りあえずはこの辺りに新しい巣穴ないか確認してヴィクトル達と合流しよう」

 

  新人に良いところを見せようをやり過ぎてしまった。まぁ、俺が教えられるのはこの魔闘術しかない。幼い頃から教えて貰った師匠からの剣術である。


「ランタ。良く覚えておきなさい。この男は間違えなく英雄クラスの力をもってるわ。銀級に置いておくのは勿体無いくらいのね」

「アルテナ。ダンジョンだと本気で殺らないとこっちが殺られる。多分本気で殺ったら生き埋めになるぞ?」

「そういえば、五年前にダンジョンを一つ壊してるわね」

「あん時にめちゃくちゃ怒られてダンジョン出禁だぞ?俺」

 

 金級の実力があった為に二十歳の頃にダンジョンデビューをした際にダンジョンボスであったキマイラ相手に本気の一撃を出してダンジョンを破壊してしまったのだ。貴重な資源が取れるダンジョンを破壊してしまった為に5年間は金級に上がれない事になっていた。

 

その期間も過ぎオーガの一件で再評価されたがあれからも剣術と魔力の修行を続けている為に間違えなくまた破壊する自信がある。そう伝えるとアルテナにめちゃくちゃ怒られてしまった。




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