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ジークとイオナと魔物使い(2)



  フォードは森の守護者としての使命をしっかりとこなしていたが、流石に伝説の魔剣と呼ばれた『ムーンイーター』に斬られては流石の神獣でも体内の魔力を吸収されてしまったそうだ。

  クリスはフォードを連れてこの場所に結界を張ることで精一杯であった為に役目を果たすことが出来なかったらしい。こそんなにヤベェ魔剣なんだな。これ。

 

『流石はジークだな。その『ルーンイーター』は並みの人間ならば既に死しているだろう』

「そんなにヤベェ魔剣なのか?前に全力で魔力を入れたら折れそうになったぞ?魔力おさえなきゃ使えねぇ魔剣なんてあるのか?」

『ジーク。お主は『普通』だと思っておるが肉体も精神力も魔力も勇者や魔王の比較にならない領域なのだぞ?』

 

 まだ空中跳躍を取得できていない俺がか? 基礎練習を毎日やればなんとかなる話だろう。少なくともイオナさんを護る為の力を着けるに越したことない権力に対抗できるのか強大な力だ。

 

 少なくとも実績を出せば出すほど国は俺を囲い込みたいだろうが俺はイオナさんが国民の味方である限り着くつもりない。王になって好き勝手やるよりも今の方がよっぽどマシだ。好きな女の店でメシがくえるだけで充分幸せだ。

 すると、イオナさんは大きめのリュックサックから重箱をいくつか取り出してフォードとクリスの前に差し出した。

 

「取りあえずはこれ食べて元気になりな!唐揚げと牛肉コロッケ。山菜の盛り合わせサラダと野菜炒めよ」

『おお!イオナ殿がいるからもしやと思ったら!ありがたい!』

『我々は人の街には行けんからな。久しぶりに食べたかったところだ!』

「そうだろうと思って用意しておいたわ。ジーク君にも運ばせるからあるだけ食べちゃってね?」

 

 こいつらも胃袋を掴まれて神獣の加護をその過程でイオナさんに神獣の加護を与えている。まぁ、イオナさんは俺よりも強いが(・・・)念には念をだ。

 

「そうだ聞きたいことがある。コイツは魔物使い(テイマー)のステアっていうんだが、テイム出来そうな魔物や魔獣この辺りにいるか?キュイはテイム出来たんだが・・・」

『やはりその少年は魔物使い(テイマー)か。だが、難しいな。そのエメラルド・カーバンクルような魔物か魔獣『しか』テイム出来んぞ?』

『普通の魔物使い(テイマー)より優れておるようだが、特殊な魔物や魔獣しかテイマできんようだ」

「そういや、エメラルド・カーバンクルは稀有(レア)って言ってな。つまりは『特殊な魔物や魔獣しかテイムできない』ってことになるのか?」


そうなってくると話は別になってくる。この辺りにそんな稀有(レア)な魔物や魔獣はいない。つまりはキュイだけしかこの森にはいないだろうし、他の場所も雑魚ばかりだ。


ステアがテイムできる稀有(レア)がいないとなるとダンジョンでテイムする方が手っ取り早いだろうがまだ『候補』はいる。


「なら、岩の魔女の『ゴーレム』とかならどうだ?」

彼奴(あやつ)か。確かにそのステアという少年を気に入ればだが・・・』

『墓守りの番人である彼奴(あやつ)が離れるかどうか』

「岩の魔女のゴーレムって?」

「ああ、ステア君は別の国の出身でこの辺の事は詳しくないわよね? 岩の魔女はこの辺りの言い伝えなのよ」


エルデン王国には岩の魔女が操るゴーレムに攻め込まれた事が大昔に一度だけある。


今でも岩の魔女が造り出した一体のゴーレムは活動を続けており、そのゴーレムは岩の魔女の棲みかである泉の畔に存在している。そこに亡くなった岩の魔女の墓を造りそこを守護しているのだ。


一応、冒険者ギルドでも討伐依頼があったが、誰も倒せた者はいない。


「今からそいつに会いに行くぞ? 俺らの知り合いだ」

「け、けど、そのゴーレムも大事な人の側にいたいんじゃ?」

「まぁ、そうなんだけどね?ちょっと変わったゴーレムなのよね・・・」

『まぁ、会ってくるのか良いだろうな。ステアも今後そういう魔物や魔獣に出会うやも知れん。今のうちに魔物使い(テイマー)として経験を積ませておくのも良いだろう』


フォードは体力が回復した為に縄張りを直接抜けた方がいいためにイオナさんとステアを背に乗せてくれるといい立ち上がる。


◇◆◇◆


泉の畔は多くの魔物や魔獣が水を飲みにくるためにゴーレムが護る墓にさえ危害を加えなければ比較的大人しいゴーレムである。人型の形をしており、人語を理解するゴーレムはそうはいない。すると、フォードが脚を止めた。


『さっきから着けてきておるモノがおるがジークよ。どうする?』

「敵意感じねぇんだよな~?そこの木の影に隠れてるヤツでてこい」

『やはりお二人には気付かれておったか。仕方ないのぉ~』


木の影から姿を表したのは白い狐の獣人であった。エルデン王国にも犬耳、猫耳の獣人はいるが狐の獣人は見たことがない。フォード曰く東の国から来た『白狐』という種族だという。


『お主なんのつもりだ?『白狐』よ』

『お二人には用はないのぉ~そこの魔物使い(テイマー)にようがあるんじゃ。簡単な話じゃその少年・・・むっちゃ好みだから使い魔にして欲しいのじゃ!」


ステアを見るとどうにも中性的な男性が好みでステアはこの白狐から見たらタイプだったという。そういった好みの問題もあるのかと聴くとわりとあるそうだ。


「俺達は今、泉の畔に住んでるゴーレムの所に用があるんだが・・・」

『ん?ああ、あそこか。妾の今の寝床じゃ!ちょうどいいのぉ~色々と』


白狐は不敵な笑みを浮かべたが敵意は感じられない。

何を考えているのかわからないが泉の畔まで行動を共にすることになってしまった。





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