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ネバーランド

作者: 柴田歩

 その日私は学校をサボり、行く当てもなくさ迷っていた。

 こんな時間に制服姿で町を歩いている女子高生なんて何処にもいない。当たり前だ。

 もう授業はとっくに始まっている。今更行こうだなんて思わない。

 私はただ、自由になりたかった。勉強とか、人間関係とか、色んなしがらみから解放されたかった。

 しかしどうだろう。サボってみたところで、自由になど一ミリもなれていない。

 私は逃げられない。痛いくらいに分かっていた。


 やがて近くの公園に辿り着いた。砂遊びをしている子供、それを見守る母親。ジョギングをしている老人。私だけが異質だ。

 誰もいないベンチに座り、日の光を浴びる。暖かい。心は真逆に冷たく沈んでいく。

 私はいったい、何なのだろう。私の存在は一体__。

 目の前が歪んで見える。馬鹿みたいに泣きそうになっていた。


 いつか、分かる日が来るのだろうか。私は一体誰なのか。何のために生きているのか。

 せめて、今だけは。


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― 新着の感想 ―
[良い点] 心の機微がとてもよく表現できていると思いました。うつくしいです。
2019/10/02 03:01 退会済み
管理
[良い点] 無常感がほどよいですね。 [一言] 迷うのっていいことかもしれませんね。 自分の中で、向かう方向がくすぶっている証拠です。
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