第三章第五部〜科学〜
影を撃破した彼は、新たな戦場へと転移される···。
影も、マスターもいなくなり、さっきまでの喧騒が嘘のように廃倉庫は静寂に包まれた。が、いきなり廃倉庫という空間が破れていくかのように空間が剥がれ落ち、まるでホログラムの様な世界に辺りが変わった。
「影を倒したのか。せっかくボクが高クオリティな君のクローンを作ったというのに。」
急に辺りに反響する声の出処を探そうと、彼はあたりを見回した。
「悪いけど、声の出処はこちらだ。」
そのセリフのあと、大量の立方体が出現し、厚板の様な形に並び、具現化した。厚板のような形をした立方体は、テレビへと変化し、とある男の顔を映し出した。
「やぁ。五十嵐様の唯一の肉親にして唯一の敵、涼くん。ボクは君に会えて嬉しいよ。···おや、この世界が不思議かい?ここはね、ボクが科学力を最大限に駆使して創り上げた“電脳世界”だよ。」
次々と摩訶不思議でいて科学的根拠を持つ物を見せられ、訳が分からなくなってきそうだ。
「さて、ボクは今この世界の管理人だ。この世界に自由に物を生み出せるし、消せる。早速その一端を見せてあげよう。」
彼は身構えた。
「コード:001-CREATE-自律式虐殺機構を創造。」
"画面の奥の男"の声の後に、また、数多もの立方体が出現し、大きな人の様な形を形成し、具現化された。ただ、ただ、人を殺す事だけに特化したロボットが造り上げられた。
「コード:003-ORDER-キラーボットよ、そのセンサーに反応する物を全て、虐殺せよ。」
さっきまで俯いていたキラーボットが前を見据えた。電源が入った、ということだろうか?ともかく、こちらに敵意を持ったようだ。
と、いきなりキラーボットは両手のアタッチメントを回転ノコギリに変え、こちらへ突進してきた。
「なっ!?」
突然の攻撃に力の発動は間に合わず、咄嗟に回避した。キラーボットがよろめき、倒れ、手をついた地面(という概念があるのなら)は大きな長方形の穴が開き、辺りは先程の立方体に似た物質の破片が散乱している。
すると次にキラーボットは右手のアタッチメントをキャノン砲に変え、エネルギー弾を2、3発放ってきた。
「異術:リターン!」
エネルギー弾が収束し、また膨張しキラーボットを向いて飛んでいく。この隙に。
「―禁忌解放―ディザスター」
「―限度解放―アンリミッター」
「―神格解放―ゴッド」
「―忌力暴走―ブースター」
「付与属:パワード」
「付与属:ヘイスト」
「付与属:ヴィジョン」
「付与属:アルファセンス」
「付与属創造科:ライトニング」
彼はドーピングに次ぐドーピングにさらにドーピングを加え、自身の力を強化した。神獣解放が神格解放に変化し、よりリスクと負担が減っているのは戦いの中での進歩だろうか。
ふと意識をやると、先程のエネルギー弾がキラーボットの白金の体を貫いたところだった。キラーボットの体には大きな風穴が開き、穴の周辺には青色の電流が迸っている。すると、例の男が声を発した。
「コード005―REPAIR―キラーボットを修復せよ。」
その言葉に呼応するかのように、辺りに散乱したキラーボットの部品やら破片やらが宙に浮き、また立方体となり、キラーボットの風穴を埋めるように形成された。そして、具現化。1連の動作が終わった時にはキラーボットは完全に修復されていた。目的が確定した。これ以上キラーボットに構っていても仕方が無い。目的は···
"画面の向こう"への侵略だ。
最後まで読んでくださってありがとうございます!
なるべく早めに更新される様にしたつもりでしたが···?




