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ジークと二人の王女・エリーとルナ



 あれから数週間後、ステアが無事に使い魔契約を出来た為にランタパーティに加入する事でヴィクトルパーティと合同で冒険者として指導をしている。

 

 特にヴィクトルはランタに魔闘術の感覚(コツ)を覚えさせて魔法戦士としての才能を開花させた。

 

 ステアはアニスに回復魔法を教えて貰いキュイ、ドラム、ハクアの支援魔法を中心に教え合っている。ランタパーティは魔物使い(テイマー)が加入した事により依頼も大分こなせるようになってきていた。

 

 ハクアやドラムが魔物や魔獣の生態系にも詳しいために知識も着けて銀級冒険者向けの依頼もヴィクトルパーティと合同でこなせている。

 

 今は長期依頼で冒険者ギルドにはいない。

 

  受付でエレノアさんに昇級の話をしていると鐘の音が突如として響き渡った。

 

 魔物や魔獣の大軍が国に攻め込んできた際にも避難警報として冒険者ギルドが鳴らすことがあるが、今回は違うようだ。

 

 ダンジョンで手に入れた映像を届ける魔道具にエルデン王国の国王であるグラッセニア国王が姿を見る。

 

『国民の諸君!驚かしてしまい誠に申し訳ない。だが、エルデン城からルナが家でしてしまった!!頼む!!誰かルナをルナをさがしてくれぇ~!!!』

「このおっさんも丸くなったなぁ~」

「まぁ、悪政をしてた頃とは違っていい国王なったわね。ジークさんがぶん殴ってくれたおかげでね」

「まぁ、エミーの頼みだったし、幼いルナ連れて頼まれたからな」

 

 この国には二人の王女がいる第一王女であるエミーと第二王女であるルナである。

 

 二人とは新人の頃に面識がある。

 

 だが、仮にもエルデン王国を滅亡まで追い込んだ事実があるのでもう二人とも俺の顔を忘れているだろう。


第二王女はお転婆でかなりの頻度で家出をするその為にまた時間が立てば王直属の騎士団の誰かが見つけるだろうと気にしなかったが、自分の運の悪さを客観視していた。

勢いよく開く扉の音にギルドにいた人間が見ると、そこにルナ第二王女の姿がありこちらに気づくと涙目になって飛び付いてきた。


話を聴くと王族の習い事が多すぎて自由がなくそれを国王に言って喧嘩したらしい。


まぁ、それにしても十年も会ってなかったのに良く覚えてたな。招待とか全部断ってたのに。


「冒険者ギルドの受付嬢か冒険者になりたいっていっただけなのに~」

「エレノアさん? もしかしてたまにいる新人って」

「元々本人の希望で『社会勉強』という形で冒険者ギルドの受付嬢してましたよ?」

「エミーお姉ちゃんもやってたし、私もやりたくて・・・。けど、冒険者になりたいの!」


いや、そこは本人の自由だろう。


「別に冒険者として登録するだけならいいだろ?王女だろうが本人の自由だろう?」

「それで国王に怒られるの私らなのわかってる?ジーク君?」

「いざって時に国民助けに行けない騎士団よりジークお兄ちゃんに剣術教えて貰いたい!お姉ちゃんを護れる剣になりたいの!」

「やっぱり舐められてるな。騎士団は。現騎士団長様も大変だな?アイシスよ」


ルナが開けたままの扉から鎧を纏った金髪の美女は入ってくるとルナは俺の背後に隠れた。


「ルナ姫様!? そ、そんな嫌がらなくて・・・」

「ふーんだ。お父様の味方するならもう剣術の稽古はジークお兄ちゃんに頼むもんね!?アイシスの馬鹿!」

「もしかして、親父さんと喧嘩して飛び出たのもあるけど、アイシスがルナの味方しなかったのか?」

「そうなの!アイシスだけは私の味方だと思ってたのに!お姉ちゃんはジークお兄ちゃんに会いたくて呼んでるのに来てくれないし」


流石に国王ぶん殴った男が招待されたからと城に行ける訳がない。少なくとも魔物や魔獣の襲撃に備えて警戒してる必要があった。


「んな事いってもなぁ~ここら辺に防衛として駐在してる冒険者少ないし、騎士団の駐在所も通りからな・・・」

「むぅ、今は暇なの? なら、お城に来てよ!」

「ダメだ。今はヴィクトル達がいねぇからな。何かあった時に俺が動ける場所がここなんだよ」

「じゃあ、私も冒険者としてジークお兄ちゃんを支えて裏からお姉ちゃんの剣になる!!」

「「ルナ姫様!?」」


運悪く他の騎士団の団員達が駆け付けた所にルナの冒険者になる発言で場は混乱してしまった。


背中から離れる気はない様子だ。アイシスが説得を試みる。


だが、ルナは聞く耳を持たない。面倒な事に巻き込まれてしまった。 面倒だな。正直いってルナはみた感じの実戦向きの体つきをしてない。

魔力量はそこそこあるが、どうしたもんか。すると、まだギルドの扉が騒がしくなると今度は第一王女であるエミーが動きやすい格好で現れた。


「ルナ!勝手にお城を抜け出して!私にも声を掛けなさい!」

「だって、お姉ちゃんずっと忙しそうだったもん!」

「騎士団の駐在所の見直しを話し合いしてました。ジークお兄ちゃんお久し振りです。エリーです」

「デカくなったな。色々とお前ら」


幼い頃に出会った面影はあるがしっかりと身体は成長していた。エリーはしっかりと王族としての勤めも果たしているようだ。

最近、常連客のおっちゃんらが忙しい原因は騎士団の駐在所場所の建設が影響している。それはエリーが人々の安全を思っての政策だったようだ。


「成長したな。エリーちゃんと約束通りいい王族としての振る舞いしてるんだな」

「ええ、今日は視察で冒険者ギルドに訪れる予定があったのにルナがお父様と喧嘩して・・・」

「視察か。なら、ルナも着いてけ。そっちのがいいだろ?」

「ジークお兄ちゃんも来るの!エレノアさんいいよね?」

「何かあったら行けないし、ジーク君依頼としてお願いいたします」


何かやってると思ったら依頼書作成してたのか。エリーとルナに勝手にサインされるとじっとこちらを見てきた為にため息をついて同意のサインを書くと二人は腕にしがみついてきた。


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