表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/115

間もなくゴング

 トイレから戻った智ちゃんにポールのことを聞いてみました。


 ここからのポールの発言は実際には智ちゃんに訳してもらっているのですが、面倒なので直接対話形式で書きます。


「智ちゃんはポールくんとどうやって知り合ったの?」

「えっと、私が去年王宮の近くを歩いていたら話かけてきたのよね。彼はT大学の学生で日本のことを勉強してるの」


 ・・・それにしては日本語ぜんぜんダメなのはどーいうわけだ・・とは言わない。


「ボクは日本の文化と経済にとても興味があるんだ。学校を卒業したら日本の企業に勤めて、いずれはトモコと結婚して幸せにするよ」


 ほ~。日本の文化(やれる女)と経済(金ヅル)かあ。


 なんにも分かってない智ちゃんはうれしそうに通訳していますが私はべつに同情していませんでした・・・というよりこのバカ女にもムカついてきまして・・。


 中田さんもたまに口をはさんでいましたがけっして直接タイ語で話さず、智ちゃんを通しておりました。


 私はタイ人と個人的な会話をするのが初めてだったので、ふと長年の疑問をポールに聞いてみたくなりました。


「ポール。僕が昔読んだ日本のコミックのなかでタイ人は全員ムエタイができるから、素手で戦争したらタイが世界を征服する・・てのがあったんだけど本当?」


 ポールは例のアメリカ人をまねたような大袈裟なしぐさと、小ばかにしたようなにやにや笑いを浮かべながら「もちろん本当さ。君たちはタイ人とケンカしてはいけない。ボクたちは素手で人が殺せるからね」


 ・・・この野郎、吹きやがって!という気持ちと・・・本当かな?というのが半々でした。

 ところが、このあとポールが続けて言ったひとこと。これが私の闘争心に火を着けました。


「ところで日本人は全員カラテができるの?」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ