冒険者・ジークと鍛冶職人のオカマ・ミラーさん
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昨日は飲みすぎだ。気が付いた時には昼間で寝てしまったようだ。特に誰かと約束している訳ではないし、単独ならば休息日も自分で決められるのが良いところだ。
「あー頭痛ぇ・・・今日は鍛冶所で剣と鎧の手入れでも頼むか?」
使い慣れた大剣も刃こぼれが目立ち、鎧も至るところが傷だらけであった。冒険者に取って装備品の手入れは自身の命を守る上で必要な為に身なりを整えて冒険者ギルドに向かった。
◇◆◇◆
俺が所属してる冒険者ギルド内には訓練場・鍛冶・武具屋・飯処など冒険者に取って必要な店が大方揃っている。 雑貨などは城下町の市場などに買いに行かなければならないが大概の用事はギルド内で解決できる構造になっている。
武具屋の屈強なオカマであるミラーさんはここの鍛冶職人である為に顔馴染みでもある。元はどっかの近衛隊長で凄い人だったらしいが引退して鍛冶職人をしている。
「店で見た時から気になってたけどかなり無理が来てるわよ? ジークちゃんの魔闘術は並みの武具だと負担が大きいわよ?」
「そりゃわかってるつもりなんだけどちょっと気になる事あるから代用のショートソードと硬革鎧一式用意してくれるか? 大剣は取りあえず急ぎで手入れでいい」
「それは良いけど? 何か気になる事があるのかしら?」
「まあ、ミラーさんには先に話しとくとゴブリンの数が増えてきてる。この前のオーガの群れの討伐した時に出てこなかった事を考えるとシャーマン。もしくはチャンピオンかロードか群れを率いている可能性があるかもしれない」
ミラーさんは真剣な表情をした。ゴブリンは基本的に統率力がある魔物に従う魔物である為にオーガキングやレッドオーガがいる群れに従わないと皆殺しにされる事を恐れて従う。
特にオーガなどは好んで人の街を襲う為に『おこぼれ』を貰える事を考えると従ってないかった事に不自然さを感じたからだ。
そうなると考えられる可能性はゴブリンの群れを統率する上位種がいる可能性が高いと思ったからだ。
「あくまでも可能性って話だから森を調査してから討伐隊組むかはギルドと決める予定だが・・・」
「なるほどね。なるべく早めに武具は用意するわ。オーガキングよりも統率力があるとなると数百匹のゴブリンやその変異種がいるって事ね?」
「取りあえずは集落があるのか巣穴なのか調査する必要があるからな。 ギルドとそこは相談になるだろうが、肝心の武具がやっぱりガタきてたからな」
「防具はともかく、剣は『魔剣』じゃないと多分長くもたいないわよ?」
魔剣なんて買える訳ないだろう。世界に数本しかない魔法の力を秘めた剣だ。伝説の金属であるアダマンタイト製で『何者も傷つけることができないと言われている伝説の金属』が使われている。ただの冒険者である俺が手出しできる代物ではない。
少なくとも『力の象徴』とも言われる魔剣ともなれば国が厳重に保管する事になってる。まぁ、所持していても使えるかは魔剣に気に入られるかも重要であるが・・・
「まぁ、剣はダンジョン産の物を使うよ。少なくとも魔剣なんて国家予算レベルの代物に手出しできるか!」
「確かにジークちゃんなら使いこなせそうだけどお金の問題なのよね? 銀級から昇級しないのかしら?」
冒険者の階級は銅級、銀級、金級、白銀級と上がっていく仕組みだ。俺の階級は銀級だが、オーガの一件で金級の昇級の話は何度かギルドマスターから打診があったのも事実だ。
確かに階級が上がれば受けられる依頼や報酬も上がるのは事実だ。
「金級はダンジョン踏破のパーティに酸化必須だし、白銀級になると王国からの依頼もこなさなきゃならんから出来れば今のままがいい」
「まあ、確かに現場をわかってないよりもジークちゃんのが適任なのよね・・・」
銀級は基本的に近隣の草原や森に出る魔物や魔獣の討伐や環境調査が主な仕事であるが多くの冒険者がこの仕事を嫌がり金級に上がりダンジョンに攻略に行ってしまう。
その為に新人育成などができる銀級冒険者が常に不足している状態だ。
ミラーさんと話していると慌ただしく扉が開かれると、そこにいたのはマールであった。
「ジークさん!助けて下さいッス!新人がはいったんッスけど『ゴブリン退治』したいって聴かなくて・・・」
「おいおい、運悪くネェか? あー、わかったわかった。話してやるから変わりに銀級、金級のパーティで暇なやつ集めてくれねぇか?後はここ数ヵ月の俺の討伐記録もエレノアにいって持ってきてくれ」
「?銀級、白銀の冒険者パーティへの誘いとジークさんの討伐記録ッスね!わかったッスから一緒に来て下さいッス!」
ミラーさんに武具をお願いして武具屋を後にすると、受付の前で騒いでいる少年と少女らのパーティがいた。
また威勢のいい新人が入ってきたなとため息をついた。
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