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超人・ニコラ登場!

 私たちは割れたスイカの破片を集めて、麻袋に片付けております。

「センパーイ!だいたい片付いたよ」「こっちも片付きました」

 デワとボウイが言います。

「よーし。じゃあ帰るか」私たちがサンダルを履いてステージを降りて引き上げようとすると、距離を置いて見ていたフランス空手野朗がゆっくりと近づいて来ました・・・・嫌な感じがする。

 私は彼の方を向いて先に声をかけることにしました。

 本当はあまり係わり合いになりたくなかったのですが、向こうが私にコンタクトを取ろうとしているのなら、機先を制してこちらのペースで話さなければ。カッサバ先生の教えの実践です。


「何?あんた。何か用か?」

 フランス野朗は答えず、ニヤニヤ笑いを浮かべたまま、私の前で立ち止まります。

 目の前で見るとやはりでかいです。胸板は壁のようだし頭は私の頭上に付いている。

 私も身長178cmと日本人としては背が低い方ではありませんが、見上げなければなりません

 でした。


 フランス野朗は少し腰を曲げて身をかがめ、私の顔を上から覗き込むようにします。

 まるで小バカにしているようです。

「な、なんだよっ!こっちは忙しいんだから、用があるなら早く言えよ」

 しかし彼は無言のまま私の顔を見ています。私の英語が通じないのだろうか?


 彼はやがてゆっくりと身を起こします。

 ・・・・・?・・・・・

 そして、何も言わずにクルリと踵を返すと、向こうに歩いていこうとします。

 ・・・・・一体何だったんだろう?・・・・と思った瞬間。


 ぶわっ・・・と風圧が顔に当たり、私の前髪が舞い上がります。

 ・・・・!

 私の目の前には巨大な靴底が。。。

 フランス野朗の後ろ蹴りです!私の鼻先数センチのところで止めています。

 この猛暑の中、どっと冷や汗が噴出しました。

 体の芯がぞくっと冷たくなります。

 私は・・・ピクリとも動いていません。まったく反応出来なかった。

 長身なのに信じられないスピードの蹴りです。


 フランス野朗は蹴り足をゆっくりと引き戻すと、ふたたびこちらに向き直ります。

 私はもう声も出ません。こいつはヤバすぎる。。


 ついに彼は口を開きました。

「お前は日本から来た空手家かね?道場をオープンするのか。オレは**会のコロンボ支部で教えているニコラというもんだが・・・まあ、つまりお前さんの商売敵と言うわけだ。お前、名前は?どこの流派だ?」

 私はまだ心臓がばくばくしていますが落ち着かねば。声が震えないように注意します。


「僕はトミーというものだ。中空会の指導員。こっちがコロンボ支部長のデワ」

「・・・えっ?」急に紹介されたので、私の後ろに隠れるように立っていたデワがあわてています。

「チュウクウカイ?ふーん?聞いたこと無いなあ。そっちの小さい方がセンセイか?」

「あ、いや・・・僕は・・・」デワは完全にパニクって、私の後ろに本当に隠れようとしています。


 ニコラと名乗るフランス野朗はくっく・・と堪えきれない笑声を漏らしながら

「トミーさんよ。なんかセンセイは体調が悪いようだなあ・・まあどっちでもいいんだけどオレと組手してくれないか?もしなんなら、そっちはふたりがかりでも・・・そこの白帯もやる気があるなら3人掛かりでもかまわんぜ」


 私は勤めて平静を装いながら

「どうして僕らがあんたと組手をしなきゃいけないんだ?僕らは日本にいる大先生に他流試合を禁じられているんだ。あんたとやるわけにはいかない」

 しかしニコラは引き下がりません。

「お前さん、分かってないな。コロンボは空手道場激戦区なんだぜ。このちっぽけな島国で、世界中の流派がシノギを削っているんだ。他流試合はやらねえだ?そんなの通るかよ。力の無い奴は消え去るのみよ。さあ、どうする3人がかりで来るかい?力で看板を守ってみな」


 ・・・・困った困った・・・どうしよう?私にとって初めての本格的なピンチです。

 カッサバ先生のお寺で見たニコラは黒帯3人をモノともせず手玉にとっていました。

 私のような空手大道芸人が勝てる相手ではないし・・・といって、この頼りない連中と3人がかりで

 やっても、まったく相手にならないでしょう。全員ハエのように叩き潰されて終わりだ。


「わかった。僕が相手する・・・・」

 意を決して私は言いました

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